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築地市場移転、政権交代で是非論再び

2009年10月6日15時4分 朝日新聞
  
築地市場移転、政権交代で是非論再び_b0161323_1859325.jpg 東京・築地市場の移転計画が、政権交代で揺らいでいる。赤松広隆農林水産相は、有害物質が検出された移転予定地の安全が確認できなければ、移転を認めない姿勢を表明。都議会でも民主党が「強引な移転反対」を訴え、特別委員会を設置。移転の是非論が再燃している。

 「安全を確認しない限り、認可することはありえない」。赤松農水相は9月25日の閣議後の記者会見で、築地市場移転への姿勢をこう示した。

 東京都が計画する築地市場移転。卸売市場法は、中央卸売市場の位置を変える場合は農水相の認可が必要と定めるが、これまでの農水相は表立って見解を示すことはなかった。赤松農水相は同月17日の就任会見で自ら切り出し、同月24日には現地も視察した。

 ダム中止や後期高齢者医療制度廃止など、政権交代で他省庁が注目される中での発言。ある農水省幹部は「政治家としての存在感を意識したのかもしれない」とみる。

 「豊洲についてはもう決まったわけですよ。築地を改修しながら持たすってことは全く不可能だって結論出て」。石原慎太郎知事は9月25日、記者会見で移転論議の再燃に不快感を示した。

 築地市場を巡っては、01年に移転予定地・江東区豊洲の土壌汚染が公表されて移転反対の声が強まり、07年都知事選では争点の一つになった。

 都は今年2月、地表から深さ2メートルまでの土壌をすべて取り除き、微生物分解なども採り入れる対策を発表。移転反対論はいったん落ち着いていた。それが、夏の都議選で移転見直しを訴える民主党が第1党になって、再燃した。

 知事は、都議選後に一時、柔軟姿勢に見える発言をしたものの、移転を進める姿勢を崩していない。移転費に総額4316億円を見込んでいるが、来年度予算には土壌汚染対策費などを計上する予定だ。
 これに対し、9月の都議会では、移転見直しを求める具体的な動きも出始めた。市場移転に関する特別委員会が賛成多数で設置された。

 「多くの都民が望む現在地再整備について改めて検討するべきだ」。特別委員会では現地での再整備や汚染対策の安全性が検討される。審議に時間がかかれば、都が14年を予定する新市場開場がずれ込む可能性もあるという。

 民主党内には「五輪招致に失敗したので、不要になったメーンスタジアムの予定地に移転する案もありうる」との声もある。

 市場関係者の間では、移転をめぐる議論が再燃している。

 移転容認派で東京魚市場卸協同組合の伊藤宏之理事長(71)は、土地が狭い現在地での再整備では、膨大な時間と費用がかかると訴えてきた。「20年かけて決まった整備方針を、政権交代したから変えるのでは困る。政争の具にしないでほしい」

 反対派のNPO法人「市場を考える会」の野末誠理事(72)は「政権交代で、反対派にも耳を傾けてくれる人が大臣になった。移転ありきから一歩も二歩も前進した」と歓迎する。

 移転反対を訴える地質学者の坂巻幸雄さん(77)は「都のデータでは安全性は保証できない」と話している。(黒川和久、渡辺志帆)

by yupukeccha | 2009-10-06 15:04 | 行政・公務員  

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