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捕鯨国で進むクジラ製品開発、NGO報告書

2010年06月16日 18:44 AFPBB News

 【6月16日 AFP】クジラとイルカの保護を訴える国際NGO「Whale and Dolphin Conservation Society、WDCS」は15日、日本、アイスランド、ノルウェーの捕鯨3か国がクジラを原料とする製品の開発を進めていると批判する報告書を発表した。

 捕鯨問題をめぐっては、88か国が加盟する国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)の年次総会が21日からモロッコのアガディール(Agadir)で開かれる。総会では、日本などが捕鯨で得た鯨肉の扱いが争点となるとみられる。

 日本、アイスランド、ノルウェーの3か国は、1982年のIWC総会で「商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)」が採択された後も捕鯨を続け、クジラの食用以外の商業利用の基礎を固めようとしているとWDCSは報告書で批判している。

 WDCSの報告書が取り上げた特許のリストには、ゴルフボール、髪のカラーリング剤、環境に優しい洗剤、キャンディー、健康飲料など多岐にわたる製品が挙げられている。いずれもクジラの軟骨、鯨油、鯨蝋(鯨油から作る固体のろう)が原料に使われている製品だ。

■クジラからコンドロイチン、コラーゲンも

 こうした動きについて、WDCSのスー・フィッシャー(Sue Fisher)氏は「クジラから取れる素材を利用して、再び捕鯨から長期的な利益を得られるようにしようとしているのはあきらか」と指摘し、「アイスランド、日本、ノルウェーは商業捕鯨モラトリウムの解除に大きな期待をかけている」との見方を示した。クジラを原料とした製品の輸出などから鯨肉以上の収益が見込めるはずだとフィッシャー氏はいう。

 WDCSの貿易アナリスト、ケイト・オコネル(Kate O'Connell)氏は、3か国の狙いはクジラから薬品や化粧・健康用品、動物用の飼料などを製造することで、捕鯨のネガティブなイメージを弱めることにあると話す。

 すでに日本では、クジラの軟骨を用いて変形関節症に有効とされるコンドロイチンや、美容製品に用いられるコラーゲン、食品添加物のオリゴ糖など多くの製品が作られている。 

 世界第1位の水産物輸出国ノルウェーでは以前からクジラからオメガ3脂肪酸などのサプリメントや医薬品を作る研究が行われていて、少なくとも1件のリウマチ性関節炎治療薬の臨床試験が実施中だという。

 アイスランドでは、ナガスクジラを解体し、食用肉や鯨油、食品を作る工業団地を建設する計画を政府が発表した。(c)AFP/Marlowe Hood

by yupukeccha | 2010-06-16 18:44 | ヨーロッパ  

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