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公務員の飲酒運転 「原則懲戒免職」緩和の動き

6月27日2時30分配信 毎日新聞

 飲酒運転した公務員を事故の有無にかかわらず「原則懲戒免職」としていた全国29自治体のうち、計10府県市が処分基準を見直すか、見直しを検討していることが毎日新聞の調べで分かった。06年8月に福岡市職員の飲酒運転で幼児3人が死亡した事故をきっかけに処分の厳罰化が広がったが、09年以降、「過酷だ」として免職を取り消した判決が最高裁で相次いで確定。厳罰化の流れに変化が生じている。

 基準が厳罰化された後、職員側が免職の取り消しを求めて各地で提訴していた。09年9月に兵庫県加西市の上告が棄却され、自治体敗訴が最高裁で初めて確定。その後、神戸市、佐賀県、三重県の敗訴が確定した。

 毎日新聞は5月までに、この4県市と、都道府県、政令指定市のうち、「原則懲戒免職」基準がある25府県市に司法判断の影響をアンケートした。回答によると、基準を「免職または停職」と緩やかに改めたのは、大阪府と、最高裁で敗訴した加西市。大阪府は「飲酒運転には厳正に対処すべきだが、最高裁の判断は尊重すべきだ」と指摘する。

 神戸市は検挙のみの場合などは「停職」とする新たな運用方針を定めた。市人事委員会は一連の司法判断を踏まえ、飲酒運転で横転事故を起こすなどした2人の懲戒免職を停職6カ月に軽減した。

 見直しを検討しているのは茨城、三重、滋賀県と、さいたま、岡山市の5県市。京都、長崎の2府県は見直すかどうかも含め検討中。さいたま市は「今後は、より一層慎重な判断が必要となる」。長崎県は「処分の取り消しについて国民の理解を得られるか今後の司法判断を注視したい」との姿勢を示した。

 一方、見直しの予定がないとしたのは19県市。福島県は「社会的非難が依然として高く、引き続き厳格に対処する必要がある」とする。福岡市は「変更が必要とは考えていないが、他都市の裁判例を注視していく」。佐賀県は「飲酒運転には厳罰で臨む姿勢に変わりはない」としている。【銭場裕司】

 【ことば】飲酒運転をした公務員の処分厳罰化

 06年8月25日夜、福岡市の男性職員(当時)が乗用車を飲酒運転し、同市東区の「海の中道大橋」で一家5人が乗った車に追突、博多湾に転落させて1~4歳(当時)の3児が死亡した。元市職員は2審で懲役20年の実刑判決を受け上告中。京都市の調査によると、この事故から同年12月までに少なくとも35道府県市が処分基準を見直すなど厳罰化した。

by yupukeccha | 2010-06-27 02:30 | 行政・公務員  

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