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渋滞対策・6万枚シール…IOC視察に準備 五輪招致

2009年4月10日6時42分 朝日新聞

 16年夏季五輪の招致を目指す東京都を視察するため、国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員が14日、やって来る。招致機運に欠けるのが東京の弱み。都内の世論支持率は69%で、他都市の77~89%より低い。ムード盛り上げに躍起の都は、3億円もの巨費を投じ、準備を進める。

 評価委員はIOC委員ら13人。20日までの日程で、競技場、宿泊施設、交通、財政、招致機運などを視察や聞き取りによってチェックする。都は海外コンサルタントから「その時に日本で一番偉い人と思って対応するように」と助言されているという。

 競技場の視察は17日。08年五輪招致に落選した大阪では、評価委員が渋滞に巻き込まれ、低評価につながったとされている。都はヘリコプターや船での移動も検討したが、IOCから通常の移動方法だけと言われた。このため視察と同じ金曜日に試走を繰り返し、渋滞のないルートを選定。都幹部は「警視庁と連携し、信号調整も考えたい」という。

 さらに、盛り上げの演出をちりばめた。ルートを中心に5万本の招致旗を飾り、視察先ではボランティアの子どもらが出迎える。都内の全タクシー約6万台にも直径12センチの招致ステッカーを張る。

 98年にIOC委員への過剰接待が問題になり、委員が勝手に招致都市を訪問することは禁じられた。それだけに、評価委員の訪問は限られたアピールの機会として重要性が増したとされ、もてなし方にも神経をとがらせている。

 パーティーは、規定で滞在中に1回だけ。都は東京・赤坂の迎賓館を使おうと打診したが、「天皇や首相の賓客でない」と断られた。そこで、石原慎太郎知事は3月24日、麻生首相を訪ね、「首相主催で、ぜひ迎賓館を使って、国を挙げた晩餐(ばんさん)会を開いてほしい」と直談判。その結果、迎賓館での首相主催のパーティーができそうだという。

 昼食にも悩んだ。「会席料理じゃ足りないかも」「東洋風すぎると北京五輪を連想させマイナス」と指摘があり、結局、各委員の母国料理も並べて好きな料理を食べてもらう方式に落ち着いた。

 評価委員への接待や贈り物は原則禁止だが、招致関係者は「随行する委員の奥さんなら多少は大丈夫」。東京の夜景を見せたいという。

 評価委員の対応にかける予算は3億1400万円。都幹部は「他都市との競争上、今は詳細を明らかにできないが、いずれ開示する。安い額ではないので批判されない使い方をする」としている。(別宮潤一)

by yupukeccha | 2009-04-10 06:42 | 行政・公務員  

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