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阿久根市長、差別発言の謝罪拒否 「これは戦いだ」

2009年12月20日0時24分 朝日新聞

阿久根市長、差別発言の謝罪拒否 「これは戦いだ」_b0161323_9351060.jpg 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、自身のブログに「高度医療のおかげで機能障害を持ったのを生き残らせている」と記した問題で、竹原市長は19日までに記述を削除した。だが謝罪はせず、障害者団体などが反発を続けている。これまでも市議会や職員への批判を繰り返し、混乱を招いてきた「ブログ市長」。迷走が止まらない。

 「世間体を見ながら成果を出すことはできない。どこで勝負するかが大切。いい人であり続ける必要はない」。竹原市長は19日夜、阿久根市の集会所で開かれた後援会集会で、こう訴えた。

 「一言、謝っても良かったんじゃないか」。ある男性の発言に対し、竹原市長は言い切った。「謝ったら竹原の全部を否定するきっかけになる。これは戦いだ」

 今回、問題になっているのは、11月8日付のブログ。医師会を批判する中で「高度医療のおかげで以前は自然に淘汰(とうた)された機能障害を持ったのを生き残らせている。結果、擁護施設に行く子供が増えてしまった」(原文のまま)と記していた。

 批判が相次ぐなか、市長は18日、抗議に訪れた障害のある地方議員3人に「乱暴で誤解を招いた」と記述の修正を約束。ブログの問題部分を削除し「ただいま修正中」とした。

 だが、会談では、市長の意識の薄さが浮き彫りになったと3人は言う。面会した平野みどり・熊本県議らによると、「傷ついた人がいる」と謝罪を求めると、市長は「そういうつもりはなかったんですけどね」と語った。

 その後、障害者の表現をめぐる話になり、「めくらとか、ちんばとかいう言葉は今は使わない」と平野さんが話すと、市長は「では『めくら千人めあき千人』という言葉があるが、それも駄目なのか」と尋ね、平野さんが「差別語で傷つく人がいるから使いません」と諭したという。

 市長は「謝罪はしない」とも述べたという。平野さんは「謝罪は必要ないという認識のようだ。これを機にいろんな所で議論が起こればいいという考えみたいで、あきれた」と話した。

 竹原市長はこれまでも物議をかもす言動を重ねてきた。昨年8月、市長選の告示後もブログで他候補を批判。市選管から公職選挙法違反の疑いがあると指導を受け、記述を削除し、初当選した。

 その後もブログで「議会は時間の無駄」と書き込み、市議を名指しで批判。今年1月12日付では市議全員の名前をあげ、「最も辞めてもらいたい議員は?」と投票を呼びかけた。後に県議らが市長を公選法違反容疑で刑事告発。鹿児島県警が9月に同容疑で書類送検した。

 市職員に対しては、2月に市ホームページに、職員一人ひとりの年収の詳細、退職金の額を1円単位で掲載。各課の人件費を記した紙を庁舎内に張り出させ、勝手にはがした男性職員を懲戒処分にしたが、裁判所は処分の効力停止の決定を出した。

 一方で、職員給与の情報公開などが一定程度の市民の共感を得ているとの見方もある。市議会で市長の不信任決議案が2回可決され、竹原市長は4月に自動失職したが、5月の出直し市長選で再選した。竹原市長を支持する松元薫久議員は「市長の基本にあるのは、やはり公民(公務員と民間)格差。市民もそこを支持している」と擁護する。(三輪千尋、矢崎慶一、周防原孝司)

by yupukeccha | 2009-12-20 00:24 | 行政・公務員  

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