2009/7/24 10:00 日刊ゲンダイ
●「新銀行疑惑」の追及かわしを優先するズルさ 都議選惨敗を受け、先週末、石原ワンマン都知事が築地市場の移転問題を再考してもいいと言い出した。都議会で第1党になった民主党に「それなりの礼を尽くすのは心得ている」と語り、専門家を交えて現地での再整備を検討すると、珍しく謙虚だ。 先の選挙で都議会の勢力図が一変した。民主、共産、生活者ネットで議会の過半数を占めた以上、知事は自公が過半数だった時のようにやりたい放題はできない。とくに築地移転問題は民主党などがマニフェストに盛り込んだ公約だから、今後、石原知事が議会で撤回を迫られることは避けられない。国会で政権交代が起きたら、民主党は汚染地への市場移転禁止の法案を出すというから、なおさらだ。 「それにしても、石原知事が早々に柔軟な姿勢を見せたのは不思議です。たぶん、築地移転の再考を持ち出すことで、民主党の関心を他の問題からそらそうと先手を打ったのでしょう」 こう指摘するのは、ジャーナリストの小林佳樹氏だ。都議選で争点になったのは、移転問題に加えて、新銀行東京、外環道建設、都立病院の統廃合など石原知事にとっては都合の悪いことばかりだった。 「外環道の完成は2020年なのに、2016年のオリンピック招致のためとウソをついたり、追加増資分を合わせて1400億円規模の都税を使いながら大赤字が続く新銀行の責任問題もある。民主党ら“与党”が都政の問題を洗いざらい追及したら、知事はサンドバッグ状態になる。それは最悪だから、都民の関心が高い移転問題に目を向けさせようと考えたのではないでしょうか」(前出の小林佳樹氏) 新銀行問題では、身内の口利き疑惑もある。容疑は底ナシだ。だから、石原は「築地市場移転問題の方で折れるから、深追いしないで」というわけなのだろう。しかし、市場移転は豊洲の土壌浄化費用だけで586億円もの都税を注ぎ込むことになる。中止を決めるのはいいが、これまで強引に推し進めてきた石原の罪は重い。私財くらい投げ出さないと都民は納得しないゾ。
2009/7/16 10:00 日刊ゲンダイ
「自公の過半数割れ」と「民主党の第1党躍進」は予想されたことだったが、都議選で驚いたのは票の出方だ。自民が獲得した145万票に対し、民主には229万票も集まった。議席数以上の完勝だ。 「都議選は1人区が7つ、残る35は中選挙区です。だから自公はどうにかビリ争いで61議席を拾えましたが、これを小選挙区の衆院選に置き換えると、ほぼ全敗です。そのくらいすごい雪崩が首都で起きたのです」 こう言うのは政治評論家の森田実氏だ。 「自民党が都議会第1党の座を失うのは44年ぶりですが、状況は今回の方がはるかにひどい。昭和40年の時は都議会の汚職事件で自民党は解散に追い込まれ、社会党が第1党になったが、都民は都政のデタラメに怒ったのであり、一時的なものだった。しかし今回の都議選は有権者が“自民党はもう去れ”と声を大にして明確な意思表示をした。怒りのスケールははるかに大きくて深いのです」 ここまで政権政党の自民党が否定された選挙はかつてなかったということだ。 ●結局、バカな麻生がすべてを壊した 都民の怒りの標的は、もちろん麻生バカ首相だ。この期に及んでも「都議選は地方の選挙。何の影響もない」なんて謙虚さゼロだから、「それなら麻生を引きずり降ろしてやろう」と、さらに有権者の怒りを買った。 「国民は麻生の顔を見るのも嫌になっている。大不況でカネが回らず、会社はどんどん潰れ、庶民は職もなく苦しんでいるのに、バカばかりやっている男がマンガのような政治をやっている。この不真面目さが許せない。“麻生は消えろ”と引導を渡されたのです」(森田実氏=前出) 「オレが応援すれば勝てる」と麻生が駆けつけた1人区、自民党は全敗だった。「麻生で票を減らした」と恨み節が出ているが、有権者の気持ちが分からない男を総理・総裁に担いでいる自民党の全議員、全党員も同罪。自業自得なのだ。 ●大変化望む選挙民の実力行使は止まらない これで自公は大型地方選5連敗。政権交代の実力行使に出た有権者のうねりはもう止められない情勢だ。法大教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。 「普通、注目の地方選で自民党を懲らしめると、国民はそこで留飲を下げるものですが、今は自民党がいくら負けても“ガス抜き”にならない。むしろ、増幅し、流れが加速している。政治を大きく変えたいという意識をもった国民は、一連の地方選で、自分の一票で政治を変えられることが分かった。だから自民党の連敗が止まらないのです。この流れは総選挙に向けて、さらに大きくなりますよ」 世論調査では、つい最近まで「民主党中心の政権を望む」と「自民党中心の政権を望む」が大差なかった。「大連立を望む」という声がトップになることもあった。自公政権には不満でも、いきなり民主党など野党政権になることに国民の抵抗があった。だが、麻生が何も決断できず、グズグズと解散を引き延ばしている間に、国民の気持ちは「一気に民主党で政権交代」に傾いてしまったのだ。局地的雪崩だと甘く考えていた自公政権は、今ごろ大雪崩発生に慌てふためいているが、気づくのが遅すぎるのだ。 ●首相を舛添に代えても政権交代は確実 都議選でハッキリしたことは、解散・総選挙になったら、確実に「政権交代」が起きるということだ。与党は「麻生で解散」を決めた。自民党内がこれで納得するか不透明だが、有権者にとっては「表紙」が誰になろうが同じ。もはや自民党が政権を維持することはありえない。 朝日新聞の世論調査では、「麻生首相を支持しない」は67%に達しているが、同時に「麻生降ろしに納得できない」も65%ある。国民はコロコロ表紙を替えて生き延びようとする自民党という政党の姑息な体質にも完全に愛想を尽かしている。だから、「麻生で堂々と解散・総選挙をしてみろよ」と挑発しているのだ。 「都議選の票の出方は、有権者の気持ちを端的に表しています。民主党議員の多くが、ぶっちぎりでトップ当選している。直前に公認された候補者までが次々に当選し、58人の候補者中、4人しか落選していない。国民は、民主党に政権を取らせることを決めたのです。これ以上、自民党には任せられないという気持ちでしょう。小泉政治の5年間で暮らしが破壊され、ただでさえ不満を強めているのに、東国原知事にまですがる姿を見せられた。あまりにも見苦しい姿に、自民党支持者も見切りをつけたはずです」(五十嵐仁氏=前出) このまま解散・総選挙に突入したら、「自民党が300小選挙区で勝てるのは50程度だろう」(森田実氏=前出)の声もある。それも極論ではなくなってきた。 ●四分五裂で集団自殺に突き進む自民党 自民党の国会議員たちが都議選に青ざめたのは、1人区の1勝6敗という結果だ。大ベテランまで民主党の若い新人や無名の女性にコロリとやられた。これを見て、「もう、麻生を降ろして選挙の顔を替えてどうなるというレベルを通り越した」と、あきらめの心境だ。 「それで『麻生降ろし』の動きも鈍いのです。落選確実の小泉チルドレンなどの若手は、もう選挙をあきらめましたよ」(自民党関係者) 一部の中堅議員からは、「この際、仲間を集めて自民党を離党した方が当選しやすい」という声も上がっている。ベテランたちも右往左往だ。 「もはや自民党議員は、自分の当選しか考えていない。麻生首相がどうなろうが、自民党がどうなろうが、知ったことじゃないという状況です。『麻生降ろし』をすれば、自民党の評判をさらに下げるだけなのに、それでも騒いでいるのは、首相を批判することで自分を有権者に売り込もうという狙いしかない。おまけに自民党が末期的なのは、まとめ役や司令塔がいないことです。派閥の領袖がなにを言おうが、下は言うことを聞かないし、キングメーカーとされる森喜朗や参院ドンの青木幹雄も、実際には日和見で、大勢が決まってから、もっともらしく登場するだけです。まさにカオス状態です」(政治評論家・山口朝雄氏) 自民党は総選挙前に四分五裂しかねない。これでは総裁選の前倒しも麻生降ろしもムリ。バンザイ突撃の集団自殺の道しかなくなった。 【各党の獲得議席数】 ◇獲 得/議席数/現議席/増減 ◆民主党/54/34/+20 ◆自民党/38/48/−10 ◆公明党/23/22/+1 ◆共産党/8/13/−5 ◆ネット/2/4/−2 ◆社民党/0/0/±0 ◆諸派・無所属/2/4/−2 ◆計/127/125(欠員2)
2009/7/16 10:00 日刊ゲンダイ
これで石原都政もオシマイだ。都議会は民主党が第1党に躍進しただけでなく、石原が頼りにしていた与党の自公が過半数割れ。今後は石原知事の進める政策に対し、民主党の徹底反対が予想され、石原は議会運営で立ち往生させられることになる。 真っ先にヤリ玉に挙げられるのは「新銀行東京」と「築地市場の豊洲移転問題」だ。どちらも民主党が都議選のマニフェストで「NO」を掲げていた。 金融ジャーナリストの小林佳樹氏はこう言う。 「新銀行東京は清算されることになるでしょう。民主党の金融対策チームは、新銀行東京に残された選択肢は、譲渡か清算の2つしかないと判断しています。しかし、この経済状況で、譲渡先を探すのは至難の業。清算しても、融資先の顧客は、都の制度融資や既存の金融機関に振り分ける形にすれば影響はありません。金融庁もすでに、清算や免許返上の可能性を想定して準備しています」 さらに民主党は、「新銀行は、失敗の原因が明らかにされず、誰も責任を取らないまま」と批判しているから、都議会に新銀行関係者を参考人として呼ぶなど、石原本人の設立責任も追及されるだろう。 築地市場にしても、猛毒の検出された土地に移転することを都民は望んでいない。共産党も反対しているから、議会で反対は半数を超える。 「新銀行と築地移転が暗礁に乗り上げ、候補となっている2016年の東京五輪も『世論の支持が低い』ということで10月に落選。そうなったら、石原知事は完全に死に体です。場合によっては任期途中で放り出してもおかしくありません」(都政関係者) 石原は告示後、5日から最終日まで毎日、与党候補の応援に入り、自分の選挙ではほとんどしない有権者との握手までこなす焦りようだった。ところが、結果は、自民党都連の幹事長も務める都議会のドン(内田茂・千代田)と、都議会自民党のまとめ役だった幹事長(高島直樹・足立)の2人が揃って落選。石原にとって最悪のシナリオとなった。 自民の大惨敗で、石原ワンマン都政の終わりが始まった。
2009年7月13日23時51分 朝日新聞
東京都議選の自民党惨敗に解散・総選挙の表明と、大きく揺れ動いたニッポンの政治について、海外メディアも13日、速報などで相次いで伝えた。「自民党は歴史的な敗北に向かっている」などと、政権交代を不可避とみる論調が目立った。 米ニューヨーク・タイムズ紙は電子版で、麻生首相が解散・総選挙を決断したことを伝えた。「自民党は時代の変化に適応できなくなっている」とし、朝日新聞の世論調査結果などを引用しながら、総選挙で与党側が政権を失う可能性があることを指摘。さらに、「自民党は経験のない民主党が自壊して、再び政権が戻ってくるまで待つことにした」「これはバンザイ突撃だ」という日本の政治評論家の分析を伝えた。 米ワシントン・ポスト紙(電子版)も「麻生首相が政治的な奇跡でも起こさない限り、日本の有権者は、麻生首相と自民党を下野させるだろう」と論評している。 英BBCは、自民党内に麻生首相で総選挙を戦うことを「自殺行為」と批判する声があることを紹介。タイムズ紙(電子版)は「日本は戦後最大の政変に向かっている」と報じ、大敗した東京都議選や低迷する麻生首相の支持率を根拠に「自民党は歴史的な敗北に向かっている」と予測した。 ロシア国営テレビは、麻生首相について「戦後最も不人気な首相として歴史に刻まれた」と伝えた。首相就任以降、経済危機にも見舞われたと解説。自民党の敗因については「多くの日本人は、自民党が半世紀にわたって政権を握り続けた間に内部からの改革能力を失い、官僚的組織に変わったとみている。日本社会では、大きな変化への願望が熟している」と報じた。 中国の新華社通信は、都議選で与党が惨敗したことを報じ、麻生政権と自民党の直面する情勢が一層厳しくなったと東京発で伝えた。中国政府の見方をにじませたと言える。(ワシントン、ロンドン、モスクワ、北京)
2009年7月13日22時21分 朝日新聞
総選挙の前哨戦の東京都議選で、共産党が13議席から8議席に後退した。選挙戦では自公両党とともに民主党も批判したが、結果は政権交代を掲げる民主党の一人勝ち。2大政党による政権選択が焦点となる総選挙で、どう存在感を示していくか。選挙対策の再構築を迫られている。 「自公政権への国民の怒りが、我が党の前進という形で実を結んでいない」。共産党の志位委員長は12日夜、民主躍進のあおりで埋没した都議選の結果に無念さをにじませた。「蟹工船ブーム」に象徴される貧困への不満が党員増の背景とみて、党勢回復を狙っていただけに幹部の危機感は強い。 総選挙では小選挙区の候補者擁立を絞り、比例区に重点を置くが、このままでは都議選同様、苦戦は免れない。市田忠義書記局長は13日の記者会見で「2大政党が競い合う比例定数削減、憲法改悪にストップをかけるためにも我が党の役割は大きい」と強調。鳩山代表の献金問題を追及し、民主中心の連立政権とも距離を置く独自路線を堅持する方針だ。 ただ、13日に民主党が衆院に内閣不信任案を提出すると共産党は発議者に参加。通常は避ける審議拒否でも足並みをそろえる。市田氏は「審議拒否ではない。(不信任案提出で)審議できない相手だと通告する」と苦しい説明だ。(本田修一)
2009/07/13 12:28 共同通信
【北京13日共同】13日付の中国各紙は、12日投開票の東京都議選で自民、公明両党の与党が過半数割れに追い込まれたことについて「麻生政権は絶体絶命」(第一財経日報)などの見出しで報じ、地方議会選としては異例の関心の高さを示した。 同紙は、衆院選での政権交代が現実のものとなりつつあると伝えた。 「麻生首相の宿敵が東京都を手中に」(新京報)との指摘もあった。今後の政局については自民党内で「麻生降ろし」の動きが加速し、党内の攻防が激化するなどと伝えた。
7月13日12時2分配信 産経新聞
河村建夫官房長官は13日午前の記者会見で、東京都議選で自民党が敗北したことについて「地方選挙ではあるが厳粛に受け止めなければならない。都民から自民党と麻生政権に叱責(しつせき)の声が発せられたと受け止めるべきだ。衆院選に向け自民党は猛省し改めるべきは改めなければならない」と述べた。 麻生太郎首相の責任については「直ちに問われるわけではない」と否定。同時に「ここは自民党が一致結束するのが一番大事だ。結束なくして次の総選挙に活路は見いだせない」と述べ、「麻生降ろし」の動きを牽制(けんせい)した。 首相が早期解散を決断した場合に、閣議で閣僚が解散に反対する可能性については「首相が決断すれば、閣内は一致結束すべきだ」と述べた。
7月13日3時46分配信 日本テレビ
12日に投開票された東京都議会議員選挙で、与党が過半数の勝敗ラインを大きく割り込んだことで、自民党内では、麻生首相の退陣を求める声が一層強まっている。一方、麻生首相は依然、自らの手で解散に打って出る姿勢を見せていて、与党内が混乱するのは必至の情勢となっている。 麻生首相は12日夜、首相公邸にこもり、政府・与党幹部と電話で連絡を取り合うなど、情勢を分析したものとみられる。河村官房長官と細田幹事長は12日夜に会談し、都議選の結果は国政と関係ないことを確認し、早速、「麻生降ろし」の動きに予防線を張っている。また、麻生首相が解散を決断した場合は、支えていくことで一致した。 しかし、与党幹部からは、麻生首相が念頭に置いている早期解散に慎重論が相次いでいる。自民党・石原幹事長代理は12日夜、「厳しい都民の審判を受けたばかりですので、考える時間をぜひ、ちょうだいしたいと思っています」と述べている。公明党・北側幹事長も「重要法案をきちんと処理していくことが与党の責任だと私は思います」と述べた。また、首相側近からでさえ「早期解散はもう厳しい。後は会期末まで何とか乗り切って、解散をやらせてもらえるかどうかじゃないか」との声も出ている。 こうした中、塩崎元官房長官ら「反麻生」の中堅若手議員が12日集まり、敗北の原因を総括する両院議員総会の開催が必要だとの認識で一致した。また、ある中堅議員は「これで堂々と麻生首相を降ろせる」と話している。 また、当選1回の長崎幸太郎議員が、13日にも自民党を離党する意向を固めたことが日本テレビの取材で明らかになった。都議選の結果を受けて、無所属での出馬を決めたもので、麻生首相の求心力の低下は深刻になっている。 解散か、退陣か-麻生政権は13日から「一寸先は闇」の乱気流に突入することになる。
7月13日1時2分配信 産経新聞
宗教法人「幸福の科学」が母体となった幸福実現党は、都議選に計10人を擁立し杉並区や練馬区など10区で参戦したが、いずれも落選が決まった。 同党は自民、民主の争いとなった現状の政局を「不毛な2大政党政治」と批判。北朝鮮の相次ぐミサイル発射への効果的な外交の必要性や憲法改正、景気の低迷などに対する毅然(きぜん)とした政策を求める選挙戦を展開した。この後に控える衆院選に向けても比例代表と全小選挙区で計345人の候補者を擁立する予定だ。
2009/07/13-00:55 時事通信
(13日午前0時30分現在、時事通信調べ) 当選・当確者数 計 現 元 新 現有勢力 自 民 38( 2) 33 1 4 48 民 主 54(10) 31 1 22 34 公 明 23( 3) 19 0 4 22 共 産 8( 5) 6 0 2 13 ネット 2( 2) 1 0 1 4 社 民 0( 0) 0 0 0 0 諸 派 0( 0) 0 0 0 1 無所属 2( 2) 1 0 1 3 計 127(24) 91 2 34 125 (欠員 2)(注)カッコ内は女性。「ネット」は東京・生活者ネットワーク < 前のページ次のページ >
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