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オノ・ヨーコ 23年ぶりに著作、音楽活動も本格化

2009年12月9日 朝日新聞

オノ・ヨーコ 23年ぶりに著作、音楽活動も本格化_b0161323_13253911.jpg 前衛芸術家のオノ・ヨーコが最近、精力的な活動を展開している。「プラスティック・オノ・バンド」名義での本格的な音楽活動に、23年ぶりの著書『今あなたに知ってもらいたいこと』(幻冬舎)も今月刊行した。唯一無二のスタイルを貫き、衰えを知らぬ76歳のいまを聴いた。

 息子ショーン・レノンや小山田圭吾らを従え、9月にアルバム「ビトウィーン・マイ・ヘッド・アンド・ザ・スカイ」(Pヴァイン)を発表した。80年のジョン・レノンの死後、同バンド名義での活動はなかったが、アルバム制作だけでなく、11月には東京、大阪でコンサートも開いた。

 「音楽も頭のなかでバンバンできてたんだけど、暇がなかった。でも、息子にレコードを作ったらと言われ、じゃあやろうか、ってことにね」

 「音楽とはバイブレーションよ」と語るように、東京国際フォーラムの公演で、オノは2時間にわたり、身をくねらせて舞台を動き回り、時にはいつくばり、叫び続けた。

 「苦しい」では広島の被爆者の痛みをおえつするかのような声色で表現し、「平和を我等に」は新聞記事の朗読を交えて、世界の現状と平和を訴えた。仁王立ちで拳をふりあげた「女性上位万歳」は会場をおおいに沸かせた。

 ステージでも体現した平和や性差別撤廃の思いなどもつづったのが、『今あなたに知ってもらいたいこと』だ。04年の日本での講演を編集者がまとめようと打診すると、自ら書き下ろしを希望し、5年ごしで出版に至った。幼少期の東京大空襲、女性芸術家への世間の偏見、ジョンの急死。様々な苦難を通じて感じたメッセージを込めた。

 「ビートルズを解散させた」など多大なバッシングを浴びながら、自分を貫くのは難しくなかったか問うと、「貫かなければならなかったから、そうしていた。小さいときから孤立していたし、自分だけが頼りだったこともあった」。必要なのは「弱者の知恵」という。「人間も国もほとんどが弱い。弱者であると意識することで、生きながらえることができる」

 「美とは何か」「自分が愛していること」。最近、お気に入りなのはツイッターで、そんなやりとりを交わしたという。「女性だから、日本人だから、と孤立することがあり得る社会だったから、ツイッターはすごくいいものだと思う」と、新しいメディアでもメッセージを発信し続ける。

 「お互いに分かち合うのが大切なこと。わたしの経験による知識を分かち合うために、いまも色々な活動をしているのよ」と笑って言った。(宮本茂頼)

by yupukeccha | 2009-12-09 13:25 | 社会  

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