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美術評論家の針生一郎さん死去 前衛芸術批評

2010年5月26日21時14分 朝日新聞

 反権力の立場から前衛芸術批評を手がけた美術評論家で、「原爆の図 丸木美術館」(埼玉県)の館長も務めた針生一郎(はりう・いちろう)さんが26日、急性心不全で死去した。84歳だった。通夜は31日午後6時、葬儀は6月1日午前10時30分から川崎市多摩区南生田8の1の1の春秋苑で。喪主は長男徹さん。

 仙台市生まれ。東北大文学部卒、東大大学院で美学を学ぶ。美術家の岡本太郎や文学者の花田清輝、安部公房らによる前衛芸術の研究会「夜の会」に参加。戦後の芸術運動の最前線で活躍した。美術のほか文学の評論も手がけた。

 軍国少年だったことへの反省から、民衆の側に立った歴史と平和を探る思想を模索。戦後、日本共産党に入党したが1961年に除名された。70年の大阪万博では、万博に反対する運動に参加。第三世界の芸術家との連帯を目指す活動でも知られた。

 68年にイタリアの国際美術展ベネチア・ビエンナーレの日本館コミッショナー、99~08年、美術評論家連盟会長。和光大学名誉教授。著書に「針生一郎評論」全6巻、「戦後美術盛衰史」など多数。

by yupukeccha | 2010-05-26 21:14 | 社会  

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