「水と油」反捕鯨国との溝深く IWC閉幕

6月26日22時3分配信 産経新聞

 25日閉幕した国際捕鯨委員会(IWC)年次総会では、捕鯨論議が先送りされた。長年続く捕鯨国と反捕鯨国の対立に、議長が提案した“休戦協定案”は決裂。なぜ、溝は埋まらないのか。(高橋裕子)

 「捕鯨国と反捕鯨国は本質的には水と油。合意は難しく、何とも思わない」

 祖父の代から房総半島沖でクジラ漁を営む外房捕鯨(千葉県南房総市)の社長、庄司義則さん(49)は決裂にも冷静だ。

 「捕鯨は漁業であり、当たり前のことをしているだけ。かつては乱獲していたのに今はかたくなに反対する、反捕鯨国の尊大さにはあきれる」。庄司さんはそう切って捨てた。

 今回の議長案は日本に沿岸での捕鯨枠を認める一方、南極海での捕獲枠を段階的に減らすもの。日本は理解を示したが、豪州などの反捕鯨国は南極海での捕鯨全廃を主張した。

 南極海では鯨類資源が豊富なことがこれまでの調査で分かっている。しかし、日本がこうした「科学に基づく議論と情報の尊重」を訴えても、豪州などの反捕鯨国は「クジラを殺すべきではない」と繰り返すばかりだった。

 農林水産省幹部は「資源量のことは豪州も分かっているから触れない。自分の庭だと思っている南極海に入られたくないだけ」と話す。日本は今後も南極海での調査捕鯨を続ける方針だ。

 IWCなどの交渉にかかわった農水省OBで政策研究大学院大学の小松正之教授は「将来の食糧不足が懸念される中、日本の南極海調査は国際的にも重要性は増している。今後も日本は削減案に乗らず、調査結果をコツコツと出し続けることだ」と話す。

 ■鯨肉消費、馬肉の3分の1

 日本の戦後の食糧難を助けた鯨肉だが、商業捕鯨の撤退後は調査捕鯨で捕ったものが調査後に流通するなど、わずかな量になった。農水省によると、現在の国内消費量は年間4千~5千トン。馬肉の3分の1、カズノコよりも少ない。農水省は「量が少ないから食文化でないとはいえない。食べたい、捕りたいという人がいる以上、農水省は環境整備に努める」としている。
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by yupukeccha | 2010-06-26 22:03 | 社会  

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