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効くのか「訪問販売お断り」シール 消費者庁が慎重姿勢

2009年12月7日15時1分 朝日新聞

 玄関の「訪問販売お断り」シールは意味がない? 訪問販売業者の規制を強化した改正特定商取引法が12月1日に施行されたが、こうしたシールに対し、消費者庁は「誰に何を断っているのかあいまいで、業者の訪問を拒む意思表示にならない」と判断している。悪質な勧誘の防止策として市民に配布してきた自治体側は「誰を守るための消費者庁なのか」と疑問の声を上げている。

 今回の改正法は、訪問販売で消費者が拒絶の意思を示せば、業者は勧誘を続けたり、再度の訪問をしたりしてはならない、と定めた。勧誘を繰り返すなど悪質性が高いと、業者は最高1年の業務停止命令を受ける。

 だが、法律の適用の考え方をまとめた運用指針では、「訪問販売お断り」とのみ記載したシールは、「意思表示の対象や内容が不明瞭(ふめいりょう)であるため、契約を締結しない旨の意思の表示には該当しない」と明記。業者名を書くか、直接会ったりインターホン越しに断ったりしないと拒絶に当たらない、と説明する。運用指針は、消費者庁が発足する前月の8月、それまで同法を所管していた経済産業省が出していた。

 同庁取引・物価対策課の丸山進課長は「シールを張るだけで拒絶の意思表示ととらえると、営業の自由にも触れかねない。訪問販売そのものが死滅しかねない」と理由を説明する。

 こうした消費者庁の判断を自治体側は疑問視する。

 2004年から市民にシールを配っている盛岡市消費生活センターの吉田直美主査は「訪問販売は業者と直接相対してしまうからトラブルが起きる。消費者庁の解釈は営業の自由を重視し、消費者目線とはいえないのではないか」。同市は「意思表示があいまい」と指摘する運用指針に対抗。来年度は「すべての訪問販売を常時お断りします」という全面拒否のシールの準備を進めている。

 滋賀県は、「訪問販売お断り」の表示を無視して勧誘をするのは、06年施行の県消費生活条例に反する不当な取引行為に当たると、これまで市町村に説明してきた。

 だが、運用指針の通知を受け、11月30日に各市町村の担当者に「(表示が)拒絶の意思に当たらなくなった」というメールを送った。県民生活課の山形英幸副主幹は「現場の意見も聞かずに突然、解釈が示された。はしごを外されたような感じだ」と話す。

 「お断り」シールは、東京都、大阪府、横浜市、仙台市などの大都市でも配布している。特商法に詳しい明治学院大学の圓山茂夫准教授は、「シールを張った消費者宅が拒絶の意思を示しているのは明らか。消費者を守るための法改正なのに、自治体の対策が後退しかねない解釈を示す国の指針は疑問だ」と話している。(上田学)
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by yupukeccha | 2009-12-07 15:01 | 行政・公務員