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東京五輪招致 鳩山首相、遅すぎた「賛成」 民主VS石原氏 積年の遺恨背景

10月4日7時56分配信 産経新聞

 多忙なスケジュールを縫ってコペンハーゲン入りし、東京都への五輪招致に熱弁を振るった鳩山由紀夫首相だったが、あえなく落選したことを受け、「初めから賛成していれば」(都関係者)と過去の批判的な言動への恨み節が噴き出している。背景には石原慎太郎都知事と民主党の積年の遺恨がある。今回の招致失敗を機に関係はますます冷え込む可能性もあり、政権の行く末に暗い影を落とすことになった。

 ◆8月に“転向”

 「私自身の確固たる支援を表明するためコペンハーゲンに来た。みなさまを東京にお迎えし、五輪大会の魔術の瞬間を共有できることを心から望んでいる」

 首相は2日のIOC総会のプレゼンテーションで熱っぽく「環境都市・東京」を売り込んだ。IOCのロゲ会長には「東京チームはベストを尽くした。後は天命を待つのみ」と胸を張り、記者団に「ここまで来たら勝ちたい」と語った。

 だが、首相が五輪招致に熱心になったのはつい最近のことだ。野党時代はむしろ批判を繰り返しており、3月の五輪招致を後押しする国会決議でも「やる意味があるのか」とコメント。政権交代が現実を帯びた8月11日に「実現に向け、努力したい」とようやく“転向”した。

 背景には、民主党と石原氏との根深い対立がある。都議会民主党は新銀行東京問題や築地市場移転問題などさまざまな問題を追及。当初は賛成していた五輪招致も今年1月に反対に転じた。

 石原氏は小沢一郎幹事長が代表当時に「国を売った人間だ」などと批判を続け、首相も幹事長当時の平成19年4月にメルマガで「傲慢(ごうまん)不遜な石原氏の五輪などという時代錯誤的発想」と応戦。今年2月には都連会長の菅直人副総理・国家戦略担当相は「石原氏が都政の失敗を五輪で回復しようとするのを、なぜ国会議員が協力しなければならないのか」と息巻き、石原氏が「五輪を政争の具にしている」と猛反発する騒動に発展した。

 国会決議直前に民主党は条件付き賛成を表明したが、7月の都議選でも民主党候補の多くは五輪招致に触れるのを嫌った。こうした消極的な姿勢が国際的に「民主党政権は招致に消極的だ」との印象を与えた可能性は否定できない。

 ◆「なぜ違う服」

 首相が招致に前向きに転じたのは、「温室効果ガス排出量25%削減」を打ち出したことも大きい。12月には同じコペンハーゲンで「ポスト京都議定書」の枠組みを決める国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が開催されることもあり、IOC総会は「環境の鳩山」をアピールする好機だと考えたようだ。

 IOC総会では、石原氏が「よく来てくれた」と首相をねぎらい、親密さを演出したが、過去の経緯もあり、ギクシャクさはぬぐえなかった。日本のプレゼンターは男性は紫色のブレザーをそろえたが、首相はいつもの黒っぽいスーツに金色の「勝負ネクタイ」。他国からは「なぜ首相は同じ服を着ていないのか」との声が上がったという。(佐々木美恵)

by yupukeccha | 2009-10-04 07:56 | 社会  

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