人気ブログランキング | 話題のタグを見る

バイオ燃料“グリーンガソリン”の販売開始へ 新潟

3月6日8時5分配信 産経新聞

 新潟県産の飼料米「北陸193号」から製造したバイオエタノールを3%混合した“グリーンガソリン”の販売が18日、JA全農新潟石油基地(聖籠町)供給エリア内にある新潟県内19カ所のJAスタンドでスタートする。コメ原料のバイオ燃料が大量に市販されるのはこれが国内で初めて。世界的にも初めてという。(石田征広)

 “グリーンガソリン”を販売するのは全国農業協同組合(全農)と関連企業、県内JA、県、関係市町でつくる「イネ原料バイオエタノール地域協議会」。水田の有効活用のため、平成19年度から農水省の補助を受け、コメ原料のバイオエタノールの製造と利用の実証実験に取り組んできた。

 減反作物として10アール当たり収量がコシヒカリより300キロ近くも多い「北陸193号」の栽培を始め、並行して総事業費16億円(農水省の2分の1補助)をかけてコープケミカル新潟工場(新潟市北区)内にバイオエタノール製造プラントの整備を進めてきた。

 20年に「北陸193号」の栽培面積が300ヘクタール、総収穫量が2356トン(10アール当たり収量781・2キロ)に達し、いずれも目標をクリア。昨年末に完成したバイオエタノール製造プラントも試運転を経て先月14日から稼働を始め、18日の販売開始にこぎ着けた。

 “グリーンガソリン”の愛称は協議会が昨年10月に実施したアンケートで、応募1550点のほぼ3割の圧倒的多数を占めたことから選ばれた。この愛称の頭文字の「GG」をかたどり良好な環境をイメージした配色にしたという専用ロゴも完成、レギュラーガソリンの価格で売り出す。

 実証実験はコメ1トン当たり445リットル、年間1000キロリットルのバイオエタノールを製造し、これを3%混合した“グリーンガソリン”を年間3万3000キロリットル販売するのが目標だ。協議会は「海外ではバイオエタノールを10%混合しており、3%の混合率は何ら問題はない」と説明する。

 製造プラントの稼働とともに、バイオエタノールの発酵残渣(はっこうざんさ)は飼料か肥料のどちらの原料に利用するかを検討する。もみ殻もバイオエタノールの製造段階の熱源に活用し、計画通りに製造に必要な熱量の90%程度をまかなえるかどうかを検証することになる。

 農水省の実証実験に対する補助は23年度まで。“グリーンガソリン”の存続のカギはコストだが、協議会は18日の販売開始を発表した記者会見で「コストについては差し控えたい」と言及を避けた。

 無理もない。存続には国の補助やバイオエタノールの混合義務付けなど制度面の支援が欠かせないとされているため。

 「北陸193号」の栽培農家に支給されるのは1キロ当たり20円、減反作物として10アール当たり3万円前後。収穫したコメは最寄りのJAに持ち込むだけで主食用米に比べ乾燥などの手間がかからず費用は削減できるものの「黒字とはいえない状況」という。

 国内初の“グリーンガソリン”は、課題を背負いながらも当面は新潟県内の19のJAスタンドだけで販売される。

by yupukeccha | 2009-03-06 08:05 | 社会  

<< 水6リットル毎日飲ませる=同室... 愛称は「ウルトラマン空港」 利... >>