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琉球大、必修授業にホメオパシー 来年度から取りやめ

2010年9月17日5時30分 朝日新聞

 琉球大学医学部が6年前から、助産師の卵たちに民間療法「ホメオパシー」を必修授業の中で教えていた。日本ホメオパシー医学協会認定の療法家(49)が講師だった。ホメオパシーに傾倒する助産師が通常医療を拒否するトラブルも起きており、同大は来年度から取りやめることを決めた。今後は学生に「リスクがある」と伝えていくという。

 大学や担当した講師によると、ホメオパシーの授業は、代替療法の一つとして、保健学科の「助産診断・技術学」の中で年1回、3年生を対象に行われた。今年度も8月10~11日、学生10人を対象に、ホメオパシーの歴史やレメディーと呼ばれる砂糖玉が体に作用する仕組み、症状が緩和できる病気について、教えたという。講師が学生から「どうしたら(ホメオパシー療法家の)資格が取れるか」と聞かれたこともあるという。

 講師の療法家は助産師で、沖縄県内に日本ホメオパシー医学協会と提携する助産院を開設。2004年度に非常勤講師として採用された。この療法家は取材に「ホメオパシーは素晴らしい。症状が改善する」と話している。

 今夏、山口市でホメオパシーを実践する助産師が女児にビタミンK2シロップを与えず頭蓋(ずがい)内出血により死亡させたとして、損害賠償を求める訴訟が起きたことが明らかになった後も、学内で授業内容に異論は出なかったという。

 しかし、日本助産師会が8月下旬、ホメオパシーを使用したり、勧めたりしないよう会員に求めたのを受け、担当教員らが「適切ではない」と判断。来年度以降は中止することを、医学部教授会などを通じて決めることにした。

 ホメオパシーを取り入れている助産師は多く、日本助産師会の調査でも、1割弱の助産院が実践していた。

 担当の教授(母性看護・助産学)は「お母さん方から質問された時に、説明できるように取り入れた。今後はホメオパシーはリスクがあるものと伝えていく」と話している。(岡崎明子、長野剛)
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by yupukeccha | 2010-09-17 05:30 | 荒む社会  

ホメオパシーHP相談、医師法抵触か レメディーを助言

2010年9月8日7時23分 朝日新聞

 日本ホメオパシー医学協会関連の療法家育成組織「ザ・ジャパン・ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー」のホームページ上での健康相談が、医師法に触れる疑いがあると指摘する声が、専門家から上がっている。

 今年7月、女性からの相談が、ホームページの「体験談紹介」に掲載された。10歳の子どもが腎臓病で免疫抑制剤を服用してきて、今は病院の薬は飲ませていないという。

 「毒だしのレメディをとると、すごい好転反応が出てしまいます。顔、特に目がはれてパンパン、足もむくみ、蛋白尿(たんぱくにょう)がでて、見ているのが辛(つら)くて断念してしまいます」という内容。「むくみや蛋白尿が出たときのレメディを教えてください。このままレメディで腎臓をケアしていきたい」と求めていた。

 これに対し、アカデミー側の「先生」と名乗る人物が、「むくみや蛋白尿に対するレメディー」として3種類をあげ、担当のホメオパシー療法者「ホメオパス」に相談するよう促す返答を掲載した。

 インターネット上でこのやりとりをみた千葉県四街道市の高畑紀一さん(39)は、子どもの保護を求めて警察に通報した。子どもの病気予防の活動をしている。「病名も治療経過も明らかでないのに、何でアドバイスが出来るのか。『先生』は医師ではなさそうだし、通常の医師なら主治医のところに行くよう促すのではないか」と考えたからだ。

 警察からは「調査した結果、体験談投稿者と連絡がとれ、投稿にあるような深刻な病状ではなく、児童も無事であることが確認できました」と返答があったという。

 国学院大法科大学院の平林勝政教授(医事法)は、「体験談紹介」のやりとりが医師法に触れる可能性を指摘する。「レメディーが薬品でないにせよ、症状を訴えてきた病人に、あたかもそれが効いて疾病に効果があるように勧めれば、実態は薬を処方するのと同じではないか」と説明。「仮にレメディーに一定の効果があったとしても、医師による治療を受ける必要があるかどうかを判断することは、医師でないと出来ない」と話す。

 これに対し、日本ホメオパシー医学協会は「薬を処方することは医業にあたる。しかし、薬でないもの(=レメディー)をすすめることは医業にあたらない。したがって違法であるとは考えない」と文書で回答。医師法については、「ホメオパシーを対象にはしておりません」としていて、「先生」に医師が含まれるのか明らかにしていない。
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by yupukeccha | 2010-09-08 07:23 | 荒む社会  

ホメオパシー効能広告の疑い 販売会社に都が立ち入り

2010年9月8日3時57分 朝日新聞

 民間療法・ホメオパシーで使われている砂糖玉のレメディーをめぐり、東京都が、同療法普及団体「日本ホメオパシー医学協会」関連の販売会社「ホメオパシージャパン」(本社、東京都世田谷区)に、薬事法に基づく立ち入り検査をしたことがわかった。同社の商品広告に、特定の病気に対する効き目をうたったとみられる表記がみつかり、都が改善を求めた。

 薬事法は、同法で承認されていないのに、病気に効く医薬品であるかのように広告することを禁止している。都などによると、ホメ社の広告方法などについての情報提供が厚生労働省に寄せられ、都が8月に立ち入り検査を行った。

 立ち入り検査にはホメ社側も同意した。都薬事監視課は、レメディーのパンフレットなどの商品広告について調査。その結果、病気に効くように受け止められかねない表現が一部に見つかったといい、改善を求める行政指導をしているという。

 都は、2003年ごろにも、ホメ社に同様の検査をし、広告方法について改善を指導したという。

 ホメ社は立ち入り検査に関し「薬事法の解釈・運用も徐々に変化しているようであり、お互いの認識合わせをし、指導があればその都度、変更を行ってきている。今回もその一環。法律を順守した企業活動の徹底をはかっている」とコメントしている。

 日本ホメオパシー医学協会は、ホームページに「レメディーは食品であり、医薬品ではない」「レメディー自身が病気や体の部位に効果があるという記載は×」などと記している。

 一方、同協会関連の出版社の書籍の中では「学問として情報を提供する」(同協会)として、レメディーの種類ごとに「大特徴 高熱のNo.1レメディー」「場所 皮膚、リンパ腺、脳」などと解説している。(福井悠介)
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by yupukeccha | 2010-09-08 03:57 | 荒む社会  

助産所の1割でホメオパシー ビタミンK2与えぬ例

2010年9月7日23時33分 朝日新聞

 社団法人・日本助産師会は7日、加盟助産所の1割弱にあたる36施設で民間療法のホメオパシーが行われ、新生児に必要なビタミンK2を与えない例があったと発表した。山口では5月、ビタミンK2を与えられずに新生児が死亡したとして訴訟も起きており、厚生労働省は同日、同会会長あてに注意を求める通知を出した。

 新生児は、ビタミンKが欠乏すると頭蓋(ずがい)内出血を起こすため、ビタミンK2シロップを与えるよう、厚労省研究班が指針を出している。しかし、山口市の助産師が、K2シロップの代わりにホメオパシー療法で使うレメディーという砂糖玉を与え、生後2カ月の女児を死亡させたとして、損害賠償を求められた。

 この訴訟を受け、助産師会は7月下旬から8月まで、全国433の助産所を対象に過去2年以内に、K2シロップを与えず、レメディーを与えていたケースがなかったか調査した。お産をしていない19施設をのぞく、414施設から回答を得た。

 この結果、レメディーしか使わなかったケースがあったとする助産所は36施設に上った。複数の助産師が所属する助産所もあり、ホメオパシーを実践している助産師は36人を大きく上回る可能性が高いという。レメディーを与えた理由として、助産師がK2シロップとレメディーの両方を説明し、妊産婦がレメディーのみを選んだり、妊産婦からどうしてもと頼まれたりしたからと説明している。

 助産師会は「ホメオパシーに傾倒するあまり、通常医療を否定するのは問題」として、助産所にK2シロップを使うよう指導した。今後は研修などを通じ、通常の医療に代わるものとして、ホメオパシーを使用したり勧めたりしないよう会員に周知徹底するという。今回の調査時点では、全助産所でK2シロップを使っていたという。

 厚労省医政局も同日、新生児には、K2シロップが有効として、適切にシロップを使い、望まない妊産婦には、そのリスクを十分に説明することが重要とする通知を出した。

 助産師は全国に約2万8千人。主に助産師が立ち会うお産は、年間約4万5千件で、「自然なお産ブーム」で年々、増えている。

 日本助産師会の岡本喜代子専務理事は「K2シロップは当然与えるものと認識していたので、36という数字は多いと思う。会員には、お産の現場でホメオパシーを使うことがないよう指導する。また、助産院のホームページなどでホメオパシーについて記載しないよう求めた」と話している。(岡崎明子)
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by yupukeccha | 2010-09-07 23:33 | 荒む社会  

ホメオパシー、学術会議が否定=「根拠なく荒唐無稽」と談話

8月24日19時42分配信 時事通信

 日本学術会議は24日、最近広まっているとされる療法「ホメオパシー」について、「科学的に明確に否定されている。治療に使用することは厳に慎むべき行為」との金沢一郎会長(皇室医務主管)名の談話を発表した。

 ホメオパシーは、健康な人間に投与するとある症状を引き起こす物質を患者にごく少量投与することにより、似た症状の病気を治すという療法。植物や鉱物などを入れてかくはんした水を極めて薄く希釈、砂糖の玉に染み込ませて与えるなどする。

 国内では、医療関係者の間でも一部で使用が広がっているとされる。中には、頭蓋(ずがい)内出血防止に有効なビタミンK2シロップの代わりとしてホメオパシー治療を受けた乳児が死亡し、親と助産師の間で訴訟に発展したケースもある。

 談話は、ホメオパシーについて「科学的根拠がなく、荒唐無稽(むけい)。今のうちに排除しなければ、『自然に近い安全で有効な治療』という誤解が広がり、深刻な事態に陥ることが懸念される」としている。
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by yupukeccha | 2010-08-24 19:42 | 荒む社会  

代替療法ホメオパシー利用者、複数死亡例 通常医療拒む

2010年8月11日5時46分 朝日新聞

 代替療法ホメオパシーを利用している人の中で、病気が悪化して死亡する例が相次いでいる。通常の医療は末期になるまで受けていなかった。東京では5月、国立市の女性(当時43)が、がんで死亡した。埼玉でも昨年5月、男児(同生後6カ月)が死亡した。女性の遺族らは先月、「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。

 5月16日、東京都東大和市内の病院の集中治療室。女性は、悪性リンパ腫が悪化して人工呼吸器を付け、声も出せない状態だった。親交のあった荒瀬牧彦牧師=めぐみ教会(東大和市)=が見舞うと、手話で3回、「ごめんなさい」と訴えた。ホメオパシーに頼り、前日に救急搬送されたばかり。入院から11日後に死亡した。

 荒瀬牧師は「最後の最後になり、自分の誤りに気づいたのかもしれない」と話す。

 両親によると、女性がホメオパシーを始めたのは3年前。離婚直後で精神的に不安定な時に友人に紹介された。昨春から体調を崩し、全身の痛み、強い肌荒れを訴え始めた。荒瀬牧師は何度も病院受診を勧めた。だが女性は「今までのホメオパシーの努力が無駄になる」と拒み続けたという。

 5月には外出も困難に。激しい胸の痛みに母親(69)が救急車を呼ぼうとすると、「西洋医学はダメ」と最後まで拒んだ。気を失いかけたすきに、母親が救急車を要請。搬送先で、初めて悪性リンパ腫と診断された。

 さいたま市では昨年5月、生後6カ月の男児が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒。市によると、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していたという。

 市児童相談所は、病院の受診拒否などを虐待と判断。保健師の指導で男児が4月に入院した際、両親が連れ戻さないよう病院に要請していた。男児は5月2日に死亡した。

 ホメオパシーでは、病気の症状が重くなっても、自然治癒力が増した証拠の「好転反応」ととらえる。これが患者を病院から遠ざけているとの指摘がある。

 女性や男児の両親が頼った療法家を認定した日本ホメオパシー医学協会は取材に「現代医療を否定してはいない。(女性が死亡した)案件は調査中」と回答した。(長野剛、岡崎明子)

●朝日新聞のホメオパシー関連記事一覧はこちらから。長野記者のブログでは、コメント投稿も歓迎しています。
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by yupukeccha | 2010-08-11 05:46 | 荒む社会  

「ホメオパシー」トラブルも 日本助産師会が実態調査

2010年8月5日4時34分 朝日新聞

b0161323_11352179.jpg 「ホメオパシー」と呼ばれる代替療法が助産師の間で広がり、トラブルも起きている。乳児が死亡したのは、ホメオパシーを使う助産師が適切な助産業務を怠ったからだとして、損害賠償を求める訴訟の第1回口頭弁論が4日、山口地裁であった。自然なお産ブームと呼応するように、「自然治癒力が高まる」との触れ込みで人気が高まるが、科学的根拠ははっきりしない。社団法人「日本助産師会」は実態調査に乗り出した。

 新生児はビタミンK2が欠乏すると頭蓋(ずがい)内出血を起こす危険があり、生後1カ月までの間に3回、ビタミンK2シロップを与えるのが一般的だ。これに対し、ホメオパシーを取り入れている助産師の一部は、自然治癒力を高めるとして、シロップの代わりに、レメディーと呼ぶ特殊な砂糖玉を飲ませている。

 約8500人の助産師が加入する日本助産師会の地方支部では、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、広島など各地で、この療法を好意的に取り上げる講演会を企画。2008年の日本助産学会学術集会のランチョンセミナーでも、推進団体の日本ホメオパシー医学協会の会長が講演をした。同協会のホームページでは、提携先として11の助産院が紹介されている。

 日本助産師会は「問題がないか、実態を把握する必要がある」として、47支部を対象に、会員のホメオパシー実施状況やビタミンK2使用の有無をアンケートして、8月中に結果をまとめるという。

 また、通常の医療の否定につながらないよう、年内にも「助産師業務ガイドライン」を改定し、ビタミンK2の投与と予防接種の必要性について記載する考えだ。日本ホメオパシー医学協会にも、通常の医療を否定しないよう申し入れた。

 助産師会の岡本喜代子専務理事は「ホメオパシーを全面的には否定しないが、ビタミンK2の使用や予防接種を否定するなどの行為は問題があり、対応に苦慮している」と話している。

 助産師は全国に約2万8千人。医療の介入を嫌う「自然なお産ブーム」もあり、年々増えている。主に助産師が立ち会うお産は、年間約4万5千件に上る。

 テレビ番組で取り上げられたこともある有名助産師で、昨年5月から日本助産師会理事を務める神谷整子氏も、K2シロップの代わりとして、乳児にレメディーを使ってきた。

 取材に応じた神谷理事は「山口の問題で、K2のレメディーを使うのは、自重せざるを得ない」と語る。この問題を助産師会が把握した昨年秋ごろまでは、レメディーを使っていた。K2シロップを与えないことの危険性は妊産婦に説明していたというが、大半がレメディーを選んだという。

 一方で、便秘に悩む人や静脈瘤(りゅう)の妊産婦には、今もレメディーを使っているという。

 ホメオパシーをめぐっては英国の議会下院委員会が2月、「国民保健サービスの適用をやめるべきだ。根拠無しに効能を表示することも認めるべきではない」などとする勧告をまとめた。薬が効いていなくても心理的な効果で改善する「偽薬効果」以上の効能がある証拠がないからという。一方、同国政府は7月、科学的根拠の乏しさは認めつつ、地域医療では需要があることなどをあげて、この勧告を退ける方針を示している。

 日本では、長妻昭厚生労働相が1月の参院予算委で、代替医療について、自然療法、ハーブ療法などとともにホメオパシーにもふれ、「効果も含めた研究に取り組んでいきたい」と述べ、厚労省がプロジェクトチームを立ち上げている。(福井悠介、岡崎明子)

     ◇

 〈ホメオパシー〉 約200年前にドイツで生まれた療法。「症状を起こす毒」として昆虫や植物、鉱物などを溶かして水で薄め、激しく振る作業を繰り返したものを、砂糖玉にしみこませて飲む。この玉を「レメディー」と呼んでいる。100倍に薄めることを30回繰り返すなど、分子レベルで見ると元の成分はほぼ残っていない。推進団体は、この砂糖玉を飲めば、有効成分の「記憶」が症状を引き出し、自然治癒力を高めると説明している。がんやうつ病、アトピー性皮膚炎などに効くとうたう団体もある。一方で、科学的な根拠を否定する報告も相次いでいる。豪州では、重い皮膚病の娘をレメディーのみの治療で死なせたとして親が有罪となった例や、大腸がんの女性が標準的な治療を拒否して亡くなった例などが報道されている。
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by yupukeccha | 2010-08-05 04:34 | 荒む社会  

問われる真偽 ホメオパシー療法

2010年7月31日 朝日新聞

気が遠くなるほど薄めた「毒」を飲むことで病気を治す、という欧州生まれの代替医療ホメオパシーが「害のない自然な療法」と日本でも女性層を中心に人気が高まりつつある。だが、この療法が公的医療の一角を占める英国は今年、議会委員会がその効果を全面否定、公的医療から外すよう政府に勧告した。日本でも裁判が起こされるなど、その効果を巡ってホメオパシーは批判対象にもなってきている。(長野剛)

◇ 自然派ママの心つかむ ◇

 「本当にいいものだから、みんなに知って欲しいんですよ。(中略)病名のつかない症状やメンタルな問題まで対応できる自然療法なんです」

 女優の沢尻エリカさんはホメオパシーについて、講談社のファッション誌「グラマラス」5月号のインタビューでそう語った。作家の落合恵子さん経営のクレヨンハウスが出す育児誌「クーヨン」も2007年以降、ホメオパシー関連の記事を掲載している。

 クーヨン編集長の吉原美穂さんは「自然な子育てに関心が集まり、化学物質が入った医師の薬に不安を持つ人が多い」と、育児の最中の母親らがひかれる理由を説明する。

 国内の代表的なホメオパシー業界団体のひとつ、日本ホメオパシー医学協会(東京)によると、ホメオパシーは今年だけで20回近く雑誌などで紹介され、利用者は国内に数十万人はいるとみられるという。

 ホメオパシーの原理は200年前、ドイツの医師ハーネマンが確立。彼がマラリア治療薬を飲んでみたら、マラリアと同様の症状が起きた。そこで「病気と同じ症状を起こせる物質なら、病気を治せる」という着想を得た。

 似た症状を起こす物質が、似た病気を治すというので「同種療法」と呼ばれる。一方、西洋医学の場合は逆に、病状を消すための治療を行うので「異種療法」とされる。

 ホメオパシー治療は「レメディ」と呼ばれる丸薬のようなものを飲んで行う。「症状を起こす毒」を、よく振りながら水などで薄め、砂糖粒に染み込ませたものだ。薄める毒は、毒草のトリカブトや昆虫、鉱石など約3千種類。

 ホメオパシーでは「薄めるほど効く」ともされる。その薄め方は半端ではない。一般的なレメディでは、10の60乗(1兆を5回掛け合わせた数)分の1に薄める。

 ここまで薄めると毒の物質は、事実上もう入っていないが「薄める時によく振ることで、毒のパターンが水に記憶される」と、協会会長の由井寅子さんは解説する。

 「自己治癒力が病気と闘っている時に現れるのが病気の症状。西洋医学は症状を緩和するが、治癒はさせない」。ホメオパシーで治せる病気は精神病から皮膚病まで多種多様で、がん治療も可能かと聞くと、由井さんは「そうです」と力強く答えた。

◇ 効果否定、「被害」訴えも ◇ 

 しかし、ホメオパシーは本当に効くのか。

 ニセ科学に詳しい大阪大学の菊池誠教授は「分子が1個も残らないほど希釈するのだから、レメディは単なる砂糖粒」とした上で「最大の問題は、現代医学を否定し、患者を病院から遠ざける点にある」と指摘する。

 今年5月、ホメオパシーが効かず「乳児が死亡した」という損害賠償請求訴訟が山口地裁で起こされた。乳児を自宅出産した母親が、助産師を訴えた。訴えによると、乳児が生まれた昨夏、助産師は一般に多く使われているビタミンKを乳児に投与せず、代わりにホメオパシーのレメディを投与。乳児はビタミンK欠乏性出血症と診断され、約2カ月後に死亡したという。

 インターネット上にも「被害」の訴えは多い。

 6月には都内の医師のブログに「悲劇を繰り返さないため何かできないものでしょうか」と訴える書き込みがあった。血液のがんの悪性リンパ腫で友人を失ったという人物の書き込みで、友人はホメオパシーでがんを治そうと通常の治療を拒否。結果、病院に運び込まれた時には、すでに手遅れになっていたという。

 このブログを開設する大塚北口診療所の梅沢充医師は「自分が実際に診た人のなかにも、ホメオパシーに頼った結果、手遅れになったがん患者がいる」と証言する。

 梅沢さんは患者を病院から遠ざける一因に「好転反応」という用語を挙げる。

 好転反応について、ホメオパシー医学協会の由井さんは「症状は有り難い」との持論で説明する。ホメオパシー治療では、病気の症状がかえって激しく出ることがあるが、それは治療で自己治癒力が向上したことの証しの「好転反応」で、有り難いことなのだ、という理論だ。こんな極論を信じた結果、患者は症状が悪化しても「良くなっている」と思いこみ、病院に行くのを拒否する、というのが梅沢さんの指摘だ。

 ホメオパシーの効果については、玉石混交の論文が多数書かれている。05年にスイスのベルン大学のチームが、110件の研究から極めて良質な8件を選び出し、ホメオパシーの効果の有無を総合判定する論文を英医学誌ランセットに報告した。チームは、良質な論文群を包括的に分析した結果、「ホメオパシーはプラセボ(偽薬)効果に過ぎない」と結論づけた。

 偽薬効果とは、薬効が全くない物質でも、本人が「効く」と信じて飲めば効くことがあるという効果のことだ。つまり、ベルン大の結論は「ホメオパシー自体には、治療効果は全くない」ということを意味している。

 さらに今年2月、英国議会下院の委員会は、ベルン大の報告など多くの報告例を調査検討した結果「ホメオパシーには偽薬以上の効果はないので、英国の公的医療の対象から外すべきだ」とする270ページをこす勧告を英政府に提出した。効果がないことについては「再調査の必要すらない」とまで強調している。

 一方、日本の厚生労働省は今年、ホメオパシーを含む代替医療を現在の医療体制に取り込むことを検討するため、鳩山前首相の所信表明演説に基づき作業班を発足させた。

 がんの代替医療の検証を行っている埼玉医科大学の大野智講師は「日本の行政はホメオパシーを含む代替医療について、ずっと当たらず障らずの立場を続けてきた。効かないものは効かないということも、国は責任を持って情報発信すべきだ」と指摘する。

◇ 担当した長野記者より ◇ この記事の掲載作業が終わった直後の7月26日、英国政府は、ホメオパシー療法への公的補助を続けると発表した。上記記事にあるように英国議会下院の委員会が、「ホメオパシーには偽薬以上の効果はないので、英国の公的医療の対象から外すべきだ」と勧告を出していた。英国政府は「ホメオパシーに医療上の効果がない」ことに関しては全く反論せず、「委員会の結論の多くについては同意する」としている。勧告に従わなかったのは「患者の選択の自由は、妨げられないから」などと説明した。
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ホメオパシー療法、信じる前に疑いを(長野剛)
続「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」 (長野剛)
第3弾「ホメオパシー療法、信じる前に疑いを」 (長野剛)
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by yupukeccha | 2010-07-31 06:00 | 荒む社会