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裁判所を無視、ブログに持論…阿久根市長に抗議続々

2009年12月10日8時2分 朝日新聞

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長の言動が、各方面に波紋を広げている。元男性係長(45)の懲戒免職問題では、職場復帰だけでなく給料、ボーナスの支払いを拒んだまま。障害者について「高度医療のおかげで機能障害を持ったのを生き残らせている」とブログに書き込んだことにも抗議の動きが広がる。市民からは市のイメージダウンを懸念する声も上がり始めた。

 職員人件費の張り紙をはがしたとして元係長を懲戒免職処分にしたのは7月31日付。元係長が処分取り消しを求めた訴訟に基づき、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部が相次いで判決確定までの「処分の効力停止」を命じたが、市長は応じる姿勢を見せていない。

 市長側が不服を申し立てる手段として、まだ最高裁への特別抗告が残っている。期限は14日。ただ最高裁への特別抗告は一般的に憲法解釈の誤りなどに限られる。仮に決定が確定し、市長が無視した場合はどうなるのか。専門家は「損害賠償などの別の訴訟で対抗する以外にない」という。

 高裁支部決定が明らかになった7日以降、市長は取材に応じなくなり、総務課の職員を通じて「コメントはない」と沈黙を続けている。

 一方、ブログの記述をめぐっては9日、鹿児島県社会福祉士会など県内関連4団体が謝罪を求める決議声明を出した。「障害を持つ人の生きる権利や幸福を追求する権利を否定し、人間の生命の尊さをあまりにも軽んじている」という。県身体障害者福祉協会も抗議を検討中。担当者は「ブログの記述は見識を疑う」と話す。

 市への抗議の電話やメールは7日昼までに約250件を数えた。その後について、市総務課は「市長の指示で公表しない」としている。

 ブログについて、市長は4日、取材に「事実は事実として受け止めなければならない。その上でしっかり議論しなければならない問題。いつまでも無理やり生かす医療になっている。神の領域まで人間が踏み込んでいる」と持論を展開した。

 この問題では、14、15の両日にある市議会一般質問で複数の議員が真意をただす構えだ。

 ある反市長派の市議は「裁判所の決定に従わないことや給料の未払いは想定外。法治国家ではあってはならない。ブログの内容は論外だ」と批判のボルテージを上げる。市長に近い市議は「懲戒免職職員は謝罪し反省する姿勢が見られないから。ブログは、全部を見れば決して障害者差別ではないことがわかる」と擁護する。

 市内の水産加工業の男性は「市のイメージダウンにもなりかねない。特産品の売れ行きが落ちなければいいが」と懸念を口にした。

by yupukeccha | 2009-12-10 08:02 | 政治  

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