タグ:葬儀ビジネス ( 3 ) タグの人気記事

 

戒名料 不透明では寺離れ進む

朝日新聞 2010年10月7日

 三十数年間の叔父の葬儀で叔母の様子が少しおかしかった。心配になり話を聞くと、お布施の学が少なくて希望した戒名をつけてもらえず、いらいらしていることが分かった。その時は香典として、私が必要な額を叔母に渡して希望した戒名をつけてもらい、叔母も落ち着きを取り戻した。寺が提示したお布施は、かなりの高額で驚いた。

 その叔母も、昨年天寿を全うし、叔父のもとに旅だった。ところが、寺から、叔父の戒名に見合う戒名を叔母にもつけるべきだ、と再び高額なお布施が提示された。母子家庭で、一人っ子のいとこは、その負担のために相当苦労した。

 9月18日の本紙夕刊では明瞭会計をうたう葬儀事業者が、ホームページでお布施や戒名料などを表示したところ、全日本仏教会が「寺が戒名を売買している印象を与える」と反発したと報じていた。しかし、私の叔父・叔母の例は事実上の売買の印象を受け、この非難には違和感を感じた。

 戒名料についての明確な説明や、お布施の額の透明化を進めないと、葬儀を寺に依頼しない人が、増えていくのではないだろうか。
無職 武田健一 (東京都西東京市 72)
[PR]

by yupukeccha | 2010-10-07 06:00 | 社会  

物言う檀家と切磋琢磨しないと

朝日新聞 2010年10月7日

 「お葬式」や「終活」についての本があふれ、「葬式は、要らない」という本まで出た。葬祭業者や僧侶に対する不満がその根底にあり、共感する人が増えてきたからか。今までは何を言っているのか分からぬお経に付き合わされ、業者の決めた順番に従って進行し、終わった途端に途方もない請求書が回される、そういうことがまかり通ってきた。

 しかし、そのようなやり方も終焉を迎えようとしている。「物言う株主」と言われたが、今「物言う檀家(門徒)」が出てきた。自分の人生の最終を締めくくる儀式をつかさどる人(僧侶など)が心から信頼できなくては任せる気にもなれまい。

 業者は選べても僧侶は選べない。現在は家の宗教であって個人の宗教ではないからだ。檀家制度という遺物で縛り競争原理をなくしている魅力のない寺。釈尊は、死後の事にかかわるより、死ぬまでの生き方を学ぶことを大事にされた。生き生きとした仏法を伝えなければ忘れ去られる。私自身も魅力がなければ檀家さんも離反する。切磋琢磨しかない。
僧侶 池上 寛道 (福岡県八女市 62)
[PR]

by yupukeccha | 2010-10-06 06:00 | 社会  

イオン火付けで大激論…お布施定額制で仏教界が真っ二つ

2010/8/13 16:57  夕刊フジ

 お盆は多くの人が帰省し、実家の宗教や宗派を再確認する時期。そんな折も折、仏教界が揺れている。発端は流通大手「イオン」などが続々と打ちだしている「お布施定額制」だ。宗教行為に“値段”をつけるのか、と仏教界は猛反発。しかし、一部には流れに乗る“造反”僧侶も現れ、お布施や葬儀のあり方を巡って宗教界が真っ二つに分かれている。お布施を払う側としては、一体どちらの声に耳を傾ければいいのか。

 「お布施は“商品”ではありません。宗教行為に値段を付けることは、仏教の根幹を崩すことにもなりかねない。やっと仏教界が内部改革に動き始めた矢先なのに…」

 嘆息するのは全日本仏教会の関係者。同会は、伝統仏教教団58宗派、36の都道府県仏教会と8つの仏教団体が加盟する業界団体。宗派間の調整・連絡を取り仕切り、仏教界全体を代表して折衝役も担う唯一の団体だ。

 問題にしているのは、昨年9月に葬儀事業に参入したイオンが、今年5月からカード会員らに向けて始めた「お布施の目安額を明示する」というサービス。これが「越権行為」だとして、全日本仏教会はイオンに意見書を提出し、抗議の姿勢を打ち出した。

 「もともと菩提寺を持たない人向けに始めた『僧侶紹介サービス』の一環です。これまで、お布施の額については明確な基準がなく、心ない僧侶に法外なお布施を要求されるなど、トラブルも多かった。それが『お布施の趣旨と外れる』というのが仏教界の言い分です」(都内の葬儀業者)

 イオンはこのサービスを全国展開するが、それがまた別の問題を引き起こしているという。

 「良好な寺檀関係のある寺からすれば、まるで冒涜的なやり方」と指摘するのは臨済宗妙心寺派の僧侶で、作家の玄侑宗久氏(54)。

 「都市生活者の中には菩提寺を持たない人も多いが、地方にはまだまだ一律には割り切れない関係が生きており、そこに殴り込みをかけられる感じがする」

 ただ、こうしたサービスを展開しているのはイオンだけではない。

 昨年3月からインターネットでの僧侶の紹介サービスを行っているのは、名古屋市を拠点にする「お坊さんjp」。同サイトには現在、全国の主要58宗派の僧侶160人が登録している。主宰する古田治氏(53)は「全国には、自分の寺を持てない僧侶や、檀家が少なくて食べていけない僧侶がたくさんいます。時代の流れに応じて寺も変わっていかざるを得ない」と説明する。

 同サイトに登録する僧侶のひとり、愛知県春日井市の天台宗系寺院の副住職(53)は「批判しているのは、檀家をたくさん抱える一部の恵まれたお寺さん。僧侶の中には、檀家さんがいなくて“仕事”がなく、食えない人がたくさんいます」と内情を明かす。

 イオンに協力する僧侶も数多い。同社コーポレートコミュニケーション部は「浄土真宗や曹洞宗など主要8宗派の寺と提携。およそ600の寺から僧侶をご紹介できます」と語る。

 前出の関係者は「いまのところ、どの宗派もイオンに反対の姿勢を示していますが、その方針に背いた際の懲罰規定などは設けていないところがほとんど。ですが、このままだと葬式が商行為とみなされ、宗教法人の非課税の原則まで崩れてしまう」とし、解決策を模索したいという。

 仏教界の対立はともかく、実際にお布施を払う側として気になるのは、定額制でもきちんと死者を弔えるのかという点。

 従来派の玄侑氏は「布施は“気”の流れのようなもの。決められた額を出しても気の動きはまったく起こらない」とお布施の定義を説明。露骨な値付けに真っ向から反対する。一方、定額制派の前出の僧侶は「お布施はあくまで“気持ち”。その多寡で弔いの形に軽重はありません。従来のように、葬儀屋と寺があいまいな形でお布施の金額を決めるのは遺族に不安感を与えるだけです」と話している。
[PR]

by yupukeccha | 2010-08-13 16:57 | 社会