クボタショック5年 石綿吸引の6割に職歴なし

6月26日21時51分配信 産経新聞

 兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場周辺のアスベスト(石綿)被害で、市の健康診断を受診した延べ3056人のうち、今年3月末現在で196人が石綿を吸引した疑いがあると診断されていたことが26日、明らかになった。このうち6割近い115人は、石綿を扱う仕事についたことがなかった。健康被害が表面化した“クボタショック”から、29日で5年。周辺住民が石綿に曝露していた実態が、あらためて浮き彫りとなった。

 一方、支援団体によると、同工場周辺の住民で、今月15日までに中皮腫などのため死亡したのは計190人。この1年で11人が新たに亡くなったという。石綿による疾患は発症までの期間が長く、健康被害は今後も広がることが予想される。

 健康診断はクボタショック後の平成17年8月から、尼崎市内で昭和30~50年に居住、勤務した人を対象に問診と胸部エックス線検査を実施。被害根絶を目指し被害者らが26日に尼崎市で開いた集会で、市が経過を報告した。

 市によると、受診した延べ3056人のうち17.3%に当たる529人に、精密検査が必要と診断。精密検査の結果について回答があった461人中196人に対し、石綿吸引が原因と疑われる胸部疾病「胸膜プラーク」や「びまん性胸膜肥厚」などの疾患がみられた。さらにこのうち8人については、肺がんや中皮腫の疑いがあった。

 これに対し、問診の際に仕事で石綿を扱ったことがあると答えたのは、196人中81人。残る115人は日常生活で石綿を吸引したとみられる。

 一方、この日の集会には、大阪・泉南地域など全国各地の被害者や支援者ら約150人が参加。神崎工場の下請け従業員で、妻を石綿の家庭内曝露とみられる肺がんで亡くした早瀬哲夫さん(80)は「人の死を軽く見過ぎている政府の対応に怒りを覚える。皆さんとともにアスベスト問題と闘う」と呼びかけた。
[PR]

by yupukeccha | 2010-06-26 21:51 | 社会  

<< 「水と油」反捕鯨国との溝深く ... 孔子を引き政界諭す 丹羽・新中... >>