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埼玉県、取得の土地30年放置 国から補助金3.5億円

2009年10月19日19時31分 朝日新聞

埼玉県、取得の土地30年放置 国から補助金3.5億円_b0161323_0485268.jpg 埼玉県が国から補助金を得て取得した土地が、30年以上も放置されていたことが会計検査院の調べで分かった。下水処理関連施設を建てるための補助金だったが、周辺住民の反対から県が建設を断念。検査院は、補助金分約3億5千万円が無駄になったと指摘した。県は国への補助金返還も含めて検討しているが、国に返還を求める姿勢は見られない。

 無駄を指摘されたのは、下水処理後に残る汚泥の焼却灰を一時貯蔵するための施設の用地取得費。

 当時は、焼却灰の処分先を十分に確保できるめどが立っていなかったため、「荒川左岸流域下水道事業」として、旧建設省が補助金を交付。県は77年から順次、さいたま市(旧大宮市)の2万6千平方メートルと、同県桶川市の2千平方メートルを取得し、荒川流域の河川敷に施設を建設する計画だった。土地は合わせて公式用のサッカーグラウンドの約4面分だ。

 しかし、土地取得後、流域で度々洪水が起きて治水工事が追いつかず、流域の住民から「野放図に土を盛らないでほしい」「治水のために土を触らないでほしい」などと建設中止を求める声があがり、建設は延期。その後、焼却灰はセメントの原料として活用されるようになり、一時貯蔵施設の必要性はなくなった。県は、下水処理場など代替施設を建てる案なども検討したが、数十億円の費用がかかるため断念した。

 県は98年ごろから、旧大宮市側の土地の一部を同市に無償で貸し付け、市が自治会に管理を任せる形で、野球やゲートボールができるグラウンドとして利用されてはいるが、それ以外の土地は30年以上経過しても手つかずの更地のままだ。

 県の担当者は「今後、土地の利用をどうするか検討する必要があるが、国への補助金の返還も考えなければいけない」と話す。

 旧建設省の事業を引き継いだ国土交通省は、補助金の不適正な使用が確認できれば、交付決定の取り消し処分ができる。しかし、同省は「旧建設省時代のかなり古い時期の支出であり、記録が残っていない」とし、「県が土地取得のための補助金で実際に土地を購入したのであれば、支出の目的は果たされている」と説明。下水道事業に活用されていなくても問題視する構えはない。(前田伸也)

by yupukeccha | 2009-10-19 19:31 | 行政・公務員  

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