インドの聖地、2つの宗教に分割判決 対立再燃も

2010年10月1日1時45分 朝日新聞

b0161323_1523139.jpg 【ニューデリー=武石英史郎】ヒンドゥー教徒とイスラム教徒が所有権を主張し合い、宗教対立の火種となっているインド北部アヨディヤのモスク跡地をめぐり、同地に近いラクノウの高裁は30日、ヒンドゥー側が3分の2、イスラム側が3分の1を分割所有するよう命じる判決を言い渡した。判決をきっかけに対立が再燃する可能性があり、インド政府は全土で警戒態勢を敷いている。

 アヨディヤには、ムガール帝国時代の16世紀に建造されたモスクがあった。しかし、ヒンドゥー教徒は、叙事詩「ラーマーヤナ」の主人公ラーマ神(最高神ビシュヌの化身)が生まれた聖地だと主張。1950年以降、双方が所有権の確認を求めて民事訴訟を起こしていた。訴訟が長期化する中、ヒンドゥー原理主義者が92年、モスクの破壊を強行。それをきっかけに全土で宗教暴動が起き、2千人以上の死者を出した。

 判決は考古学的調査を基に、ヒンドゥー寺院の廃虚の上にモスクが建設されたと認定したうえで、ヒンドゥー教とイスラム教の団体にそれぞれ3分の1、聖地の核心部を含む3分の1をラーマ神という神格に分け与えるとした。

 判決後、ヒンドゥー原理主義団体は「ラーマ神の生誕地と認定された。壮大な寺院を再建しよう」と歓迎。イスラム側は判決への評価を避けつつ、最高裁に上告する意向を明らかにした。

 宗教対立の再燃を懸念する政府は、アヨディヤがあるウッタルプラデシュ州に約20万人の治安要員を動員。過去に大規模な暴動が起きた西部ムンバイでは、判決前に約7千人を予防拘禁した。扇動的なメールの送信を警戒して、全土で携帯電話メールの大量送信サービスを停止した。
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by yupukeccha | 2010-10-01 01:45 | アジア・大洋州  

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