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「地震予知失敗」で逮捕? イタリア検察、専門家を捜査

2010年6月5日14時41分 朝日新聞

 【ローマ=南島信也】300人以上が犠牲になった昨年4月のイタリア中部地震で、国の専門委員会が地震予知に失敗したことで被害が拡大したとして、被災地ラクイラの検察当局は4日までに、専門家ら7人に対して過失致死の疑いで捜査を開始した。

 地震予知の研究は各国で進められているが、現段階では正確に予知することは極めて難しい。予知できなかったことで刑事責任を問われれば、各国の研究者にも大きな影響を与えることになりそうだ。

 ラクイラ付近では2008年12月以降、地震が頻発。そのため政府の災害対策機関「民間防災局」の専門委員会が地震学者らと協議。09年3月31日に地元自治体などに対し、大地震発生に結びつくものではないと報告した。地元の研究者が同時期にインターネットのサイト上で「警告」を発していたが、政府は「パニックを引き起こす」として削除させていた。しかし、4月6日未明にマグニチュード6.3の地震が発生した。

 捜査対象になっている国立地球物理学地震学研究所のエンゾ・ボスキ所長は昨年4月の大地震発生直後、朝日新聞のインタビューで「建物の耐震基準が守られていれば、犠牲者はもっと少なかっただろう」と語り、違法建築が被害拡大の原因と指摘。同研究所のアレッサンドロ・アマト局長は今月4日、取材に対し「遅かれ早かれ大きな地震があることは分かっていた。だが我々はそれが1時間以内なのか1年以内なのか予知する方法はなく、避難命令を出す客観的理由はなかった」と話している。

by yupukeccha | 2010-06-05 14:41 | ヨーロッパ  

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