カンボジアのポト派裁判で元収容所長に禁固35年

7月26日13時50分配信 産経新聞

 【プノンペン=宮野弘之】1970年代後半、カンボジアのポル・ポト政権の下、国民ら180万人以上が強制労働や飢餓、拷問などで虐殺された事件の責任を問う特別法廷は26日、元幹部の1人で当時のトゥールスレン政治犯収容所の所長、カン・ケ・イウ被告(67)に禁固35年を言い渡した。同政権元幹部への判決言い渡しは初めてで、79年の政権崩壊から31年を経てようやく、同政権に対する最初の法の裁きが下った。

 判決言い渡しは、プノンペン近郊に設けられた特別法廷で行われた。法廷に現れた同被告は、青いボタンダウンのシャツにグレーのズボン姿で被告席に着き、裁判長による判決言い渡しを見つめた。

 同被告が75年から4年間、所長を務めたプノンペン市内のトゥールスレン収容所では、スパイ容疑で連行された女性、子供や外国人を含む1万5000人以上が拷問などを受け、同収容所や郊外の処刑場で殺害された。収容者で生き残ったのは14人とされる。

 2009年2月に始まった公判で同被告は、収容所長としての自らの罪を受け入れると述べ、反省の姿勢を示すなどした。検察側は昨年11月、同被告に最高刑の終身刑でなく、禁固40年を求刑。しかし、同被告はその後、すべては上からの指示に従ったものだとして無罪を主張。すでに長期間拘束されたとして、釈放を要求していた。

 事件をめぐっては同被告のほか、故ポル・ポト元首相の右腕といわれたヌオン・チア元人民代表議会議長、キュー・サムファン元国家幹部会議長、イエン・サリ元副首相と妻のイエン・チリト元社会問題相の4人が身柄を拘束されている。4人の取り調べはすでに終わっており、9月には起訴の手続きが始まる見通しだ。
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by yupukeccha | 2010-07-26 13:50 | アジア・大洋州  

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