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ボゴール宣言を忘れるな

2010年11月23日0時1分 朝日新聞

 先般、横浜でAPECが開催され、菅直人首相は議長として明確な主張をまとめ切れなかった。直前に提起した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が野党だけでなく与党内からも反対論が相次ぎ、自由貿易を旨とする会議を主導する勢いをそいだからである。こんな時こそ、ボゴール宣言を思い出すべきだし、本来、菅政権はこの延長上でTPPを論ずるべきだった。

 この宣言とは1994年にインドネシアのボゴールで開催されたAPECの第2回首脳会議で、故スハルト大統領が議長としてまとめたものだ。実は、この宣言は、2010年には先進国が、20年には途上国がそれぞれ関税を撤廃して自由貿易の枠組みを構築するという内容であった。

 横浜の首脳会議直前にTPPが唐突だという意見が政界から続出し、「農業を守れ」の一大合唱が巻き起こったのだが、この宣言の存在を前提にするならきわめて異常なことである。この宣言には、当時の自社さ政権として、今の与党の主要なメンバーだけでなく、自民党も関与しているからである。記憶力が悪いか、不勉強なのか、あるいは忘れたふりをしているのか。

 自由化は日本農業を破壊するというが本当だろうか。日本農業は兼業が既に8割を超え、しかも高齢化が著しい。いかに保護しても一層の衰退は明らかである。ボゴール宣言から10年以上経過しながら、農業政策のきちんとした議論がされてこなかった、ということか。兼業主体ということは、実は時間生産性が極めて高く、専業化、大規模化すればコスト的なハンディが少ないことになる。農業改革は可能で、その促進には、ボゴール宣言の精神に立つTPPが果たす役割は大きい。(龍)

by yupukeccha | 2010-11-23 00:01 | 経済・企業  

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