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スカイマーク、国際線で航空大手2社に勝負 “野望の翼”A380購入

フジサンケイ ビジネスアイ 11月25日(木)8時15分配信

 新興航空会社のスカイマークが、航空大手2社に本格的な勝負を挑む。世界最大の旅客機、仏エアバス380(A380)で国際線への参入、運賃を大手の半額程度に抑えるという思い切った戦略だ。航空自由化(オープンスカイ)の進展に加え、日本航空の破綻(はたん)、格安航空会社台頭など激動期を好機ととらえ、あえて積極策に出ることで大手2社態勢にくさびを打ち込もうという“奇策”は成功するか。

 ◆運賃 大手の半額

 「運賃が高止まりしている北米線や欧州線で、大手と価格差を提供できる。勝算はある」

 スカイマークの西久保慎一社長は今月12日の記者会見で、国際線の顧客の取り込みに強い自信を示した。同社は2014年度をめどに、欧米3路線を開設する計画。成田-英ロンドン、米ニューヨーク、独フランクフルトが候補だ。それぞれ1日1往復を検討している。

 総座席数は394席にする計画で、1人当たりのスペースにゆとりをもたせるという。ビジネスクラスとプレミアムエコノミーの2種類で、運賃は大手の半額程度を目指す。

 国内航空会社として初めて、「空飛ぶホテル」と呼ばれるA380を購入することも、業界を驚かせた。エアバス日本法人によると、1機当たりの参考価格は3億4630万ドル(約288億円)と値の張る機材だからだ。

 実際、スカイマークが国際線参入を宣言した翌日の9日、同社の株価はストップ安になった。コスト負担の増加や増資懸念が広がった。

 これに対し、西久保社長は「初年度から黒字化できる」と強気だ。最初の2機は14年度までに得る利益でまかない、資金調達は想定していないという。将来は計15機体制まで持っていく計画だ。

 ◆全日空「驚いた」

 スカイマークの国際線参入を迎え入れる大手2社の胸中は複雑だ。全日本空輸の伊東信一郎社長は「いずれ国際線に就航をされるとは思っていた」としながらも、A380の購入計画には「驚いた」と戸惑いを隠せない様子。経営再建中で機材の小型化を進める日本航空も「本当にA380でできるのか」(幹部)と、スカイマークの次の一手に関心を寄せている。

 一方、国土交通省は「オールジャパンでみた場合は国際競争力の向上につながる」(幹部)と歓迎。航空会社が自由に路線や便数、運航ダイヤを決められるようにするオープンスカイ政策を拡大する方針の政府にとって、スカイマークの挑戦が大手2社を刺激するとみる。

 ただ、成田の発着枠は拡大が決まったものの、「ロンドンやフランクフルトは発着枠がいっぱい」(業界関係者)だ。同社が発着枠を獲得し、参入を実現させ、思惑通り黒字を確保できるか、ハードルは低くない。(米沢文)

by yupukeccha | 2010-11-25 08:15 | 経済・企業  

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