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街魅シュラン 不動の主役を張りたいが 成田市(千葉県)

2009年10月30日 朝日新聞

 長年苦楽をともにした興行主から主役交代を告げられ、「二枚看板でいくから」となだめられても釈然としない。羽田の国際ハブ(拠点)空港化を打ち出した国交相と成田空港の関係を考えると、こんな感じか。

 確かに成田の評判はさえない。滑走路は2本だけで、乗り継ぎが不便。都心から遠く、駐車料金がべらぼうに高い。狭さや不便さは承知の上で造られたとはいえ、先進国の空の玄関としてはかなり見劣りする。

 でも、未完成な麺があるからこそ、周辺にあふれる民間駐車場や、長い待ち時間を埋める市内観光ツアーなど、すき間ビジネスを生んでいるのも事実である。羽田に国際空港の機能が移れば、こうした商機も吹き飛ばされかねない。

 78年の開港に至るまで多大な犠牲を払ったのに、この仕打ち。市民はさぞかし憤慨しているかと思ったが、街で聞いてみると、「なるようにしかならない」という反応が意外に多い。国策に振り回されるのはもうたくさんということなのか。県知事が「冗談じゃない」と怒ってみせたのとは、対照的な印象を受ける。

 だからといって、決して空港に冷淡なわけではない。頼みもしないのに押しかけてきたが、長年のいがみ合いと話し合いの末に和解した隣人である。街を支えるもう一つの柱である成田山新勝寺の不動明王のように、ずっと不動の空の主役であってほしい──。それが、多くの市民の偽らざる本音だろう。「スーパーサブ空港」に格下げされるのは、願い下げだと。
(出版プロデューサー 岩中祥史)

by yupukeccha | 2009-10-30 06:00 | 社会  

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