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<フィリピン>強まる反アロヨ 「改憲で続投狙う」推測

7月28日21時23分配信 毎日新聞

 【マニラ矢野純一】フィリピンで憲法改正に反対するグループが連合体を結成し、反アロヨ大統領の動きを強めている。来年5月で任期が切れ、再選が禁じられているアロヨ氏は、改憲で議院内閣制を導入し、首相として権力を維持しようとしていると言われる。今月末のオバマ米大統領との会談を前に、米紙ワシントン・タイムズが社説で「マルコス独裁政権の手法と似ている」と酷評するなど、改憲の動きは国外にも波紋を広げている。

 アロヨ氏は27日に行った、任期中最後の施政方針演説で「私は任期の延長を求めたことはない」と発言した。しかし、反アロヨグループは「与党が多数を占める下院に担がれる形を演出してアロヨ氏が改憲を進め、権力の座にしがみつくシナリオを描いている」と指摘する。演説で明確に改憲を否定しなかったことが、不信感を増幅させている。実際、下院では改憲に向けた工作が進んでいる。

 反アロヨグループは施政方針演説の当日、約60団体が結集し、1万人規模の決起集会を開催した。大統領選の不正疑惑をきっかけに05年、抗議の辞任をした元閣僚グループやキリスト教系団体、労働団体などからなる連合体を形成し、「高潔」な大統領候補を絞り込んで強力な選挙運動を進める計画だ。

 一方、30日にアロヨ氏とオバマ大統領の会談が予定されている米国では、26日付ワシントン・タイムズの社説が、「オバマ 殺菌剤」との見出しで、アロヨ政権が抱える汚職や人権問題などを取り上げ、改憲で延命策を図ろうとしていると指摘した。「ホワイトハウスへの招待は、彼女の問題の多い政治を認めるだけだ」と評し、アロヨ包囲網は国内外で広がりつつある。

 ◇「逮捕恐れ権力に執着」…改憲反対訴えるソリマン元社会福祉開発相

 【マニラ矢野純一】憲法改正に反対する連合体結成の仕掛け人の一人で、アロヨ大統領の下で01年から05年まで社会福祉開発相を務めたコラソン・ソリマン氏(56)に話を聞いた。

 --アロヨ政権はなぜ腐敗したのか。

 04年の大統領選で結果を操作して勝利した。この不正を知っている取り巻きが汚職に関与しても、ノーと言えなくなっている。そのため、有権者、公務員、議員などすべてが金で買える商品となり、民主主義の危機に陥っている。

 --アロヨ氏はなぜ、権力の座にとどまろうとするのか。

 汚職にまみれており、権力を失った途端に逮捕されるのを恐れているからだ。彼女には権力が必要で、権力が彼女に金を与え、権力と金が周囲の人々を従わせている。私が閣僚に就いていたころ、彼女の取り巻きに「いかなる代償を払っても、政治的に生き残ることが重要だ」と言われたことがある。

 --改憲の狙いは。

 法に従って、権力を維持し続ける最良の方法だからだ。改憲をして議院内閣制を導入し、地元選挙区から出馬して首相になるのが狙いだ。「私は合法的に首相になった」と言うのだろう。

 --改憲の可能性は。

 国民が抵抗する。米国もこの地域の混乱を望んでいないはずだ。オバマ米大統領との会談は、「改憲すべきではない」という米国からのシグナルだと思っている。

 --来年の大統領選に向け、どう動くのか。

 政治変革を求めるあらゆる団体が協力して実績や清潔さなどを議論し、8月末には特定の候補者を支持する。


【フィリピン】大統領施政演説、「強固な比経済」強調
7月28日8時30分配信 NNA

 アロヨ大統領は27日、就任後9回目となる施政方針演説(SONA)を行った。任期中で最後となる今回の演説では、「強固なフィリピン経済」を確立したとして在任8年半の実績を強調。注目された任期後の去就に関しては「任期延長に対する願望はない」とする一方、来年6月の任期満了まで、大統領としての職務に全力で取り組む意向を表明した。

 施政方針演説は、マニラ首都圏ケソン市の下院議場で午後4時から約1時間にわたり行われた。大統領は自身の功績として、◇空前の経済成長率◇投資の増加◇歴史的な雇用増加◇債務比率の改善――などを挙げた。さらに、国際信用格付け会社の米ムーディーズ・インベスターズ・サービスがこのほどフィリピンの格付けを上方修正した点に言及し、「われわれの経済の弾力性が証明された」と語った。
 
 具体的には、国内総生産(GDP)に占める債務の比率が2000年の78%から、08年には55%に減少した点に言及。政府系企業の債務や対外債務の対GDP比が半減したとも指摘した。
 
 さらに、1人当たりの国民総生産(GDP)が任期中に967米ドルから2,051米ドルに急増したとし、貧困世帯が減少した点、6月のインフレ率が1.5%と、「1966年以来最低」になったことも強調した。
 
 また、インフラ、電力面の環境改善にも自信を示した。スービック~クラーク~ターラックを結ぶ中部ルソン高速道路の開通をはじめ、国際基準を満たす空港やロールオン・ロールオフ(RORO)船対応の港湾施設の整備推進を挙げた。エネルギー関連では、再生可能エネルギー法やバイオ燃料法の施行を通じ、全エネルギー消費量に占める国産エネルギーの割合が48%から58%に上昇したと指摘。化石燃料への依存度が下がり、エネルギーの自給体制や環境保護への取り組みが推進されたとしている。
 
 現在の経済環境では、世界的な経済減速が近隣諸国の輸出依存型経済に打撃を与える中、フィリピンはビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)と観光分野が活況を呈していると指摘。とりわけBPO分野は60億米ドルの売り上げと60万人の雇用を確保したと説明した。同分野では、情報技術(IT)関連の政策を手掛ける情報通信技術省(DICT)創設の必要性も訴えた。
 
 教育面でも、技術教育・人材育成への投資額が、アロヨ政権以前の3代の政権時代の合計額の3倍に増えたことなどを挙げ、実績を誇示した。
 
 治安の面では、共産党およびイスラム過激派組織のモロ・イスラム解放戦線(MILF)と和平交渉に明るい見通しが出てきたことなどに言及した。
 
 ■任期延長は否定
 
 施政方針演説で大統領は、一部でささやかれていた任期延長の憶測を一蹴。「そのような願望は決してない」と否定した。一方で、任期後の政治活動については言明せず、国益のために残りの任期を務めると強調した。また、反対勢力を封じ込める手段として、一部で発令の可能性がささやかれている戒厳令については強く否定した。
 
 演説を開始するにあたり大統領は、現在、マカティ市内の医療施設で結腸がんとの闘病生活を送っているコラソン・アキノ元大統領の回復を願って祈りをささげるよう求めた。
 
 ■大きな混乱なし
 
 治安当局はテロなどの事態に備え、下院議場周辺を中心に厳戒態勢を敷いた。議場付近では反対派の抗議活動が行われたものの、目立った混乱はなかったもようだ。
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by yupukeccha | 2009-07-28 21:23 | アジア・大洋州