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<タイ>UDD側 政府の退去期限過ぎても座り込みを継続

5月17日21時13分配信 毎日新聞

 【バンコク西尾英之】タイ政府は17日、首都バンコクの都心部繁華街を占拠するタクシン元首相派「反独裁民主戦線」(UDD)に対し、改めて同日午後3時(日本時間同5時)までの退去を命じた。女性や高齢者を中心に一部占拠参加者が周辺の仏教寺院に避難したが、期限の時刻を過ぎても大半は座り込みを継続。政府は「できる限り速やかに(UDDの強制排除に)着手する」としており、緊張が続いている。

 政府はこの日午前から占拠参加者に対し、テレビなどで繰り返し「午後3時までに退去を」と警告。占拠地域上空を旋回する小型機から、拡声機を使い同様の警告をした。

 UDDは小型機に向け、約10分間にわたって手製ロケットなどを激しく発射。現場は騒然となり、一部の参加者はパニック状態となって周囲のビルの軒先などに逃げ込んだ。

 政府によると占拠地域には依然、約5000人の元首相派市民が座り込んでいる。女性や高齢者などの「弱者」に死傷者が出た場合、「暴力の自制」を求めてきた米国など国際社会がアピシット政権への非難を強めるのは必至だ。政府は強制排除の時期や方法を慎重に検討しているとみられる。

 UDD幹部は「これ以上の犠牲者を防ぐため、軍が撤退すれば、政府との対話に応じる」としたが、政府側は「まずUDDが治安部隊への攻撃を停止すべきだ」と反論し、平行線をたどっている。

 17日未明には、占拠地域の南側にある高級ホテルにUDDによるとみられるロケット砲が撃ち込まれ、死傷者はなかったものの宿泊客約100人が避難。ホテル付近では銃撃戦も起き、17日朝までに、今回の一連の衝突で初めて兵士1人の死亡が確認された。

 17日午後にかけても、占拠地域周辺で軍とUDDの衝突が続いた。一方、13日に何者かに狙撃され意識不明だったタクシン派内の最強硬派、カティヤ陸軍少将(停職中)は17日朝、収容先の病院で死亡した。地元当局などによると、13日からの死者はカティヤ氏を含め37人、負傷者は282人以上に上った。

 ◇危険情報を一段階引き上げ…日本の外務省

 日本の外務省は17日、バンコクに出している危険情報をこれまでの「渡航の是非を検討してください」から、「渡航延期を勧告します」へと1段引き上げた。

by yupukeccha | 2010-05-17 21:13 | アジア・大洋州  

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