<タイ>強制排除の突入準備か 軍の一部が警告射撃
5月19日8時58分配信 毎日新聞【バンコク西尾英之】タイ政府は19日未明、タクシン元首相派「反独裁民主戦線」(UDD)が占拠する首都バンコク都心部周辺に、多数の軍用車両を配置した。ロイター通信によると、軍の一部が警告射撃を行った。占拠地域からの強制排除のための突入準備なのか、UDDへの圧力を強めるためなのかは不明。
UDDの占拠地域南側のビジネス街シーロム通りには、機関銃を装備した十数台の兵員輸送車や軍用トラックが出動。一部は、占拠地域内のルンピニ公園付近へ移動し、現場付近は緊張が高まっている。
ロイター通信によると、軍は拡声器でUDDに「すぐに占拠現場から立ち去るよう」警告。付近では銃声も聞こえている。
UDDは18日、タイ上院議長の仲介を受け入れ「占拠地域周辺での暴力行為を停止する」と表明したばかり。これに対し政府は、UDDが都心部占拠を解除しない限り対話には応じないとの強硬姿勢を表明。上院議長の仲介も拒否している。
UDDはいったん5月10日に都心部占拠を解除することで政府と合意したが、強硬派幹部の反対で占拠解除できず、政府はUDDの強制排除を目指して軍による占拠地域封鎖に踏み切った。
13日以降、軍の封鎖線の外側で軍とUDDの激しい衝突が起き、これまでに39人が死亡、307人が負傷した。
by yupukeccha | 2010-05-19 08:58 | アジア・大洋州