【韓国】二輪車最大手が経営危機、社員44%を解雇へ
11月11日8時30分配信 NNA韓国二輪車最大手の大林自動車工業が、経営危機に直面している。国内需要が3分の1に落ち込んだことに加え、海外市場では安い中国製にシェアを奪われていることが原因という。同社は最近のエコブームの波に乗り、電動スクーターの開発・販売に注力することで経営危機打開を目指していく方針だ。
大林自動車工業はこのほど、経営難から全社員(665人)の44%に当たる293人の解雇計画を発表した。12月30日までに解雇する方針。ただ、労働組合が9日午前8時半からストライキに突入しており、先行きがみえない状況が続いている。
■主因は市場縮小
経営危機の要因としては、国内市場の縮小がある。二輪車販売は1995年の30万8,000台をピークに、今年は約11万台にまで落ち込む見通しとなっている。所得の増加で、二輪車から自動車に買い替える消費者が増えたことが背景にあるという。
市場が縮小する中で、輸入二輪車が増えたことも経営環境を大きく悪化させた。輸入二輪車の販売シェアは、03年の7%から、07年には41.7%にまで拡大した。
■輸出も低迷
韓国市場で輸入車にシェアを奪われたのと同様に、海外市場での販売台数も急減した。
ベトナムやタイなど東南アジア向けを中心に輸出台数を伸ばしてきたが、知名度・ブランド力を高められなかったため、性能が向上した安い中国製にシェアを奪われたという。輸出は1999年の11万6,146台から、昨年は1万7,845台にまで減った。
■打開策は“エコ二輪”
大林自動車工業は、韓国を含めた世界各国・地域が、環境対策を強化する動きに出ていることから、「エコ二輪」での業績改善を目指す方針を打ち出している。
排ガスを排出しない電動スクーターの開発・販売に注力していくという。すでに排気量50ccの電動スクーター2モデルを開発。来年末までに本格的な量産を開始する計画だ。
韓国では昨年以降、エコブームの影響で、自動車メーカーがハイブリッドカー(HEV)や電気自動車(EV)の開発に注力し、市場拡大を図っている。こうしたエコブームの波に二輪車市場も乗れるのか、注目が集まっている。聯合ニュースなどが伝えた。
by yupukeccha | 2009-11-11 08:30 | アジア・大洋州