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<トヨタ>プリウスブレーキ問題…ダメージ回避に躍起

2月4日21時41分配信 毎日新聞

 日米で苦情が相次いだ新型プリウスのブレーキの不具合問題について、トヨタ自動車は4日、急きょ、問題の所在や対策を説明する会見を開いた。「後手の対応が不安を広げた」と批判された米国のリコール問題と異なり、トヨタが迅速に動いた背景には、トヨタの看板HVプリウスにかかわる問題なうえ、日本の消費者の不信を買えば、経営への打撃が深刻化するとの危機感がありそうだ。

 ■原因

 プリウスはガソリンエンジンと電動モーターを併用して走るHV。通常のガソリン車に搭載されている油圧ブレーキと、減速時のエネルギーを電気に変えて蓄電する「回生ブレーキ」を採用。電子制御でこの二つのブレーキを調整し、燃費を向上させている。

 凍結した路面などでは、車体の横滑りを防ぐため、ブレーキの解除と作動を瞬間的に繰り返すABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が起動し、油圧ブレーキのみが働く。

 会見した横山裕行常務(品質保証担当)は、今回のプリウスのブレーキ問題について、このABSと油圧ブレーキとの兼ね合いが問題と指摘。プリウスの場合、ABS起動後、解除された油圧ブレーキが再び作動するまでの時間がガソリン車より長くかかり、これが「運転者にブレーキが利かなくなったと違和感を持たせる」と説明した。ただ「ブレーキをもう一度踏み込めば、きちんと止まれる」といい、欠陥の認識はないことを示した。

 ■改善措置

 プリウスのブレーキの苦情は昨秋からトヨタに寄せられていた。このため、年明け以降製造する車両はABS起動後に油圧ブレーキが作動するまでの時間を短縮するシステムの設定を変更したが、この事実を公表しなかった。

 横山常務はこの点について「品質改善活動の一環」と説明。公表しなかったのは、プリウスのケースは重大な欠陥と認識しなかったためで、問題を隠そうとする意図はなかったと強調した。

 ■不安解消が急務

 ただ、ブレーキ問題が報道された3日以降、東京や名古屋などの販売店には、新型プリウスの購入者からの問い合わせが急増。「問題解決までプリウスの納車を見合わせたい」との声もあるといい、車両に欠陥がなくても、ユーザーの不安解消が急務となっていた。このため、横山常務は「既存のユーザーにもできるだけ早く改善措置を案内する」と約束した。【宮崎泰宏】

by yupukeccha | 2010-02-04 21:41 | 経済・企業  

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