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LTTEを軍事制圧=四半世紀の内戦、終結段階-スリランカ大統領

2009/05/16-23:42 時事通信

 【ニューデリー16日時事】スリランカのラジャパクサ大統領は16日、訪問先のヨルダンで演説し、反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」を軍事的に制圧したと宣言した。軍報道官によれば、北東部海岸のLTTE支配地域は同日午後現在、完全制圧はされていないものの、抵抗は散発的で、作戦の重点は民間人救出と並行しての掃討戦に移ったという。25年余にわたったアジア最長の内戦は終結段階に入った。

 政府の発表では、同大統領は「わが国の政府が軍の貢献を得て過去に例のない人道作戦を行い、ついにLTTEを軍事的に打ち負かした」と語った。

 軍報道官によると、LTTEは依然として、海岸の海と潟湖を隔てる砂州の約2平方キロを支配しているが、軍は16日、インド洋に面した海岸線を完全に制圧。LTTE側の抵抗は15日から16日にかけ、散発的になった。


<スリランカ>大統領「勝利宣言」内戦25年終結へ
5月17日2時30分配信 毎日新聞

 【ニューデリー栗田慎一】スリランカのラジャパクサ大統領は16日、北東部に追い詰めていた少数派タミル人の反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)を制圧したとして、事実上の勝利を宣言した。政府軍関係者は同日、毎日新聞に対し、LTTE支配地域での軍事作戦を終え、残党の捜索を続けていると語った。25年以上にわたる内戦はほぼ終結したが、戦闘から逃れたLTTE幹部らがゲリラ戦を継続する恐れもある。

 政府関係者によると、ヨルダンを訪問中のラジャパクサ大統領は16日、「LTTEは完全に壊滅された。政府軍は全土を掌握した」と述べた。その上で「テロを制圧した指導者としてスリランカへ帰る」と述べ、17日の帰国後、正式に勝利宣言する考えを示した。

 政府軍は16日までに、海上への逃げ道を封じるため、LTTEの最後の拠点だったムライティブ北部周辺の海岸線をほぼ掌握。軍関係者によると、15日夜には、インド方面へ船で家族らと逃げ出したLTTEナンバー2のフーセイ海軍司令官を拘束していた。

 LTTEによって「人間の盾」にされていた「最大5万人」(国連推計)の安否が心配されている。国際社会の懸念を無視して軍事作戦を強行した政府には改めて非難の声が集まりそうだ。

 政府軍は14日から、約3平方キロにまで狭まっていたLTTE支配地域への最終攻撃を本格化。潘基文(バンギムン)・国連事務総長らは民間人保護を優先するため、停戦を求めていた。

 LTTEは72年、多数派シンハラ人主導政府からの分離独立を掲げる、北東部のタミル人らによって結成された。政府は、飛行機や小型潜水艦、重火器も所有するLTTEを「世界最強のテロ組織」と呼んだ。

 政府とLTTEは80年代後半から停戦と戦闘を繰り返したが、05年に対LTTE強硬派のラジャパクサ大統領が就任するとLTTEも戦闘強化。昨年1月に停戦は破棄された。

 スリランカ情勢は、インド下院総選挙にも影響された。スリランカ・タミル人と同じ民族が住むインド南部タミルナド州の地方政党が、インド国民会議派を中心とする与党連合と組み、スリランカ政府に圧力をかける可能性があった。このため、スリランカ政府内では早期の軍事制圧を求める声が高まっていた。

 ◇ことば スリランカ内戦

 多民族国家スリランカで83年、多数派シンハラ人を中心とした政府と、独立を主張する少数派タミル人武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」の間で始まった。死者は7万人以上、海外脱出者や国内避難民は計100万人以上とされる。背景には、48年の英植民地からの独立後、政府が当初進めたシンハラ語の公用語政策や、進学や就職でのタミル人への差別があった。

by yupukeccha | 2009-05-16 23:42 | アジア・大洋州  

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