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北朝鮮から打診 国連軍と13日に接触 対話模索の見方

2010年7月13日1時46分 朝日新聞

 【ソウル=牧野愛博】在韓国連軍司令部は12日、韓国哨戒艦沈没事件をめぐり、北朝鮮との大佐級実務接触を13日午前に板門店で行うと発表した。事件に関する国連安全保障理事会の議長声明に北朝鮮が抑制した対応をとっていることを、国連軍側が考慮した模様だ。今月にも行われる米韓合同軍事演習も、中国の反対を意識して抑えた内容になる見通しで、強硬姿勢を保ってきた韓国政府は新たな対応を迫られそうだ。

 国連軍は6月26日、事件を巡る北朝鮮軍との大佐級接触を要求。北朝鮮は韓国との軍事会談を求めていたが、北朝鮮を名指しでは非難しない議長声明という安保理での結論がほぼ固まった今月9日になって、大佐級接触を13日に行うよう逆に打診して来た。

 韓国政府当局者はこの打診について「北も出口を探しているようだ」と指摘。北朝鮮外務省報道官が10日、安保理の議長声明を受けて核問題をめぐる6者協議の再開に言及したことと合わせ、北朝鮮が対話を模索し始めたとの認識を示した。

 北朝鮮軍に対する武力示威行動と位置づけていた米韓合同軍事演習の内容も、後退する見通しだ。韓国政府関係者によると、事件現場に近い黄海で行う予定だったが、米原子力空母を北上させない案や演習海域を黄海以外に移す案を検討している。米国が、演習に強硬に反対する中国の姿勢を懸念しているという。

 韓国軍による軍事境界線近くでの軍事宣伝放送やビラの散布も保留のまま、当面は再開されない見通しだ。朝鮮半島での緊張拡大に強く反対する中国に加え、米国も宣伝放送再開に慎重な考えを示しているという。

 このため、沈没事件を受けて韓国政府が5月24日に発表した独自制裁のうち、軍事関係の主要政策が実現できないか、縮小される事態に陥りそうだ。同政府内からは国連安保理での協議の終了で「事件対応の最も重要な時期は過ぎた」との声が出るなど、更なる北朝鮮への対抗策の実施に悲観的な見方も出始めた。

 韓国外交通商省報道官は12日、6者協議再開の条件として「北が議長声明を尊重して国際社会に責任ある態度をとることと、非核化の意思を明確に示すことが必要だ」と語った。韓国内には「事件に対する北の謝罪が必要だ」との主張も残るが、「冷却期間を置く」(別の関係者)以外に韓国がとれる手段はなくなりつつある。

by yupukeccha | 2010-07-13 01:46 | アジア・大洋州  

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