人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人民元国際化へ、中国当局がチーム 香港で初の「元建て国債」

9月11日1時32分配信 産経新聞

 【上海=河崎真澄】中国が財政、商務両省など経済省庁や中国人民銀行(中央銀行)にまたがる「人民元国際化指導チーム」を発足させたことが10日、関係者の話で明らかになった。今月28日に香港で初の「元建て国債」を発行するのを手始めに、東アジア広域で元の流通拡大をめざし、中国経済の影響力を高める狙いがある。関係者によると同チームは元の為替制度改革も検討するなど、胡錦濤政権で通貨諮問委員会のような役割を果たす見通し。

 このチームは米中戦略・経済対話で中国側の議長を務める王岐山副首相の肝いりで発足したという。人民銀の胡暁煉副総裁がトップを務め、財政、商務の両省以外にも、銀行業監督管理委員会や税務総局などの当局者や専門家も加わった。

 28日に香港で、中国政府が本土以外で初めて発行する元建ての国債は総額60億元(約840億円)。個人や外国人投資家による購入も認める方針だ。チームは国債に続き、中国の金融機関や国有企業などによる香港での元建て債券の発行も検討している。まず東アジアで元建て金融商品の幅を広げ、世界経済の中で急速に存在感を増した中国として、自国通貨の国際的な影響力の強化をめざす。

 中国は7月、上海や広州など一部地域に香港やASEAN(東南アジア諸国連合)との元建て貿易決済を試験的に解禁した。今月5日には元建て貿易の決済取扱金融機関として、三菱東京UFJや英スタンダード・チャータードなど外資系の銀行数行が認可を得ており、試験的な解禁の範囲も徐々に広げている。

 ただ、市場関係者の間では「中国政府は元の為替管理を自由市場に委ねる考えはなく、国際化といっても米ドルや日本円のような国際金融市場のなかで兌換(だかん)性の高いハードカレンシーをめざしてはいない」との見方が主流だ。

 このチームは国際社会で元の立場を慎重に模索する戦略を立てているとみられる。中国の経済外交で中心的な役割を果たし始めた王副首相の下でチームがどのような助言をするか、市場の注目が集まりそうだ。

by yupukeccha | 2009-09-11 01:32 | アジア・大洋州  

<< 自民は世代間闘争 若手ら「派閥... <幸福実現党>買収容疑で逮捕 ... >>