「出会い系」ド派手看板・宣伝トラック出現 規制は困難

2010年6月17日16時46分 朝日新聞

b0161323_17301928.jpg 出会い系サイトの巨大な広告看板や宣伝トラックが福岡市内に相次いで出現し、市民から苦情が出ている。サイトは児童買春の温床になるとの指摘もあり、公共の場での広告には一定の取り締まりが必要だとの声が強い。ただ、法的な規制は難しく、業者の判断にゆだねるしかないのが現状のようだ。

 「福岡のみんな!!なんしよ~と?」「もういちど恋をしよう」。福岡市の繁華街、天神そばの幹線道路の交差点。出会い系サイトの利用を呼びかける女の子のキャラクターが描かれたカラフルな看板がひときわ目を引く。市によると、縦10メートル、横17.8メートル。東京都のサイト運営業者が昨年9月ごろに設置したという。

 だが設置後、市民から市に苦情が相次いだ。「出会い系サイトは有害視されているのに、なぜ撤去しない」「景観を損ねている」。街の景観を壊す建物を選ぶ「福岡まちこわし大賞」を毎年開く市民団体「福岡・住環境を守る会」も1月、今年の看板の部の特別賞に選定。業者に表彰状を郵送した。守る会の石井吉弘事務局長「あの看板は、ピンクチラシ何万枚にも匹敵するインパクトだ」と話す。

 福岡市内では、別のサイト運営業者のペイントされた広告トラックも街中を走る。JR博多駅前でよく見るというタクシー運転手は「歓楽街以外の場所でけばけばしい看板を掲げて、大音量で走り回る。違和感がある」。

 東京や大阪にも同様の看板が設置されているが、これら広告の規制は現状では難しい。

 福岡市の場合、市景観条例と市屋外広告物条例があるが、いずれも、看板の規格や設置区域を定めたもので、その内容には踏み込んでいない。市都市景観室は「『出会い系だから規制する』とはいかない。看板は街のにぎわいとも結びついており、周辺一帯の看板設置を規制するわけにもいかない」と話す。

 ネット上で援助交際を誘う書き込みを禁じている「出会い系サイト規制法」ではどうか。天神そばの巨大看板は当初、18歳未満の利用禁止の表示がなかったため、公安委員会が3月、同法に基づき改善指導を出した。だが業者が指導後に表示をすると、それ以上は手を出せなくなった。

 出会い系サイトは風俗営業適正化法の適用外で、同法に定められた広告規制も適用できない。福岡県警の捜査関係者は「サイトは児童買春の温床。公共の場で過剰な宣伝活動は抑えたいが、限界だ」と頭を抱える。業者の自主判断に頼るしかないのが現状という。

 天神そばの看板を設置した業者は朝日新聞の取材に「市民に不快な印象を与えた点については対処する。出会い系サイトのイメージ改善もはかる」と話し、内容の変更を検討しているという。広告トラックを走らせる業者は「多くの人に見ていただきたい気持ちで車を走らせているが、不快に思う人がいるかもしれない。今後批判が出れば、検討していく」としている。(河村能宏)
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by yupukeccha | 2010-06-17 16:46 | 社会  

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