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<タイ>暴徒の中心は貧困層10代少年

5月23日9時15分配信 毎日新聞

 【バンコク西尾英之、佐藤賢二郎】タイの首都バンコクで19日、タクシン元首相派「反独裁民主戦線」(UDD)が都心部繁華街占拠を終結させた後、これに納得できない一部のタクシン派過激派が暴徒化し、バンコク各地で放火や略奪に及んだ。焼き打ちの被害に遭った商店主らは「タクシン派でも反タクシン派でもないのに、なぜこんな目に遭うのか」と悲痛な声を上げる。激しい政治対立が生み出した暴力は、市民の心に深い傷跡を残した。

 「商品は持っていってもよい。火はつけるな」。UDDの占拠地域から北へ約1.5キロ。19日夕、商業施設「センター・ワン」が襲撃を受けた際、店内にいた警備員は暴徒にそう叫んだ。「でもやつらは商品を盗んで、結局火を放っていった」

 センター・ワンには携帯電話や衣類などを扱う約400の専門店が入居。19日は暴動を予測して早い時間に閉店していた。午後6時ごろ、バイクなどで約200人の暴徒が押しかけ、ガラスを割って乱入すると、商品を略奪し放火した。

 暴徒の中心は「子供のような、10歳代の連中」という。目撃者は「少年たちは武器は持っていなかったが、一部の年上のグループは銃で武装していた」と話す。火災発生後、現場付近で治安部隊との間で銃撃戦が起きた。

 建物は全焼。携帯電話店を営むプパさん(45)の損害は50万バーツ(約150万円)に上った。「ビルには保険がかかっているが、店の経営者には補償がない。零細業者ばかりで、政府の支援が必要だ」。運営会社のチーラブンさん(37)は話す。

 暴徒の中心となった少年たちは、タクシン派過激派の騒乱に便乗した貧困層の若者との見方が強い。過激派は、武器や爆発物を持ち出したUDDの自警団員などとみられる。

 放火や略奪の被害を受けた地点は、一部が火災で倒壊した占拠地域中心部にある大規模商業施設「セントラル・ワールド」をはじめ、各地の銀行の支店や、日本人が集中して住むスクンビット通りに近い民間テレビ局「チャンネル3」の局舎など計34カ所に上った。

by yupukeccha | 2010-05-23 09:15 | アジア・大洋州  

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