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外国人監督待望論の重圧 韓国・許丁茂監督、目標の16強

2010年6月25日9時38分 朝日新聞

 2002年日韓W杯以来、2回目の決勝トーナメント進出を決めた韓国代表を率いるのは許丁茂(ホ・ジョンム)監督(55)。自身も元韓国代表の経歴を持つ。外国人監督待望論のプレッシャーとも戦ってきた姿は、どことなく、日本の岡田武史監督(53)と重なりあう。

 22日にあった1次リーグ最後のナイジェリア戦。2―2で引き分け、目標の16強入りを決めた瞬間、ふだんは物静かな監督は、選手、スタッフと抱き合って喜んだ。

 許丁茂監督は過去にも代表を率いたことがある。95年にごく短期間指揮を執ったのち、98年フランスW杯後に02年日韓大会を見据えて就任。しかし、成績は振るわず、五輪代表監督を兼任していた00年シドニー五輪の1次リーグで敗退。日本が優勝した同年秋のアジアカップも3位にとどまり、不本意な形でチームを去った。

 今回は07年、ピム前監督(現オーストラリア監督)の辞任に伴い、引き継いだ。

 韓国では、02年に4強入りを果たした同国初の外国人監督、オランダ人のフース・ヒディンク氏の人気が根強い。韓国協会も02年以降は外国人監督の擁立を続けてきた。ピム監督の後任にも外国人の候補が何人も挙がった。韓国サッカー協会幹部は「許丁茂監督の手腕に期待しての起用だ」と説明するが、国民の間では「ほかになり手がいなかった」が共通認識のようだ。

 イビチャ・オシム前日本代表監督が突然の病で倒れ、急きょお鉢が回ってきた岡田監督が、ファンの絶大な支持を受けての就任ではなかったところと、似通っている。

 「とにかく精神的なものを強調する監督。守備はマンツーマンで、相手にしっかりついていける体力を要求された」と振り返るのは、元韓国代表でJリーグでもプレーした柳想鉄(ユ・サンチョル)さん(38)。

 そんな指揮官の戦術が、以前に比べて大きく変わったと感じている。「組織的な守備になった。固定していたポジションも、若い選手を起用するなどいろんな選手にチャンスを与えている」。W杯予選などを通じて守備的MFの奇誠庸(キ・ソンヨン)(21)=スコットランド・セルティック=ら多くの才能を発掘し、韓国人監督としてのW杯初勝利、初の1次リーグ突破を達成した。

 海外メディアによると、16強進出を決めたことで韓国サッカー協会から3億ウォン(約2200万円)の報酬が保証された許丁茂監督。「選手たちはこれで満足していない。準決勝へ進みたいと思うだろう」。次なる目標に、岡田監督と同じ「4強」を視野に入れる。(清水寿之)

by yupukeccha | 2010-06-25 09:38 | アジア・大洋州  

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