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「元行員中心に決算書偽造」=コシ社側が供述、協議で決定-三井住友銀融資詐欺

9月10日5時34分配信 時事通信

 三井住友銀行の融資詐欺事件で、不動産会社「コシ・トラスト」社長中林明久容疑者(41)らが、不正融資先の家具卸売会社の決算報告書について、元同行行員堀真文容疑者(44)が中心となって偽造したと供述していることが10日、捜査関係者への取材で分かった。

 家具会社は経営実体のないペーパーカンパニーだったが、業績が上昇しているように偽装しており、警視庁捜査2課は詳しい経緯を調べている。

 同課によると、2003年10月下旬、東京都千代田区の法律事務所に、中林容疑者やコシ社関係者、堀容疑者が集まり、家具会社の決算報告書の偽造について協議した。その結果、架空の取引先業者を決めた上で、売上金が3年間で8億7000万円、9億2000万円、10億7000万円と年々上がり、利益も出て業績好調と見せ掛けることにした。

 捜査関係者によると、中林容疑者やコシ社関係者は、堀容疑者が協議で中心となって決定したとの趣旨の供述をしているという。 


三井住友銀、問題発覚後も22億円融資か
9月10日3時5分配信 読売新聞

 三井住友銀行から不動産会社「コシ・トラスト」(東京都渋谷区)側への融資詐欺事件で、警視庁は9日、同行の元行員堀真文容疑者(44)(東京都小金井市)とコ社社長の中林明久被告(41)(詐欺罪で起訴)ら計8人を詐欺容疑で逮捕した。

 同行ではコ社側への問題融資を2006年秋に把握して以降も、少なくとも計約22億円をコ社の関連会社に融資していたことも判明、今後、警視庁は計約612億円に上った巨額融資の実態解明を進める。

 発表によると、堀容疑者らは03年10月、営業実態のない都内の食料品販売会社の売上高を偽造した決算書を高円寺法人営業部に提出、約1億5000万円の融資を引き出した疑い。

 同庁幹部によると、中林被告は調べに対し「堀容疑者に現金を渡した」と供述。堀容疑者を風俗店や高級クラブで接待するなどしたうえで、決算書の偽造方法を話し合ったことを認めた。堀容疑者は「納得いきません」と容疑を否認している。

 同庁幹部や同行によると、コ社側への融資は02年2月以降、逮捕容疑も含め計約612億円に上り、うち計約165億円が焦げ付いた。同行は06年秋に取引先への融資がコ社に還流していることなど、問題点に気付いたが、これ以降も07年3月までの間、堀容疑者が04年7月まで勤務していた高円寺法人営業部を中心に、コ社の関連会社に少なくとも約22億円の融資が実行されていたことが判明した。

 問題発覚後もコ社側への融資が続いたことについて同行広報部は「(コ社と関係のある)融資先が膨大で調査に時間がかかった。内部のチェック体制と行員教育に問題があり、審査が甘かった」とコメントした。

 一方、堀容疑者は逮捕前、読売新聞の取材に対し「業績を上げてもらいグループ長にもなれた。その面では(中林被告に)感謝している」などと答えた。中林被告について「紹介される融資案件が収益上、非常にプラスだった」と話したが、決算書の偽造などは「まったく知らなかった。自分は加担していない」と強調。マンションの家賃の一部を肩代わりしてもらったことには、「通常の感覚ではなかった。反省している」と話した。


三井住友不正融資事件 メガバンクがずさん審査 
9月10日1時52分配信 産経新聞

 巨額の金を引き出された「被害者」だったはずのメガバンクが一転して、“身内”が共犯者として逮捕される事態へと発展した。

 不動産会社「コシ・トラスト」に捜査のメスが入ってから約3カ月半。事件の構図は、コシ社社長の中林明久容疑者に抱き込まれた堀真文容疑者の「個人犯罪」という側面がある一方、銀行のチェック機能が働かなかったのかとの疑問も浮かぶ。バブル期を彷彿(ほうふつ)させる巨額の不正融資を可能にした銀行の審査態勢が改めて問われそうだ。

 「まるでコシ社のオーナーのように振る舞っていた」。コシ社関係者は堀容疑者をこう評する。堀容疑者は昭和62年、前身の太陽神戸銀行に入行。平成12年10月からは高円寺法人営業部の部長代理に就任するなど、営業の最前線にいた。

 コシ社関連への融資のきっかけを作った堀容疑者は、中林容疑者の申し出に応じる形で、月30万円のマンションの家賃を肩代わりさせたほか、1回8万円近くの飲食・風俗店接待まで受けるようになった。その回数は、捜査幹部が「多すぎて接待総額は分からない」とあきれるほどだった。コシ社関係者は「中林容疑者が堀容疑者を完全に籠絡(ろうらく)していた。接待の見返りが融資だった」と証言する。

 堀容疑者は当時の上司と後任にも「コシ案件」を紹介。3人はいずれも接待漬けとなり、中林容疑者に湯水のように融資をしていった。その大半は、自転車操業に陥っていたコシ社の運転資金へと消えていった。

 警視庁が捜査を開始したのは昨年春。当初から堀容疑者らによる不正への関与が、捜査の焦点だった。しかし今年5月に詐欺容疑で中林容疑者らを逮捕した融資案件では、行員の立件は見送られていた。

 だが、行員の関与がなければ巨額の融資を引き出せた理由の説明がつかない。「行員の役割を明確にしないと事件の構図が見えなくなる」。捜査員がそう解説する通り、警視庁は中林容疑者の事情聴取を継続。押収資料とコシ社関連の全融資を洗い直し、堀容疑者の関与をあぶり出していった。

 堀容疑者は6月に、三井住友銀行を解雇されている。しかし捜査幹部は「個人犯罪では済まされない。銀行にも社会的責任の一端はある」と話している。

by yupukeccha | 2009-09-10 05:34 | 経済・企業  

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