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<タイ>軍がタクシン派「制圧」UDD幹部投降

5月19日22時11分配信 毎日新聞

 【バンコク西尾英之】タイ軍が首都バンコク都心部のタクシン元首相派「反独裁民主戦線」(UDD)の占拠地域に多数の兵士や装甲車で突入し、強制排除に乗り出したことを受け、UDD幹部は19日午後、デモ集会の終結を宣言。幹部7人が当局に投降し、軍が占拠地域を管理下に置いた。突入時の銃撃戦などでイタリア人記者を含む6人が死亡し、約60人が負傷した。約2カ月にわたり首都機能をまひさせてきたUDDの大規模抗議活動は収束へ向かったが、同派の一部はバンコク市内各所で放火するなど暴徒化しており、依然予断を許さない情勢だ。

 アピシット首相は19日夜、テレビ演説し「治安と秩序の回復に自信を持っている。やり抜く覚悟だ」と沈静化への決意を述べた。また、タイ当局幹部は、略奪者や放火犯には銃撃で対処すると警告した。

 タイ軍は19日午前8時(日本時間同10時)ごろ、UDD側のバリケードを突き破り占拠地域に突入。UDDと銃撃戦となった。軍は午前中にはUDD側の集会拠点の一つ、ルンピニ公園を制圧。女性、子供も集まる占拠地域の中心部、ラチャプラソン交差点に迫った。

 この状況を受け、UDD幹部は集会ステージ上から、多数のタクシン派市民に対し「これ以上犠牲者を出したくない」と、集会の終結を宣言。幹部が投降し、参加市民は占拠地域を離れ始めた。軍報道官はその後、「状況は今や(軍の)管理下に置かれた。作戦は終結した」と宣言した。

 ◇ショッピングセンターなど炎上

 しかし、軍の制圧後、バンコクの都心部ではデモ参加者らが、市内27カ所に放火した。伊勢丹が入る巨大ショッピングセンター「セントラル・ワールド」、証券取引所、反タクシン派に近いとされるバンコク銀行の各支店、在留邦人が多く住むスクンビット地区に近い民間テレビ局「チャンネル3」などが炎上。地元紙はセントラル・ワールドが全焼し、建物倒壊の恐れがあると報じた。繁華街の商店では略奪行為も行われ、地方でも役場への放火などが起きたという。政府は同日、バンコクを含む同国中部・東北部などの計24都県に夜間外出禁止令を発令し、警戒を強めている。

by yupukeccha | 2010-05-19 22:11 | アジア・大洋州  

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