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クロサワが泣いている 黒澤明記念館建設断念 理事会開かずスピルバーグ氏ら「解任」

2010.5.8 00:27

黒澤明記念館サテライトスタジオの内観=佐賀県伊万里市 映画界の巨匠、故・黒澤明監督の記念館建設のため設立された財団法人「黒澤明文化振興財団」(佐賀県伊万里市)が寄付金約3億円を流用していた問題で、財団が資金難を理由に記念館建設を断念したことが7日、分かった。伊万里市の塚部芳和市長が会見で明らかにした。財団は、市側に記念館建設にかえて、すでにある仮施設の「サテライトスタジオ」(同)のリニューアル案を示しているが、塚部市長は拒否の意向を示している。

 市によると、黒澤財団は4月27日付で、市に対し「建設資金を集めることは不可能で、記念館を建設するのは現実的ではない」とした文書を郵送。文書は「サテライトスタジオをリニューアルして活用したい」と提案しているが、改修のための資金計画や改修期限なども明記されていない。塚部市長は「今までの(記念館)建設計画は何だったのか」とし、今後、議会や弁護士と相談し、財団に対し法的措置も含め検討するという。

 また、承諾なしにジョージ・ルーカス氏やスティーブン・スピルバーグ氏、マーティン・スコセッシ氏の海外の著名な映画監督3氏が平成20年7月から、財団理事として登記簿に記載されていた問題で、理事会が一度も開かれないまま、3氏が理事を「解任」された形になっていることも判明した。

 登記簿によると、著名監督3氏の理事抹消は4月1日付になっていた。これまで3氏は権限のない「名誉理事」の就任については承認していたが、勝手に理事になっていたことを知り、財団に対し苦情を申し立てており、県は実体のない理事の改選と合わせて、3月末までに理事会の開催を求めていたが、結局開かれなかった。ところが、現在は登記上「解任」の形になっている。

 現状で登記上は、黒澤監督の長男である黒澤久雄理事長のほか2人の理事がいることになっているが、そのうち1人のサントリーホールディングスの佐治信忠社長は「無断で再任されている」とし、取り消しを求めている。

 県は、こうしたずさんな財団運営に対し、すでに4月に改善を求める指導文書を送付。今後も対応がなければ、改善命令を出すことを決めている。

■黒澤明記念館 法人登記簿によると、財団は平成11年4月、黒澤監督が残した人間味あふれる芸術・文化の偉業を語り継ぐ遺品などを一般に公開することを目的に、佐賀県知事の認可を受けて設立。長男の黒澤久雄氏が理事長に就任した。記念館は伊万里市黒川町に建設を予定し、敷地面積約1万4千平方メートル、延べ床面積5200平方メートルで、事業費は19億円。当初は13年に開館予定だったが、寄付金が集まらず、18年に延期した後も開館のめどは立っていない。

by yupukeccha | 2010-05-08 00:27 | 社会  

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