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<IWC>捕鯨対立に終止符? 総会21日開幕

6月20日15時2分配信 毎日新聞

 国際捕鯨委員会(IWC)年次総会が21~25日、モロッコのアガディールで開かれる。IWCは長年、捕鯨推進派と反捕鯨派の反目が続いてきたが、今回は対立に終止符を打つ新たな合意案が議長から示されている。日本にとっては南極海での捕鯨縮小を迫られる一方、悲願とする日本沿岸での商業捕鯨再開が認められる内容。国内の関係者には期待感もあるが、欧州連合(EU)が南極海捕鯨の段階的廃止を求めるなど各国の思惑が交錯しており、合意に至るかどうかは予断を許さない状況だ。【行友弥、ブリュッセル福島良典】

 対立の原点はIWCが82年に決めた商業捕鯨のモラトリアム(暫定的停止)。欧米で高まったクジラ保護論を背景に導入されたが、日本など捕鯨国は「科学的事実を無視した決定」と反発。ノルウェーとアイスランドは国際捕鯨取締条約に基づく異議申し立て手続きをして商業捕鯨を続行し、日本も条約を根拠とする調査捕鯨を南極海などで行ってきた。

 欧米や豪州の反捕鯨国は日本の調査捕鯨に「調査を装った商業捕鯨」と反発し、廃止を要求。日本は逆に商業捕鯨の解禁を主張し、特に▽北海道・網走▽宮城県・鮎川▽千葉県・和田▽和歌山県・太地を拠点とした沿岸捕鯨の再開を目指す。しかし、IWC総会で捕鯨の枠組みを変えるには有効投票の4分の3以上の賛成が必要で、どちらの主張も通らない状態が続いてきた。

 この空転を終わらせ、今年度から10年間の暫定的な枠組みを作るのが議長案の狙い。「商業捕鯨」「調査捕鯨」といった区別をやめ、全体の捕獲数を大幅に削減しつつ海域・鯨種別の捕獲枠を設定することが柱で、捕鯨派・反捕鯨派双方が折り合えるギリギリの妥協点を探る内容だ。

 盛り込まれた捕獲枠は、日本が調査捕鯨で捕ってきた南極海のミンククジラを現状の約850頭(09年度の枠。実績は約500頭)から400頭に、15年度からは更に200頭に削減。一方、北西太平洋のミンククジラは160頭とし、うち120頭を沿岸捕鯨とする。事実上の商業捕鯨再開となるため、民間捕鯨業者の期待は高い。赤松広隆前農相も「高く評価したい」と議長案を歓迎した。

 ただ、南極海捕鯨の大幅な縮小など、日本にとっては失うものも多い。かつてIWC交渉の先頭に立った水産庁OBの小松正之・政策研究大学院大教授は「議長案は科学的根拠を欠いた無原則な妥協案」と批判している。

by yupukeccha | 2010-06-20 15:02 | 社会  

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