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7千億円が使途不明に 米管理のイラク開発基金

2010.7.29 01:23 産経新聞

 ロイター通信によると、イラクの原油輸出に伴う収益などからなり、米国防総省が2004~07年に管理していた「イラク開発基金」の全額に近い87億ドル(約7600億円)が使途不明になっていることが28日までに米国の会計検査報告で分かった。報告は同省の管理がずさんだったと指摘しており、米政府はイラク国民から批判を浴びそうだ。

 会計検査を実施したのは米政府のイラク復興特別監察官室(SIGIR)。同基金91億ドルのうち87億ドルの使途の説明がつかないという。(共同)
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by yupukeccha | 2010-07-29 01:23 | 中東  

イラク紙幣、売買トラブル多発「米軍撤退で価値上がる」

2010年6月24日19時41分 朝日新聞

 「イラクから米軍が撤退すれば、イラクの貨幣価値は20~30倍になる」などと持ちかけ、実際のレートの50倍超もの高値でイラク紙幣を円で買い取らせるトラブルが急増していると、国民生活センターが24日発表した。3月以降、全国の消費者相談窓口に59件の相談があり、契約総額は約1億2千万円に上る。国内の銀行はイラク通貨の取り扱いがなく両替は難しいうえ、業者とも連絡が取れなくなるケースが多いとして注意を呼びかけている。

 同センターによると、中国地方の70代の男性は「イラクの石油埋蔵量は世界上位。通貨価値はいずれイラク戦争前の水準に戻る」などと電話で勧誘され、イラク通貨300万ディナール(2万5千ディナール紙幣120枚)を1200万円で購入し、業者に支払った。その前には別の名の業者から「購入したディナールを買い取る」という電話もあったが、その後の連絡はなく、不審に思い相談した。

 イラク通貨を巡る相談は、2009年8月~10年2月までは6件だったのが急増。契約金の平均額は約280万円と高額で、中には2千万円を支払った例もあった。

 関税を支払う際の固定レートで100ディナールは8円弱。相談では50倍の高値で売りつけているものが多かった。また、紙幣が本物かどうかは不明という。同センターは「複数の業者から次々に電話がくる例も多い。もうけ話にのらず、きっぱり断って」と話す。(小林未来)
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by yupukeccha | 2010-06-24 19:41 | 中東  

フセイン政権の「ケミカル・アリ」死刑執行

1月26日0時4分配信 読売新聞

 【カイロ=田尾茂樹】イラクからの報道によると、フセイン政権時代に化学兵器でクルド人を虐殺するなど「ケミカル・アリ」の異名で恐れられたアリ・ハッサン・マジド元国防相の死刑が25日、執行された。

 元国防相はジェノサイド(集団殺害)などの罪で4度にわたり死刑判決を受けていた。
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by yupukeccha | 2010-01-26 00:04 | 中東  

<防衛省>イラク空輸人員の67%が米軍 空自記録を開示

10月6日11時33分配信 毎日新聞

 防衛省は情報公開法に基づき、航空自衛隊によるイラク空輸活動の記録を開示した。陸上自衛隊が撤収し、空自が活動の中心になった06年7月から活動が終わった08年12月までの124週分で、空輸した2万6384人のうち米軍が1万7650人と67%を占める。前政権は「空自は人道復興支援を行っている」と説明し、活動の実施期間と運航日数以外は黒塗りで公開していたが、新政権になって初めて請求した全データが開示された。

 請求したのは、岐阜県大垣市の市民団体代表、近藤ゆり子さん(60)。09年2月に開示請求し、ほとんどが黒塗りだったため7月、内閣府の情報公開・個人情報審査会に異議を申し立てていた。開示決定は9月24日付。

 近藤さんや名古屋イラク訴訟弁護団の川口創弁護士によると、運航日数467日中、218日がクウェートからバグダッドへの空輸任務。輸送人数の3分の2が米軍だった半面、国連職員は2564人と1割未満にとどまっており、米軍の後方支援任務が中心だったことを裏付けている。

 川口弁護士は「『米兵のタクシー』と揶揄(やゆ)されていたが、軍事作戦の重要な後方支援を担っていた可能性がある」と指摘している。

 自衛隊のイラク派遣を巡っては名古屋高裁が08年4月、多国籍軍の兵士をクウェートからバグダッドへ空輸する活動について「戦闘行為に必要不可欠な後方支援を行っており、他国による武力行使と一体化した行動」とし、武力行使を禁止した憲法9条1項とイラク特措法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した同条3項に違反するとの判決を出している。【山田一晶】

 ◇「できるだけ開示する」防衛相

 北沢俊美防衛相は6日の閣議後会見で「国防の機微に触れることは慎まないといけないが(今後も)できるだけ国民に開示する」と述べた。【樋岡徹也】
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by yupukeccha | 2009-10-06 11:33 | 政治  

ブッシュ政権が暗殺を民間委託…米紙報道

8月20日21時1分配信 読売新聞

 【ワシントン支局】米ワシントン・ポスト紙(電子版)は20日、ブッシュ前政権下の2004年、中央情報局(CIA)が、国際テロ組織アル・カーイダ幹部を殺害する秘密計画の立案や訓練を、米民間警備会社ブラックウオーター(現在「Xe」に社名変更)に委託していたと報じた。

 複数の元情報当局者の話として伝えた。委託理由について、元情報当局者は、「何か問題が起きた時、外部委託の方がCIAを守れる」と話しているという。

 殺害計画は今年6月、パネッタCIA長官が議会に報告し、同計画をすでに中止したことも明らかにした。ブラックウオーター社へは、訓練などのため数億円が支払われたが、実際の任務は遂行されなかったという。同政権下では、テロ容疑者への尋問も民間に委託されていた。
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by yupukeccha | 2009-08-20 21:01 | 北米・中南米  

<イラク>バグダッド防護壁撤去 時期尚早の声も

8月8日19時34分配信 毎日新聞

 【カイロ和田浩明】バグダッドの不安定な治安の象徴的存在だったコンクリート製防護壁が、9月半ばまでに撤去されることになった。治安維持へイラク当局の自信を示す措置だが、市内では7日も爆弾テロが3件発生し28人が死傷しており、市民からは時期尚早との声も出ている。

 撤去は5日、マリキ首相が指示し、40日以内に実施される予定。イラク軍バグダッド作戦司令センターのカーセム・アタ報道官は毎日新聞に「状況改善を受けた措置だ」と説明し、治安上問題はないとの認識を示した。

 防護壁は03年のイラク戦争後、武装勢力の攻撃や爆弾テロへの防衛策として駐留米軍が設置を開始。イスラム教シーア派とスンニ派の宗派間紛争が激化し、内戦状態になった06~07年に激増した。

 米軍によると、壁は高さ3.6メートルで、重さ約6トン。高さ6メートルに及ぶものもある。市内全域の道路に設置されていて、膨大な数に上ると見られ、期限内に撤去することが物理的に可能かは不明だ。

 小学校教師でスンニ派のオマル・ハーリドさん(27)は、武装勢力の動きが活発になっているため、「撤去は時期尚早だ。来年1月の総選挙を意識した治安改善のアピールでは」と懸念する。

 反対に、シーア派のタクシー運転手、アブ・フセインさん(57)は「移動が楽になり、商売がはかどりそう」と歓迎。宗派間衝突を予防する狙いもあった分離壁が消えれば、「住民の一体感が戻るのでは」と期待する。

 イラクの治安情勢は、民間人死者数が月間3000人を超えたころに比べれば改善しているため、米軍は予定を前倒しして6月末に都市部から戦闘部隊を撤退させた。しかし、現状は7月だけでも、なお300人以上の民間人が死亡している。
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by yupukeccha | 2009-08-08 19:34 | 中東  

<重傷米兵>脳損傷52%にも イラクなど戦闘激化背景に

7月23日2時30分配信 毎日新聞

 【ワシントン大治朋子】イラクやアフガニスタンで重傷を負い、米軍最大の医療施設ウォルター・リード陸軍病院で治療を受けた米兵の52%が外傷性脳損傷(TBI)と診断されていることが、同病院脳損傷センターの調査で分かった。昨年末時点では33%で、TBIと診断される帰還兵の割合が半年間で急増した実態が明らかになった。

 検査態勢が向上して発見が増える一方、米紙によるとアフガンでは今年、TBIを起こすとされる手製爆弾での米兵の死者が46人にのぼるなど、攻撃も激化している。こうした負傷者も同病院に運び込まれている。同病院は、重傷を負ったり、他の病院で治療できない帰還兵らを受け入れる拠点施設。

 脳損傷センターによると、イラク戦争開戦直前の03年1月からこれまでに、両戦地で爆弾攻撃などを受け、同病院で治療を受けた米兵の52%がTBIと診断された。同センターが毎日新聞の取材に明らかにした資料によると、昨年12月末時点では33%(9100人)で、現時点での診断数は1万数千人以上とみられる。TBIと診断される帰還兵の9割以上が、頭部に目に見える外傷のないタイプ。手製爆弾攻撃などで超音速の爆風に伴う衝撃波(圧力変化の波)を受け、脳細胞が損傷されるのが原因とされる。

 米国防総省は07年11月、イラクとアフガンで従軍する米兵全員に計算など認識力検査を開始。検査済みの米兵は今年初めごろから徐々に帰還しており、検査を契機にTBI診断数が増えたとみられる。同省は今年3月、両地域に派遣された米兵の最終的に1~2割(18万~36万人)がTBIを発症すると推計していた。
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by yupukeccha | 2009-07-23 02:30 | 北米・中南米  

<イラク>バビロンの遺跡、米軍駐留で損壊 ユネスコ調査

7月13日11時0分配信 毎日新聞

 【カイロ和田浩明】イラク中部の古代都市バビロンの遺跡がイラク戦争後の米軍駐留などで大きく損壊していたことが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の調査で明らかになった。ユネスコが9日に発表した報告書によると、遺跡の敷地内に多数の溝が掘られて未発見の埋蔵物が破壊されたり、重機などの使用で古代の寺院や路面が損害を受けた。報告書は、世界遺産登録を視野に損害の調査と修復を進めるようイラク当局に勧告している。

 バビロンはバグダッドの南約90キロに位置。世界最古の法典の一つを整備したハンムラビ王らが治めた。約5000年前の存在の記録が残っている。外壁内の面積は約10平方キロ。イラク戦争開始直後の03年4月に占拠され、同年9月から04年12月まで、米軍とポーランド軍などが「キャンプ・アルファ」基地として使用した。

 ユネスコの報告書によると、敷地内には長さ13~162メートル、幅や深さが約1~3メートルの溝8本が掘られていた。また、表土が広範囲にはぎ取られたり、整地された場所も20カ所以上あった。こうした工事は防御設備などの構築を目的に施されたとみられる。

 溝のうち少なくとも2本は、未発見の埋蔵物の一部を掘り起こしていることが確認された。また、重機の移動でネブカドネザル2世王(紀元前605年ごろ~562年在位)が建設した宮殿に通じる「行列道路」の路面が損壊した。寺院の一部は屋根が崩壊しており、近くの発着場を利用するヘリコプターの振動が原因だった可能性があるという。
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by yupukeccha | 2009-07-13 11:00 | 中東  

<米兵>対テロ戦参加、自殺率が倍増…長期従軍で疲弊

5月21日2時31分配信 毎日新聞

b0161323_1641194.jpg 【ワシントン大治朋子】イラクやアフガニスタンでの対テロ戦争に従軍した米陸軍兵の昨年の自殺率がイラク戦争前に比べて倍増し、ベトナム戦争以来、初めて一般の米国民の自殺率を上回ったことが分かった。今年の自殺件数は「調査中」も含めると既に91件で、過去最悪となった昨年の143件を上回る見通し。戦争の長期化で米兵の6人に1人が3回以上従軍しており、背景には過剰展開による米軍の疲弊があると指摘されている。

 米陸軍が毎日新聞の取材に提供した資料によると、同軍兵士の昨年の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)は20.2人で、イラク戦争前の02年(9.8人)から倍増している。兵士と同世代(20~34歳)の米国民の自殺率は19.5人(05年統計・米陸軍修正値)で、この割合を上回ったのは「ベトナム戦争以来」(米陸軍)という。

 昨年の自殺は、今年1月時点の集計では128件だったが、その後「調査中」とされたケースの大半が確認され、143件(今年3月時点)に増えた。記録を取り始めた80年以降で最多という。今年は、既に4月末までに46件が確認され、45件が調査中となっている。

 戦争の長期化で陸軍は本来12カ月の従軍期間を15カ月に延長。除隊希望者には1年前後の延期を命じるなどして兵員不足を補った。この結果、米軍全体の4割にあたる約70万人が2回以上従軍している。キアレリ陸軍副参謀長は今年3月、連邦議会で「陸軍はストレスにさらされ、疲弊している」と指摘。兵士の従軍長期化が「自殺の大きな要因」と述べた。

 米陸軍の調査によると、繰り返し配備された米兵は、1回だけの兵士より心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する割合が5割高くなる。
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by yupukeccha | 2009-05-21 02:31 | 北米・中南米  

佐藤優が分析する「インテリジェンスと陰謀論」の境界線

「偽りの物語」に踊らされれるな!
2009年3月18日19時46分 日刊サイゾー 取材・文=李策

 偽情報で暴走したアメリカ、差別を助長する反ユダヤ主義......人はなぜ陰謀論にハマってしまうのだろうか? 私たちの目に見えない国際舞台の水面下ではいったい何が起こっているのだろうか?

 もはや説明不要であろう、情報分析のプロフェッショナル・佐藤優氏に陰謀論が生まれる過程と、そこに潜む危険性を解説してもらった。

──まずは陰謀論について、基本的な認識からお聞かせください。

佐藤 私は大きな枠組みにおいては、陰謀論的なものの見方を否定しません。「ある出来事の裏に、特定の意図の下に結集した、特定の人的ネットワークの動きがあるのではないか?」と疑うこと自体は必要です。

 例えば、日本の外務省には東西冷戦後、3つの潮流ができました。親米主義とアジア主義、地政学主義です。それぞれの潮流に属する外交官たちは当然、自分の信じる方向に外交を動かそうとする。その潮流が時代とマッチして、力のある政治家や経済人をリクルートした時には、ある幅において、その外交官たちの意図が実現するということはある。このこと自体は陰謀ではありませんが、「見えないところに、見えない動き」があると理解することは、情報リテラシーの上でも必要なことでしょう。

 しかし「ユダヤ人が世界征服を企んでいる」だとか、「世界はロスチャイルド対ロックフェラーの構図で動いている」だとか、そのようなたぐいの話は、決めつけから発した"偽りの物語"にすぎません。

──私たちジャーナリストも取材を始める際、自分なりの「仮説」を立てて取り組む場合がよくあります。その段階では決め付けに過ぎません。それを検証せずに表に出せば、一種の陰謀論になってしまいますよね。

佐藤 そうですね。インテリジェンスにも「最悪情勢分析」という手法があります。CIAのような諜報機関にも、はたから見たら「陰謀論者じゃないのか?」と思えるような分析官が2割ぐらいはいるんです。

 普通の分析官は、分析対象に関する大量のデータをさまざまなパターンで関連付けて、複数の予測を併記します。しかし2割の「陰謀論者」は、それをしない。極端な要素、極端な関係者を抽出して結びつけ、予想し得る中で最も"極端なシナリオ"だけを考えるんです。そうすることで、ほかの分析官とか諜報機関の幹部は、最悪の事態に対する心構えができる。その心構えをもって、客観的な分析作業に取り組めばいいわけです。

 この場合重要なのは、いくら極端なシナリオであっても、客観情報に基づいていることです。客観情報とは、当事者や第三者、マスメディアが発表した公開情報などです。

 ただ、情報を精査してやっているつもりでも、重視すべき情報が排除されてしまって、あえて組み立てた「極端なシナリオ」が暴走してしまうこともあります。その典型例が、アメリカを対イラク開戦に向けて突っ走らせた、「カーブボール」【註】の一件です。

──仮説を否定できない心理に陥ってしまうわけですね。

佐藤 諜報機関も役所であり、そこで働くスタッフは官僚です。官僚にとって最大の職業的関心は何かといえば、出世にほかなりません。自分の出世に都合のいいように情報を選択し、結果的に事実関係をも捻じ曲げてしまう。つまり、無意識のうちに「物語」を作ってしまうんです。

 つまるところ、陰謀論というのは、こうして「物語」を作ってしまう人間の習性から出てくるんじゃないかと思います。

●核心にアクセスできない二級エリートたちの罪

──では、「物語」の作り手に、共通した特徴があるとすれば、それはなんでしょうか?

佐藤 一概には言えませんが、"二級のエリート"に多いのではないか、という気はしています。ものごとの舞台裏をある程度はうかがうことができるのだけど、核心情報にはアクセスできない。そこで真実を知って納得したいという欲求を満たすため、「こうであるはずだ」という結論へショートカットしてしまう。

──ショートカットというのはつまり、検証の省略ということですか?

佐藤 省略の場合もあれば、回避や怠慢の場合もあると思います。今の世の中、私たちの身の回りには、膨大な情報と知識があります。教育を受けているから、論理的な思考もできる。その気になれば、疑問点をひとつひとつ丁寧に詰めていくことはできるんです。ところが場合によっては、相当な時間がかかることがある。労力もかかるし、面倒くさくなる。そうすると、「自分が理解できない問題について、誰か専門家が簡単明瞭に説明してくれるだろう」という順応の気構えができてしまうんです。そういうところに、陰謀論の付け入る隙がある。

──情報化が進んでも、陰謀論の勢いが衰えないわけですね。

佐藤 それと、陰謀論が勢いを増すのは、やはり社会が不安に覆われる時なんです。

 不安を突き詰めていくと「死」に行き当たります。そしてそれは、必ずしも個人の死だけを意味するわけではない。経済システムは、景気循環を繰り返しているように思えますが、たまに急停止することがあります。私たちは普段、気にしていないけれども、カネと商品には非対称性があるんです。一定のカネがあれば、それでいつでも商品を買うことはできるけれども、商品がいつもカネになるとは限りませんよね。不況になると、人はこのことに気づき、不安に襲われる。なぜならば行き着く先に、恐慌という"経済システムの死"が見えるからです。

 今が、まさにそういう時でしょう。最近の世界経済危機の中で、派遣切りの問題が浮上し、正規社員の人たちも「明日はわが身」という不安を感じだした。すると、「自分の落ち度でそうなったんじゃない。しかし、なぜなのかはわからない。誰か説明してくれ!」となる。そんな欲求が強まっている時代だと思います。

●差別に繋がる陰謀論 十分に警戒すべき

──21世紀になって登場した陰謀論の多くは、アメリカが"主役"になっているように思えますが、その点はいかがでしょうか?

佐藤 スーパーパワーとして突出した存在だからかもしれませんが、アメリカがキーワードとして語られる場合、陰謀論というより、「帝国主義論」というオモテの議論になっているように思えます。

 むしろ陰謀論の標的になっているのは、アメリカの中の「ユダヤ」でしょう。すべては、ユダヤ人が世界征服をもくろんでいるという、「シオン賢者の議定書」【註】の焼き直しですね。陰謀論は往々にして、こうした少数者差別を含んでいます。その点は、徹底的に警戒すべきでしょう。

──では、最後に、陰謀論に踊らされないために、気をつけるべきポイントを教えてください。

佐藤 「わからない」という状態に耐える力が必要ですね。自分が何をわかっていないのか、それを直視することが物事を知る第一歩です。

 それから、良質な文学を読むことは、陰謀論への抵抗力をつけるのにうってつけです。なぜなら文学とショートカットは相容れないですから。物語を途中で端折った面白い小説なんかありませんよね。陰謀論というのは推定有罪、すなわち結論ありきですから、論理の崩れや仕掛けの稚拙さが目立つんです。優れた文学をたくさん読み込んでいれば、バカバカしくて付き合えないと思えますよ。

【註】ドイツに亡命後、同国の情報機関を通じ、「イラク政府はトレーラー型の生物兵器工場を運用している」という虚偽情報をCIAにもたらしたイラク人男性のコードネーム。アメリカはこの情報を最大の根拠に、国連などの制止を振り切ってイラク戦争に踏み切った。

【註】20世紀初頭、「ユダヤ人長老たちによる世界征服計画書」という触れ込みで広まった会話形式の文書。ロシア帝国秘密警察(オフラーナ)が、帝国政府への民衆の不満を反ユダヤ感情に向けさせるために捏造したとされる。
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by yupukeccha | 2009-03-18 19:46 | 社会