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大規模農地所有禁止、日本人移住者の不安募る ボリビア

2009年5月30日4時2分 朝日新聞

b0161323_604571.jpg 南米ボリビアで先住民出身のモラレス大統領が大規模農園主の所有地を接収し、先住民に配分する政策を進めている。56年に結ばれた政府間協定にもとづく日本人移住者らは、この政策が先住民の土地回復要求を勢いづけ、自分たちの土地や権利が脅かされないかと不安を募らせている。

 「今日をもって大土地所有を禁止する。大土地所有者は土地を手放し、土地のない人々に譲るべきだ」。大統領は3月中旬、外国人移住者らの多い東部サンタクルス県で、まず米国人らの大地主から没収した3万8千ヘクタールの土地を先住民に譲り渡すと宣言した。

 1月に承認された新憲法は土地所有の上限を5千ヘクタールに制限。それ以下でも国が投機目的の土地や遊休地などと判断すれば収用すると定める。

 大統領は「(合憲の)土地所有権は尊重する」としているが、東部では1月以降、新憲法を拡大解釈した先住民らが集団で農地を占拠、所有権を主張する事件が相次いだ。

 サンタクルス県の日本人移住地「サンフアン」。日本国籍を持つ約800人が住むが、5千ヘクタールを超す土地所有者はまずいない。だが農地に先住民が家を建てたり、道路を封鎖し土地の引き渡しを求めたりする例が後を絶たない。

 新憲法をめぐる対立が激化した昨年9月、地元ラジオで先住民指導者が「外国人を移住地から追い出そう」と演説したこともあったという。

 「摩擦が起きないように共存共栄を図るしかない」と地元農協の近藤勇総支配人(51)。農業技術の講習会や駅伝大会に数年前から先住民を招くなどして関係を深めている。

 一方、沖縄出身の入植者約800人が生活する「オキナワ移住地」。屋良朝英(やら・ちょうえい)さん(64)は05年から土地を先住民に占拠され、いつも銃を枕元に置いて寝るという。「移住者の命や土地をボリビア政府が保証してくれるよう日本政府に動いてもらいたいが、らちがあかない」と訴える。

 さらに新憲法は、外国人は国家の土地を取得できないと定めるが、「外国人」や「国家の土地」の定義があいまいで、過去に取得した土地の所有権の有効性などにも言及していないため、日本人移住者らに不安が広がっている。

 ボリビアには両移住地の日本人計1600人ほか、戦前に移住した人たちの子孫ら約1万4千人の日系人が住む。(サンタクルス〈ボリビア東部〉=平山亜理)
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by yupukeccha | 2009-05-30 04:02 | 北米・中南米