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台湾立法院補選、国民党また敗北 馬総統の指導力に影

2010年2月27日22時23分 朝日新聞

 【台北=野嶋剛】台湾の立法院(国会、113議席)の補欠選挙が27日、4選挙区で行われ、野党・民進党は3議席を獲得し、与党・国民党は1議席にとどまった。馬英九(マー・インチウ)総統率いる国民党は最近の選挙で敗北が続き、指導力に疑問符がつくのは避けられない情勢だ。民進党は陳水扁前総統の不正送金事件の影を脱し、2012年の次期総統選に向けて攻勢を強める。

 補選があったのは、北部の桃園県と新竹県、南部・嘉義県、東部・花蓮県。民進党は新竹、嘉義で圧勝し、桃園でも接戦を制した。国民党は花蓮で一矢を報いた。嘉義県以外の3選挙区は、前職が国民党籍だったため、民進党は2議席を増やした。

 国民党の金溥聡・秘書長は27日、「深く反省し、警告と受け止めたい」と謝罪した。

 立法院の新勢力は、国民党75議席、民進党33議席、その他5議席となった。

 国民党は「鉄票区(確実に勝てる選挙区)」とされてきた新竹、桃園を落とし、08年総統選で馬総統が77%の票を得た花蓮でも、民進党候補に10ポイント以内に迫られた。党勢の退潮ぶりに党内では衝撃が広がっている。

 最大の敗因は、昨夏の水害対応の不手際で広がった馬総統への失望感が世論に定着したことだ。桃園、花蓮では党公認以外の国民党系候補者が出馬して分裂選挙になり、党内の統制がきかなくなっていることを露呈した。

 国民党は昨年12月の統一地方選、1月の立法院補選に続いて3連敗を喫した。「選挙の顔」とされた馬総統の神通力は色あせ、中国との関係改善にも影響が及びかねない。総統選の前哨戦とされる12月の台北、高雄など5大都市の市長選挙で敗北すれば、馬総統の再選に党内から異論が出そうだ。

 蔡英文(ツァイ・インウェン)・民進党主席は27日、「有権者は民進党が未来ある政党であることを証明するチャンスをくれた」と語り、次期総統選での雪辱に期待を込めた。ただ、馬総統に不満を持つ国民党支持者が投票に行かないなど「敵失」の要素も大きく、蔡氏ら執行部は党内に楽観論が広がらないよう引き締める考えだ。

by yupukeccha | 2010-02-27 22:23 | アジア・大洋州  

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