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“後継者がいない”独走ユニクロに「死角」あり!!

2009/10/9 16:57 日刊ゲンダイ

 カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが独り勝ちを続けている。前日発表の2009年8月期連結決算は、売上高、営業利益とも過去最高を記録。今期も増収増益を見込んでおり、向かうところ敵なしといった感じだ。が、そんな同社にも成長神話を根本から揺るがしかねない「死角」が存在するという。それは多くの企業が抱える課題でもある。

 ファーストリテの09年8月期連結決算は、売上高が前期比16.8%増の6850億円、本業のもうけを示す営業利益も24.2%増の1086億円となり、ともに過去最高を更新した。

 10月に入り、流通2強も8月期中間決算を発表したが、セブン&アイ・ホールディングスは最終利益が大幅減益となり、イオンは中間決算として2年連続の最終赤字に陥った。いずれも昨年秋のリーマン・ショック以降の消費低迷が響いた。

 なぜ、ユニクロはこうも強いのか。流通ジャーナリストの金子哲雄氏は「ユニクロの強さは低価格に加え、カジュアルの市場を広げたところにある」と分析する。

 例えば、40歳以上の男性にとってカジュアル=ゴルフウエアというイメージがあるが、「ユニクロは独自のカジュアルを低価格で提案した。低価格なので、オジサンたちも冒険しやすい」(金子氏)という。

 飛ぶ鳥を落とす勢いのユニクロは、ビジネスをシューズなどにも広げるとともに、積極的な海外展開を進めている。今月1日にはファッション発信基地の仏パリに大型店をオープン。「試着に2時間かかる」(現地関係者)というほど繁盛している。来年は中国・上海やロシア・モスクワなどにも展開する。

 売上高を11年からの10年間で5兆円にするのが柳井社長の目標。実現すれば、イオンやセブン&アイと肩を並べることになるが、そんなユニクロにも「死角」はある。

 それは、創業者である柳井社長の後継が今のところいないことだ。市場では「柳井社長が退いた後も、ユニクロは成長を続けられるのだろうか」(証券アナリスト)との不安がくすぶる。

 60歳の柳井社長は65歳で第一線から引退することを公言しているが、2人の息子に経営を譲るつもりはない。

 後継者問題は柳井社長も認識しており、幹部や後継者育成を目的にしたビジネススクール開設を決定。一橋大大学院や米ハーバード・ビジネススクールなどと提携し、国籍にこだわらず、200人の経営幹部を5年間で育てる計画だ。

 ただ先の金子氏はそれでも「後継者問題はなかなか解決しないだろう」とみる。

 ユニクロの強さの源泉には「流行など変化の早いアパレルで、柳井社長が早い決断を下し、市場に対応してきた」(金子氏)ことがある。

 「それは柳井社長がカリスマ経営者でなおかつ創業者だからできたことで、スクールなどの人材育成プログラムでは、参謀は作れても後継者を育てるのは難しい」(同)とみられる。

 もし、ユニクロが後継者探しに失敗したらどうなるのか。金子氏は「カリスマ経営者だった中内功さん亡き後のダイエーのように(経営が不安定に)なる可能性もある」と指摘する。

 公言通りなら、柳井社長が第一線を退くまであと5年。後継者探しは待ったなしだ。

by yupukeccha | 2009-10-09 16:57 | 経済・企業  

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