中国産「紀州梅」、韓国産「日田梨」 アジアで偽装拡大

2010年7月5日15時0分 朝日新聞

 農林水産省がアジア主要国の市場を調べたところ、中国産なのに「紀州」と表示した梅や、大分県の日田梨とそっくりな包装の韓国産梨など、日本産を偽装・模倣したとみられる多くの農水産物が見つかった。近年日本産のブランドイメージが高まり、便乗を狙ったとみられるが、取り締まるのは簡単ではないという。

 農水省は2008、09年度、台湾、韓国、中国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアの市場や百貨店などで調査を実施。このうち台湾と中国で、日本産の偽装や模倣とみられる商品を見つけた。

 農水省によると、台湾で見つかったのは「日田梨」「新高」と書かれた包装の梨。一方でなぜか「福岡共撰(きょうせん)」とも記されていた。農水省側の問い合わせに対し、販売業者はこれらが韓国産と認めた。

 また大きく「北海道」と表示された台湾産牛乳や、マレーシア産ビスケットもあった。牛乳の販売業者は「北海道の牛飼育の技術を採用しているので北海道と表示している」と話したという。台湾では模倣商品が多く見つかり、中には日本の会社名と一文字だけ違う味噌(みそ)もあった。

 中国では、「紀州」と大きく表示され、裏に小さく産地として中国内の地名が書かれた梅が広州の市場で見つかった。成都には、会社名のロゴや商品名などすべてが日本製品に酷似したパッケージの「ねりわさび」もあった。現地では日本食ブームで、わさびの需要が増しているという。

 これらの商品はいずれも日本の漢字やひらがなが書かれていた。農水省の担当者は「日本でアルファベットの商品名が多く見られるように、イメージ戦略の一つだろう」と話す。

 台湾・中国での日本製の偽装・模倣は、工業製品や著作物などで知られてきたが、近年は農水産物も目立ってきた。日本産が高級であるというイメージが定着したとみられる。特に台湾などから観光客が多く訪れる西日本の産地を偽装する例が多いという。

 これらの商品を排除するには、現地の法律の適用を求める必要がある。ただ、農水省によると、小さくても真正の産地が書かれている場合は、産地偽装を問えるか不透明という。また品種名などのロゴが現地で商標登録されている場合は、取り消しや使用の差し止めを求めても、訴訟や審判の手続きに時間や費用がかかり、排除は簡単ではないとしている。

 こうした商品が増えることで、日本産ブランドのイメージが落ちることや、実際に日本企業が販売網を広げる際に支障となることが懸念される。農水省は調査結果を台湾側に伝え、対処を依頼しているが、より強い対応の検討も始めた。山田正彦農水相は「単なる警告だけでなく、司法共助みたいにもう少し具体的に調べて結果を出すようなことができないか」と話している。(大谷聡)
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by yupukeccha | 2010-07-05 15:00 | アジア・大洋州  

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