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アブダビでクロマグロ養殖へ 近畿大 すし人気で需要増

2010年5月30日5時43分 朝日新聞

 世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功したことで知られる近畿大学(本部・大阪府)が、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国に養殖の技術や人材を提供することになった。アブダビでは、主に自国内で食べる魚の確保をめざす。同国付近の海は浅いうえに塩分が濃すぎて養殖にむかないため、陸上施設での実現をめざすという。

 近大の水産研究所(和歌山県)は8年前、クロマグロの卵を孵化(ふか)させ親にし再び卵を産ませる「完全養殖」に世界で初めて成功した。それを知ったアブダビが近大に連携を持ちかけてきたという。昨年10月にはアブダビ環境庁の長官が水産研究所を視察、5月4日、正式に合意した。

 原油産出で潤うアブダビなど中東では、すしなど生で魚を食べる料理が人気で、マグロ需要も高まっている。だが、魚の多くは輸入に頼っているため、養殖で食料自給率の向上をめざすという。

 合意では(1)近大が専門家を派遣し、アブダビでのクロマグロなどの養殖の可能性を探る実験プロジェクトの準備を始める(2)アブダビの担当者に技術研修を行う(3)必要な資金はアブダビ側が負担する――の3点が決まった。

 近大水産研究所の村田修所長は「陸上の施設で、食べられるサイズまでマグロを育てるのは、経験がないのでかなり難しい。だが、中東では日本では考えられない規模の設備が次々造られている。実現に向け、協力していきたい」と話した。(増谷文生)

by yupukeccha | 2010-05-30 05:43 | 中東  

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