政府対タクシン派、対決の構図再び 下院バンコク補欠選

2010年7月6日22時39分 朝日新聞

b0161323_1521951.jpg 【バンコク=藤谷健】タイの首都バンコク郊外で25日、与党民主党の現職死去に伴う下院補欠選挙が投票される。議席維持を目指す同党に対し、最大野党タイ貢献党は、首都を2カ月以上占拠したタクシン元首相派「反独裁民主同盟」の幹部を擁立。事実上の一騎打ちになっている。5月19日の騒乱収束から1カ月半余。政権と元首相派の対決構図が再び熱を帯びている。

 バンコク中心部から北東に約20キロ。低所得者向けの団地が立ち並ぶブンクム区。同区を含むバンコク第6選挙区(定数3、欠員1)で先月28日、選挙戦が始まった。週末の今月3日夕、団地の空き地は3千人以上の貢献党支持者で膨れあがった。元首相派のシンボルカラーである赤シャツ姿が目立つ。

 党幹部や現職議員などが相次いで演説に立ち、アピシット政権の批判が続いた。だが、普通の選挙集会とは違う。候補者の姿がないのだ。貢献党が擁立したのは、バンコク騒乱を受けてテロ容疑などで逮捕・拘置中の企業経営者コーケオ氏(45)。届け出のため、一時的に釈放されたが、再び拘置所に戻った。

 日も暮れた集会最終盤、「反独裁民主同盟」の共同代表で、議員の不逮捕特権で拘置を免れているジャトゥポン下院議員が演説を始めると、聴衆は総立ちとなった。首都で2カ月以上続いた反政府集会のまるで再現だった。

 バンコクなどでは非常事態宣言が出たままで、政治集会は禁止。選挙集会のみ例外となっている。この機会に、タクシン元首相派の人びとが各地から集まってきている。その一人、南部チュンポン県出身のクンさん(46)は「治安当局の強制排除で泣く泣く解散したが、またここに戻れてとてもうれしい」と話した。

 民主党は、前外務副大臣で、バンコク都副知事を務めたパニット氏(47)を擁立。同氏は、役所や学校など公的機関を回り、閣僚らの応援を得るなど、与党の強みを最大限に生かしたい考えだ。

 この選挙区は、前回2007年の選挙で民主党が定数3のうち2議席を得たが、小選挙区制だったそれ以前は元首相派が優勢だった。アピシット首相とすれば、騒乱後初の国政選挙に負ければ元首相派に勢いを与え、何とか取り戻した社会秩序が再び打撃を受けかねない。
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by yupukeccha | 2010-07-06 22:39 | アジア・大洋州  

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