“東国原劇場”自民を翻弄 両刃の強力発信力

7月7日23時19分配信 産経新聞

 出馬するのか、しないのか-。結論は先送りだった。7日、自民党本部で開かれた宮崎県の東国原(ひがしこくばる)英夫知事と自民党の古賀誠選対委員長との会談。急遽(きゅうきょ)、東京・永田町へと上京した東国原知事には、支持率低迷にあえぐ自民党内でも「政権浮揚の突破口」と期待が募る一方で、批判も根強い。メディアを巻き込んだ人気優位の「劇場政治」-。政権与党の矜持(きょうじ)をかなぐりすてたかのような「劇場頼み」の政治光景が繰り広げられている。

■「のせられている」

 午後5時20分ごろ、車で自民党本部に到着した東国原知事。待ち構えた報道陣に一斉に囲まれたが、笑顔で「お疲れさまです」「話を聞いてからです」。質問をいなし、エレベーターに向かった。途中、突然の訪問に驚いた自民党支援者らに会釈し、愛嬌(あいきょう)を振りまく余裕も見せた。

 4階でエレベーターを降りると、テレビカメラの照明やカメラのフラッシュを浴びながら悠然と選対委員長室に向かう。約1時間にわたって古賀委員長と会談した後、100人近く集まった報道陣の前で語った。

 しかし結局、「出る」か「出ない」か結論は最後まで言わず。記者からは「なんだかのせられているなぁ」「劇場型政治…」とぼやきの声が漏れた。

■終日追っかけ

 「私は焦っていない」。報道陣に囲まれ、緊張した面持ちで語る東国原知事の映像は、この日のニュース番組でくり返し流された。

 午前11時。宮崎県庁で開かれた記者会見の映像から始まった“東国原劇場”。記者から開口一番、総選挙への出馬に関する質問を受け、「いきなりですか」とおどけてみた。

 その後も、“劇場”は続いた。記者をかき分けながら、県庁内を足早に移動する姿、東京へ向かうために車に乗り込む姿、羽田空港へ到着する姿…。永田町の自民党本部でずらりと並んだ報道陣の前を抜けていく様子まで、一部始終をカメラが追いかけ、時々刻々と放送し続けた。

■「王道の勝負を」

 タレント出身の東国原知事にとって、メディア露出はタレント時代“そのまんま”で、お手の物。就任後1年間で、テレビ出演は169回にものぼる。無党派層の支持を得る原動力として、自民党から白羽の矢が立ったのも、その人気にあやかりたいためだ。

 「茶番であることは国民も見透かしている。自民党が追いつめられているのを見せつけただけで、まともな支持者にも逆効果だ」と話すのは、拓殖大学大学院の花岡信昭教授(日本政治論)。東国原知事の発信力と人気度を認めつつも「自民党はポピュリズムに流されず、政権与党として政策体系を打ち出して王道の勝負をすべきだ」と知事に翻弄される自民党に苦言を呈した。
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by yupukeccha | 2009-07-07 23:19 | 政治  

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