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ウィキリークス暴露「盗んで公開、言語道断」 前原外相

2010年11月30日21時40分 朝日新聞

 「勝手に他人の情報を盗んで勝手に公開する犯罪行為。言語道断だ」。前原誠司外相は30日の記者会見で、民間告発サイト「ウィキリークス」が米政府の外交公電を暴露したことを強く批判した。

 前原氏は「(公開を)判断するのは(情報を)持っている政府であって、勝手に盗み取って公表することに評価を与える余地はない」と強調。暴露内容をマスメディアが報じることは「妨げることはできないと思う」と語った。

 「日本外務省の現職幹部の名が挙がっている文書もあるが、事実関係を調査するか」との質問には「コメントもしないし、事実関係の調査もしない」。米側からは外交ルートを通じて事前に説明があったという。(山口博敬)
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by yupukeccha | 2010-11-30 21:40 | 政治  

本社ビルから「JAL」消滅=日航

2010/11/30-20:42 時事通信

 「JAL」が消滅-。会社更生手続き中の日本航空の本社が入居する東京・品川のビル外壁から、同社の巨大なロゴマークが撤去されたことが30日明らかになった。ビルオーナーの野村不動産グループが、日航との賃貸契約の改定に伴い、先週末に取り外したという。

 これに先立ち、既にビル名も1996年のオープン当時からなじみの深い「JALビルディング」から、「野村不動産天王洲ビル」に変更されている。

 経営破綻前の日航は、このビル(地上26階地下2階)の全フロアを借り受けていたが、経費削減の一環として賃貸契約の大幅な改定に踏み切った。来年度以降、日航の入居スペースは従来の3分の1に縮小する。
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by yupukeccha | 2010-11-30 20:42 | 経済・企業  

中国人弁護士、出国できず 法治制度学ぶ催しで来日予定

2010年11月30日19時1分 朝日新聞

 中国の法曹関係者らが日本で法治社会について学ぶプログラムに参加する予定だった中国人弁護士の劉暁原氏(46)が、中国からの出国を差し止められたことが分かった。当局は「国家の安全に危害を与える恐れがある」と説明したという。

 劉氏は市民の権利擁護や冤罪(えんざい)事件の救済に取り組んでいることで知られる。早稲田大学現代中国研究所が企画したプログラムに29日から参加する予定で、28日朝に北京の空港から出国しようとしたところ、「市公安局の指示」として認められなかったという。

 中国ではノーベル平和賞の受賞が決まった劉暁波氏の支援者らが出国を阻止される事件が相次いでいる。多くは劉氏の妻が授賞式への代理出席を求めたリストに名を連ねた人たちだが、劉暁原氏はリストには含まれていない。

 劉氏は「明確な理由の説明もなく私の自由な行動権を侵害され、両国の民間交流の機会が阻まれるのは遺憾だ」としている。(林望)
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by yupukeccha | 2010-11-30 19:01 | アジア・大洋州  

江沢民氏、四川を視察=救急車が同行-中国

2010/11/30-15:59 時事通信

 【香港時事】香港紙・星島日報は30日、中国の江沢民前国家主席が29日に四川省の都江堰市を視察したと写真付きで伝えた。江氏の動静が確認されたのは約半年ぶり。たびたび流れる健康不安説を打ち消すためとみられる。

 同紙によると、江氏は現在、同省の省都・成都市で休養中。江氏の車には救急車が同行していたが、寒い中を歩き回っており、健康状態に大きな問題はないようだという。
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by yupukeccha | 2010-11-30 15:59 | アジア・大洋州  

<タイ殺人>被告が無罪主張 岐阜・裁判員裁判

毎日新聞 11月30日(火)13時55分配信

 タイ・バンコクで08年、岐阜県出身の棚橋貴秀さん(当時33歳)が殺害された事件で、強盗致死罪に問われた無職、森宏年被告(33)=愛知県一宮市=の裁判員裁判の初公判が30日、岐阜地裁(山田耕司裁判長)であった。森被告は「(キャッシュカードなどを)持ってきたことは間違いないが、強取したことはありません。殺人は関係ありません」と起訴内容を否認、弁護人は無罪を主張した。

 タイ警察から情報提供を受けた岐阜県警が、刑法の国外犯規定を適用して逮捕した。国外犯規定を適用した事件の裁判員裁判は初めてとみられる。審理は12月6日までで、判決は9日の予定。

 起訴状によると、森被告は住所不定、無職、浦上剛志被告(32)=強盗殺人罪で起訴、公判前整理手続き中=と共謀し、08年8月5日、バンコク市内のマンションで棚橋さんの両手首に手錠をかけて両足に粘着テープを巻き付け、パソコンやキャッシュカードなどを強奪。浦上被告がその後、浴槽に棚橋さんの頭部を沈め、殺害したとしている。【石山絵歩】
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by yupukeccha | 2010-11-30 13:55 | アジア・大洋州  

何様だ!民主大物、皇族にヤジ 秋篠宮殿下に「早く座れよ」

★みんな桜内暴露「いずれ誰か明らかに…」
2010.11.30 ZAKZAK

 天皇皇后両陛下ご臨席のもと、29日午前に参院本会議場で開かれた「議会開設120年記念式典」で、民主党ベテラン議員が秋篠宮殿下御夫妻に対してヤジを飛ばした、との衝撃情報が流れている。自民党も調査に乗り出した。菅直人内閣の体たらくで民主党支持率は急落しているが、不謹慎極まるベテラン議員とは一体誰なのか。

 驚くべき情報を指摘したのは、みんなの党の桜内文城参院議員。30日朝に更新した自身のブログに、こう記したのだ。

 《報道されてはいませんが、ある民主党ベテラン議員は、秋篠宮殿下御夫妻が入場された後、天皇皇后両陛下の御入場をお待ちになる間、ずっと起立されていた(当初の式次第では着席されることとなっていた)のに対して、『早く座れよ。こっちも座れないじゃないか。』と野次を飛ばす始末。想像を絶するようなことが起こっていたのが実情です》

 国会議員が、皇族の方々にヤジを飛ばしたという衝撃情報に、桜内氏のブログには、「不敬にもほどがある」「この無礼な態度、断じて許せない」「ヤジを飛ばした議員の名前を明らかにすべき」といった書き込みが殺到した。

 このためか、桜内氏は同日午前、改めてブログを更新した。

 《議場に響き渡るような大きな声のヤジではありませんでしたが、周囲にいた複数の国会議員は耳にしたと思います。みんなの党の同僚議員も確かにそのヤジを耳にしていますし、いずれ誰が発したヤジなのかは明らかになると思います》

 民主党といえば昨年12月、天皇陛下と会見する際は1カ月前に申請するという「30日ルール」を破るかたちで、中国の習近平副主席との“特例会見”をセットした。ヤジが事実なら、似たような思想的背景や皇室観を感じずにはいられない。

 ベテラン議員の実名について、桜内氏はブログで「『言った』、『言わない』の水掛け論になる」として明かしていないが、自民党国対関係者は「大問題だ。そのベテラン議員は議員辞職もの。昔なら、内閣総辞職も十分あり得る。北朝鮮による砲撃事件への対応も含めて、民主党全体が緩みきっているのでは。徹底的に調査・追及する」と語った。

 桜内氏は、夕刊フジの取材に「ブログに書いたことがすべてです」とコメントしている。
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by yupukeccha | 2010-11-30 12:00 | 政治  

首脳酷評やスパイ続々…「裏の顔」暴露、オバマ政権痛手

2010年11月30日8時8分 朝日新聞

b0161323_1414046.jpg 内部告発情報をネット上で暴露する「ウィキリークス」が、入手した米外交文書約25万件の一部を28日に公開し、「関与と対話」の外交路線を掲げてきたオバマ米政権に、深刻な痛手を与えている。国連幹部を標的にスパイまがいの活動を進め、友好国の首脳らを酷評している実態を文書がさらけ出したからだ。

 ウィキリークス本体のサイトや、事前に外交公電を入手した米英独のメディアを通じ公開された文書群は、ごく一部に過ぎない。

 その中で、各国首脳はばっさりやられている。サルコジ仏大統領が「怒りっぽく、独裁主義的」と切り捨てられた。ベルルスコーニ伊首相は「無責任で虚栄心が強く、現代欧州の首脳として無意味」と断言されている。

 ロシアのメドベージェフ大統領については、今も権力基盤が強いプーチン首相との関係を、「プーチンが(主人公)バットマンで、メドは相棒のロビン」とハリウッド映画になぞらえた。

 アフガニスタンのカルザイ大統領は「極めて弱い人間」で「事実に耳を傾けない」。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は「体がたるんだ年寄り」で「精神的、肉体的なトラウマを抱える」と描かれている。

 2009年1月に発足したオバマ政権は、ブッシュ前政権時代に傷ついた国際社会との関係修復を目指し、「関与」を外交方針の基軸に据えた。国連にも積極的に協力する姿勢を明確にした。

 しかし、09年7月のクリントン長官名の公電は、国連米代表部の外交官に、国連幹部の携帯電話やカードの番号、通信パスワードなどの詳しい情報収集を要請。潘基文(パン・ギムン)事務総長も調査対象とし、意思決定や組織管理法なども調べるよう求めている。事実上のスパイ活動の奨励だ。

 「政権公約」としたキューバ・グアンタナモ米軍基地の対テロ戦収容所の閉鎖方針をめぐる裏面も暴かれた。収容者の移転先となる国が見つからず、スロベニアに「オバマ大統領と会談したければ、収容者を受け入れろ」と迫ったり、キリバスに数百万ドルの援助をちらつかせたりした。

 英ガーディアン紙電子版によると、イタリアのフラティニ外相は「世界の外交にとっての9・11(米同時多発テロ)だ。国家間の信頼関係を吹き飛ばす」と語った。

 一方、ホワイトハウスのギブズ報道官は公開直前、「外交官同士の私的な会話が世界中の新聞の1面に掲載されたら、米国のみならず、同盟・友好国の外交上の利益が多大な打撃を受ける」と批判し、中止を強く求めた。(ワシントン=望月洋嗣)
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by yupukeccha | 2010-11-30 08:08 | 北米・中南米  

こんにゃくゼリー訴訟で遺族控訴=兵庫

時事通信 11月29日(月)18時39分配信

 兵庫県で1歳の男児がこんにゃくゼリーを喉に詰まらせ窒息死した事故をめぐり、遺族が製造会社「マンナンライフ」(群馬県富岡市)に約6200万円の損害賠償を求めた訴訟で、遺族側は29日、請求を棄却した神戸地裁姫路支部判決を不服として大阪高裁に控訴した。

 同支部は17日の判決で、「商品に欠陥はない」と判断していた。 
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by yupukeccha | 2010-11-29 18:39 | 社会  

全日空、米ボーイングに「787」の早期納入迫る

2010/11/29 14:00 日本経済新聞
(2010年11月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 全日本空輸は、米ボーイングに発注している最新航空機B787の度重なる納入延期について「大変遺憾だ」と述べ、同社への圧力を強める姿勢を改めて示した。

度重なる納入延期、今度はエンジントラブル

 売上高で国内第2位の全日空の伊東信一郎社長は、今月起きたB787の試験飛行中の出火の正確な原因はなお不明であり、ボーイングに対し今回のトラブルが再度の納入延期につながるのか明確にするよう迫っていることを明らかにした。

 伊東社長はロンドンでフィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、「我々はボーイングに今回の不具合の詳細な原因と納入時期を速やかに提示するよう迫っている」と話した。

 伊東社長によると、全日空はB787型55機を発注しているが、初回納入分の期限は2年以上前に過ぎ、度重なる納入延期により旅客機の引退計画の見直しや旅客機不足を補うための手段を余儀なくされていると言う。

「B787は夢の旅客機」「発注への後悔ない」

 ボーイングは8月、エンジン供給上の問題で全日空へのB787の納入時期を数週間延ばし、2011年第1四半期(1~3月期)半ばにするとしていた。

 多くのアナリストは今回の出火により納入時期が一段と遅れるとみているが、ボーイングは延期を発表していない。

 B787は軽量の炭素繊維複合材を機体に採用したことで低燃費を実現し、同社がこれまで製造した旅客機の中で最速の売れ行きを誇っている。

 伊東社長は全日空がB787の顧客第1号であることを誇りに思うと述べ、発注への後悔はないと語った。

 同社長は「B787は夢の旅客機だ」とした上で、「納入延期は大変遺憾だが、優れた旅客機を保有することが我々の最優先課題だ」と強調した。

業績上方修正「予想を上回っている」

 これとは別に伊東社長は、全日空の今期の業績について楽観的な見通しを示した。同社は今期の純利益予想を50億円(5950万ドル)から60億円(7140万ドル)に上方修正しており、業績はこの2年間の最終赤字から回復基調にある。

 伊東社長は「60億円は最低目標だ」と述べ、同社の最近の業績は「予想を上回っている」と付け加えた。

 国内首位の日本航空が今年1月に経営破綻して以来、伊東社長は日本航空への巨額の公的資金注入が全日空に及ぼす影響に懸念を示してきたが、同社の業績は回復基調にある。

 伊東社長は、業績回復は日本航空の運航縮小により全日空の市場シェアが高まったためで、両社の運航規模は「ほぼ同じ」になったと話す。
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by yupukeccha | 2010-11-29 14:00 | 経済・企業  

尖閣問題“燎原の火”を点けた「酒乱船長」の暴走

フォーサイト 11月29日(月)11時22分配信

 「事件の実態は、酒鬼(酒乱)の暴走に過ぎない。だが、日本は一歩踏み込んできた。妥協する選択肢は、ありえなくなった」――中国国務院(中央政府)の幹部は、深い溜め息をついた。

 9月7日午前、沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)の日本領海で起きた中国漁船による海上保安庁巡視船との衝突事件は、24日、那覇地検が船長を処分保留で釈放すると発表、船長逮捕に関する法的な処分は一段落した。

 当初は「国内法に従い粛々と処理するだけ」「中国は冷静に対応するべき」(仙谷由人官房長官や事件時に国交相だった前原誠司外相ら)と応じていた日本政府だが、船長が“凱旋帰国”した翌26日には「双方が冷静に対処すべき」(菅直人首相)とトーンダウンした。不透明な政治決着に、与野党だけでなく地方議会や首長らからも非難や疑問が噴出。「中国の強い圧力で釈放」(シンガポールのストレーツ・タイムズ紙)「日本の降伏宣言で幕」(韓国聨合通信)など、同じように中国との領土問題を抱えたり、海洋権益拡大を急速に強める中国の姿勢を警戒したりし、成り行きを固唾を呑んで見守ってきた周辺国からは失望の声が相次いだ。

 無理もない。いったんは拳を振り上げた日本政府が、次々に対抗措置を打ち出した中国に強引に屈服させられたのは「いかに強弁しようと否定できない」(日本の外務省幹部)からだ。「戦略的な互恵関係を深める」と標榜していた両国関係は、なぜ一夜にして「大使召還を検討」(同)するまで悪化したのか。そこには日中ともに、思い込みに基づく深刻な誤算があった。

■「対抗措置」から「対日外交闘争」へ

 重要な経過だけ、振り返っておこう。9月7日午前10時15分頃、海上保安庁の巡視船「よなくに」が領海内で違法操業していた中国漁船「閔晋漁5179」に領海内から去るよう再三警告したが、逃走を図った漁船は「よなくに」に接触し、続いて10時56分、同「みずき」に船体を体当たりさせた。午後0時56分、「はてるま」を加えた3隻の巡視船が漁船を追いつめ、日本側の係官22人が乗り込み、セン其雄船長(センは澹の右側)を拘束、翌8日午前2時3分、正式に公務執行妨害容疑で逮捕、身柄を石垣海上保安部に移したのは同7時45分だった。

 これまでは警告すれば領海外へ移動する漁船がほとんどで、外国人漁業規制法などで立件しても略式起訴・罰金刑で決着するケースが大半だったが、今回は「海上保安官の立ち入り検査への妨害が極めて危険・悪質」と判断。首相官邸や国交省・海保本庁の判断を仰ぎながら、衝突から逮捕に至るまで約16時間、「あらゆる可能性を考慮し、法的根拠を詰め慎重に手続きした」(国交省幹部)という。

 中国は、外務次官補から始まり外務次官、楊潔チ外相(チは竹かんむりに虎)を経て12日には外交を統括する副首相級の戴秉国・国務委員までが、実に5回にわたり丹羽宇一郎駐中国大使を呼び出して抗議する一方、11日には対抗措置として東シナ海のガス田開発に関する条約締結交渉の延期を発表、「無条件・即時の船長・乗組員と船体の返還」(のちに船長は除外)と「政治的に賢明な判断」(戴国務委員)を求めた。「粛々と国内法で」と唱える日本に、表現を抑制しながらも、法律ではなく政治処理を促したのである。

 事態が変質したのは、船長が公務執行妨害の容疑を否認したため、勾留期限を過ぎた19日に石垣簡裁が10日間の勾留延長を決め、略式起訴ではなく公判請求(起訴)に踏み切る構えを見せてからだった。中国外交部は即座に「強烈な対抗措置」を宣言、「省部級幹部」(各省・自治区・直轄市の党委員会常務委員・中央各部の副部長以上の高官)の交流停止を発表した。「政治的にデリケートな時期には上にならえ」というお国柄に、「反日運動の標的にされてはかなわない」(北京の大手旅行社副総経理)との危惧もかさなり、人的交流の停止・自粛は、民間も巻き込み一挙に拡大した。

 訪米中だった温家宝首相が21日、「さらなる行動」を明言したのはブラフではなかった。23日には建設会社フジタの関係者4人が20日に「軍事禁区」、つまり軍事管理区域に無断で侵入しビデオ撮影したとして拘束され、レアアース(希土類)の対日輸出が滞っていることも明らかになった。象徴的な意味合いが強く実質的な打撃が小さな対抗措置から、「長期化すれば中国自身も傷つきかねない、国家の尊厳と主権をかけた対日外交闘争へ昇級(エスカレート)させた」と冒頭の幹部は振り返った。

■“酒鬼”船長と漁船の実態

 「事件直後、事態がかくも拡大・深刻化すると予想する声は、(中国側には)ほとんど無かった。しかしながら、日本の以前とは違う対応に、しばし戸惑い考え込んだ」

 この幹部が言う「以前」とは、2004年3月、中国人活動家7人が尖閣諸島に上陸、沖縄県警が入管法の不法入国容疑で逮捕したものの2日後には処分保留で強制送還した過去を指す。靖国神社参拝をめぐり中国と緊張していた小泉内閣ですら、超法規的に処理していたからだ。

 幹部は、以前よりやや時間はかかるかもしれないが、最終的に日本は前例にならい船長を強制送還するだろうと、逮捕の時点でも「まだ楽観的だった」と吐露した。事件後、中国は直ちに在京の大使館員らを石垣島に派遣、8日午後に海上保安部で初めて面会した後、連日、船長・乗組員から事情を聴いた。船長自身の供述や、漁船の母港である福建省晋江などの情報を総合し、「真相が分かれば、別の落としどころが探れるかも知れない」と期待したのだ。幹部は楽観論の根拠となった“真相”を列挙した。

 セン船長は地元関係者の間ではかねて「習慣性酒精中毒(アルコール中毒)の酒鬼」で知られ、「事件の際にも白酒(アルコール度の高い中国製ウオッカ)をあおり泥酔していた」「14人の乗組員は、今回の出漁に際し臨時募集したメンバーで、乗船するまでお互いの名前すら知らなかった」「事件当時も、乗組員は皆、割り当てられた持ち場で作業中だった。操舵室で舵を握る船長に声をかけたり注意したりできる乗組員はいないし、もともとそんな必要も雰囲気もなかった」「自船(166トン)よりずっと大きな“よなくに”(1349トン)など巡視船3隻に包囲されたのに、全くブレーキをかけないどころか、さらに加速して突進した。狂気の沙汰だと思ったときは後の祭り……展開を想像できた乗組員は1人もいなかった」――。

 「市場経済時代の漁民は恐れ知らず。もちろん、国内外を問わず法律など一顧だにしない。豊漁が期待できる漁場があると耳にすれば即、飛び出す」「かつて北朝鮮の領海に入り海上で漁民が射殺された例もある」「今回の漁船も、台湾・広東沖を回ったが期待した漁獲がなかった。途中、ここ数年は不漁だった釣魚島周辺が今年は豊漁との噂を聞きつけた。釣魚島海域に向かうのは初めてだった」と幹部は内情を解説する。

 「当然、日本側も我が国の実情を熟知している」と中国は思い込んでいた。「正直に言えば、保釣運動家(釣魚島を保衛せよ=守れ=と訴える、大陸・香港・台湾にまたがる活動家)はほぼ完全に管理できる」と幹部は漏らし、「けれども漁民は、どうしようもない。いとも簡単に国家の網の目をくぐり抜ける、ジャングル市場経済の先兵ですよ」と苦笑した。

■胡錦濤指導部の危機感

 勾留延長に当初の楽観論は吹き飛び、中国は「激烈に反応するしかなくなった」。起訴され日本の国内法を適用した判例が確定すれば、「中国の領土である釣魚島」における日本の司法権を認めるに等しい。1978年、尖閣諸島をめぐりトウ小平(トウは登におおざと)が唱えた「領有権論争は棚上げし共同開発」との暗黙のルールを、「日本は公然と踏みにじり、正面から我が国に挑んできた。実効支配を強めるばかりか、酒鬼の暴走という些事をテコに法的にも足場を固めようと攻めてきた」と中国は受け止めたのだ。

 「ここで引き下がったら李鴻章になってしまう」――党中央の中堅幹部は、胡錦濤指導部の危機感を、日清戦争に敗北、全権として日本に台湾や遼東半島などを割譲する下関条約に調印したため売国奴の代名詞となっている清末の政治家・李鴻章になぞらえる。胡錦濤総書記や温家宝首相は、寸土でも「神州大地(中華民族の神聖なる版図)」を奪われれば「李鴻章のように、民族の裏切り者として歴史に名を刻まれ、永遠に唾棄される」と身構えたのである。

 ことに日本が絡むと、中国のナショナリズムは簡単に暴走する。「日本がかつてない一歩を踏み出してきた以上、誰の目にも明らかな中国の勝利を印象づける対日攻勢が欠かせない。最悪の場合は、持久戦も覚悟した」(中堅幹部)。

 日本の一部報道が“真相”を無視して、漁船は海上民兵を乗せた頑丈な鋼鉄船で政権の指示を受け意図的かつ計画的に挑発したなどと伝えたのも、疑念を募らせた。「またぞろ躍起になって中国を悪魔化して描き、政府も黙認している」と受け取ったわけだ。

 かたや中国国内の世論も過剰反応し、ネットには「今や剣を抜くときだ」などの声が飛び交った。娘が日本人と結婚し訪日経験も多い、普段は冷静な老知識人ですら「あんな大きな巡視船に漁船から衝突するはずがない。やはり、中国側の説明のように日本側からぶつかってきたのではないか」と語るなど、“真相”を知らされないまま双方の国民感情は急速に悪化した。

 しかしながら、持久戦、言い換えれば「我慢比べ」が苦手なのは、いうまでもなく日本である。20日までは、「だって検察の話ですから」「検察が国内法にのっとって粛々とやっている」と明言していた前原外相は、23日、クリントン米国務長官と会談した中で「国内法にのっとり粛々と対応する」と繰り返しながらも、「外交問題なので、その点は大局的に判断していきたい」と加えた。対中強硬派として政権内で事件処理をリードしてきた前原外相の、前後の脈略も不明な苦しい撤退宣言である。「我慢比べ」は必然的に「力比べ」に陥る。「外交問題」と認めた瞬間、「粛々と国内法」との前言を翻したに等しい。挙句に、仙谷官房長官は29日、「司法に関する中国の理解がまったく異なると、われわれがもう少し習熟すべきだった」と認め、当初から中国の出方を見誤っていたと白旗を掲げたのである。

 「船長の釈放は、あくまで検察の判断」と日本政府が繰り返したのは、余計な茶番だったかもしれない。そもそも中国は、「光華寮裁判を通じ、日本が標榜する三権分立や司法の独立が嘘だと見抜いている。押せば退くと知っているのだ」と外務省の元高官は明言する。冒頭に述べた地方議会の意見書や決議には、中国への非難だけでなく「責任を検察に転嫁するのは言語道断」(香川県議会)、「船長釈放で日本政府に抗議」(沖縄県議会)など、自国政府への苛立ちが目立つ。前原外相ら政府首脳がいかなる成算に基づいて国内法を貫徹できると判断したのか、真相は見えない。「一歩引いた菅首相の対応を見ても、純粋に正義と法を信奉する前原大臣のキャラクター抜きには考えられない。ねえ?」。元高官がこう話を振ると、現役幹部は黙ってうなずくのだった。

■「トウの棚上げ論の有効期限は過ぎた」

 「酒鬼」船長を抗日英雄と祭り上げ、香港紙に「また釣魚島海域へ漁に行きたい」とまで語らせた中国も、外交的な勝利をアピールするためだけにチャーター機を派遣、地元はパレードで出迎えるなど茶番を演出した。だが一方で、「酒鬼が余計なことをしゃべらないよう」船長や家族を監視下に置き、当面は「行動範囲も制限、香港・海外マスコミから隔離する」と先の中堅幹部は打ち明け、こぼした。

 「腰砕けの外交をさらけ出した日本、荒っぽく非理性的な外交を国際社会に印象づけて脅威論に新たな市場を与え、異質さをあらためて際立たせた中国――どちらも傷を負った。結果的に笑ったのは、日米安保体制を強化し南シナ海など中国が関わる領有権紛争に介入しようとしている米国だけだ」

 思い起こして欲しい。日本は、1972年の国交回復交渉のときから一貫して「日中に領土問題は存在しない」と主張してきた。だが1978年、トウ小平は来日する直前に100隻以上の、まさに海上民兵を乗せた漁船を尖閣諸島周辺に送り出して領土問題の存在をアピール。福田赳夫首相(当時)との会談で、トウは「大局を重んじよう」と呼びかけて煙に巻き、その後の記者会見において「我々の世代は知恵が足りない。我々より聡明な次の世代は、みなが受け入れられる解決策を見出し解決してくれるだろう」と述べ、棚上げ論を展開したのだった。「公式の会談で持ち出した話ではない。記者会見での発言にいちいち反論する筋合いもないと、外務省は判断したが……」と先の外務省元高官は述懐した。トウの時代から、日本の政権が自民党か民主党か、首相が誰かとは関わりなく、中国の立場は一歩も後退していないという事実を見逃してはならないのである。

 「もっと大切なのは」と先の中堅幹部は、一段と力を込めた。「事件を通じ日本の“野心”があらわになった以上、我が国も真剣に対日領土政策を見直さなければならないとの議論が党中枢で起きている。焦点は、トウの棚上げ論の有効期限は過ぎたのではないか、もはや現状維持政策は持続不可能ではないのか――だ」。

 この中堅幹部によると、実は温家宝首相は2年ほど前からトウ以来の戦略を調整する意向を示し、着々と策を練っている。「釣魚島の領有権では後退しない原則そのものは不動だが、今回の事件を受け新たな戦略に基づく政策を急ぐ可能性が出てきた」というのだ。この中堅幹部や先の国務院幹部ら複数の当局者は「釣魚島領有権に関する温首相の3段階戦略」と称した。「温の指示に基づき」国家発展改革委員会・外交部に加え軍総参謀部が軸となり、具体策を煮詰めているという。トウのくびきから脱し、温家宝は如何なる新秩序を東シナ海に打ち立てようとしているのだろうか。この問題については稿を改めたい。

藤田洋毅 Fujita Hiroki/ジャーナリスト
Foresight(フォーサイト)|国際情報サイト
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by yupukeccha | 2010-11-29 11:22 | アジア・大洋州