中国 鉄道事業で南米進出 資源確保へ伸びる“レール”

2010.7.14 21:33 産経新聞

 【北京=川越一】食糧やエネルギー資源の安定供給確保が課題となっている中国が、南米諸国との関係強化を進めている。胡錦濤国家主席は13日、訪中しているアルゼンチンのフェルナンデス大統領と会談し、経済・貿易における協力を促進していくことなどで合意した。中国側が南米食い込みの“切り札”にしているのが、日本などの技術を流用した鉄道事業だ。

 中国メディアなどによると、両国は、中国がアルゼンチンの鉄道事業に100億ドル(約8890億円)を投資する契約を結んだ。中国は今後、2~5年をメドに、アルゼンチンの鉄道の電化、ブエノスアイレスの地下鉄整備など10事業を展開していく。

 すでにブラジルへの地下鉄車両輸出も決まっており、2016年リオデジャネイロ五輪前には、リオ市内を中国製の地下鉄が走る手はずとなっている。またベネズエラとの間でも、昨年、高速鉄道建設事業の契約を締結している。

 近年、鉄道分野での中国の進捗(しんちよく)は著しい。国内では高速鉄道網の整備に力を入れており、今月1日には、上海-江蘇省南京間の300キロを最高時速約350キロで結ぶ、都市間高速鉄道が開通したばかり。日本やドイツ、フランスから導入した技術を寄せ合わせて製造した車両を「自主開発」とうたって、海外に積極的に売り込んでいる。

 北京交通大の専門家が英字紙、チャイナ・デーリーに語ったところによると、生産コストの低さと製造期間の短さが中国製車両のセールスポイント。資金面での援助も南米諸国を引きつける要因となっている。

 一方、中国の狙いはブラジルやアルゼンチン、ベネズエラの大豆や石油だ。南半球の農業大国との関係強化は、経済発展の維持に欠かせない“資源”を確保すると同時に、新興国の中での中国の影響力強化にもつながる。中国の南米への投資は急速に増加しており、2008年以降、中国はブラジルの最大の貿易相手国に浮上している。

 問題がないわけではない。中国は今年3月、中国製品の輸入監視を強化するアルゼンチンからの大豆油輸入を停止。外務省の秦剛報道官は13日の定例会見で「貿易発展の中で起きる正常な問題だ。友好的な交渉で解決できる」と述べ、摩擦解消を強調した。

 アフリカ、中東、そして南米へ-。中国政府が敷いた資源確保に向けたレールは延伸を続けている。
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by yupukeccha | 2010-07-14 21:33 | アジア・大洋州  

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