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千円CD人気、デフレが伴奏 若者離れ、安値でテコ入れ

2009年12月7日16時15分 朝日新聞

 通常2千円台で売られる音楽CDを千円前後の価格にして消費者をひきつけようとする、レコード店主導の仕掛けが目立つ。過去の名作が中心だが、デフレ傾向の波はCDにも及んでいるようだ。

 DVDレンタル最大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(本社・東京)は、定価999円の洋楽CD60タイトルを今月4日に発売した。

 カーペンターズ、アバ、エリック・クラプトンなどのものは代表曲を収録し、「ベスト盤」と呼べそうな商品だ。大手スーパーの独自企画商品にならい、「音楽業界のプライベートブランド」とうたう。製造は大手レコード会社に委託し、歌詞カードは省略して低価格を追求した。レンタル専門店も含む全国約1400店のTSUTAYAだけで扱い、来年1月末までに計30万枚の販売を目指す。

 レコード会社も動き出している。EMIミュージックは今年6月以降、ジャズの名門レーベル「ブルーノート」の有名作100タイトルを1100円で再発売した。今月9日には、さらに50タイトル増やす。うたい文句は「かつてない低価格」だ。

 もともと千円台後半の設定が中心だった輸入盤の世界にも変化が――。全国に店舗展開する大手レコード店「タワーレコード」は、「輸入盤 千円生活」というコーナーを設けた。マイケル・ジャクソンの「スリラー」、キャロル・キングの「タペストリー」など洋楽輸入盤の名作を千円で販売している。

 3月に170作品ほどで始め、好評のため700作品近くに増やした。25万枚が売れたという。一括購入などで仕入れ値を抑え、「ランチ1食を我慢するぐらいの価格」にした。

 日本レコード協会によると、2008年の国内音楽ソフト生産総額は3617億円で、10年前より4割減った。主な購買層だった若者はインターネットでの安価な配信や無料試聴に慣れ、CD離れが進む。しかもこの不況で「財布のひもはさらに固くなった」と関係者は口をそろえる。他方、今年9月に発売されたビートルズのボックスセットが3万円超の価格ながらヒットするなど、業界には「二極化」を指摘する声もある。

 音楽産業に詳しい三菱総合研究所の高橋衛・主任研究員は「旧作とはいえ千円前後とは、これまでにない価格帯に踏み込んでいる。今後は、新作でも曲数を絞った低価格CDが増える一方、特典をつけた高額商品の開発も進むなど、価格の多様化に向かう可能性がある」とみる。(宮本茂頼)

by yupukeccha | 2009-12-07 16:15 | 社会  

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