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メコン川委、中国ダムと旱魃の相関否定

2010/3/17 01:59 カンボジアウォッチニュース

カンボジア・タイ・ベトナム・ラオスの4ヶ国政府によって構成されるメコン川委員会は、メコン川の水位が低下しはじめた時期を昨年9月と同委が認定したことについて、複数のNGOや河川活動家らから成る連携組織「メコンを救え連合」がこれを、上流の中国雲南省にある小湾(シアオワン)ダム水力発電所の貯水開始時期と一致していると指摘したことに対して15日、両者の相関を示す証拠はないと発表した。

またその後、5ヶ月連続でメコン川の水位が前年同期に比べて低かったことを複数の報道機関が2月に報じたにもかかわらず、その後2週間にわたり同委が人々に注意を喚起しなかったことで、下流のラオス・タイでの記録的旱魃災害の被害をみすみす拡大したとする同連合からの批判に対し、同委は、旱魃の予報技術はまだ世界的にも未発達であり、「先進国でも充分な水準には達していない」として責任を否認した。

カンボジアでのメコン川水位低下はラオス・タイに比べて少なく、スタン=トラエン州水資源気象局が15日発表したところによれば、同州内のメコン川観測地点での水位は13日の時点で1.82メートルを記録し、昨年3月29日に比べて0.41メートルの低下にとどまっている。同委は2月の発表で、その原因として、メコン川へ流れ込む支流群が旱魃の影響を受けていないことを挙げている。

米国の市民組織「国際河川」のメコン計画調整員としてタイに勤務するカール=ミドルトン氏は15日、カンボジア紙「ザ カンボジア デイリー」に対し、メコン川は例年でも5月までは水位低下していくことから、旱魃は今後さらにひどくなっていくおそれがあると述べるとともに、上流の旱魃はカンボジアでも漁業に悪影響を与えるおそれがあると述べた。とりわけ大型魚の漁獲高が下がる可能性があるという。

カンボジア人は、動物蛋白質の80パーセントを淡水魚から摂取しているとされ、メコン川の漁獲高の低下が、深刻な飢饉につながるおそれも出てきた。

by yupukeccha | 2010-03-17 01:59 | アジア・大洋州  

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